第二十三話
第二十三話です。
学生にとって日常的最大のイベント――
――席替え
一時間目の席替えでどうにかして佐東と離れられないか考えている。
学級委員である佐東がそのくじを持っている。
くじは箱の中に入っていて紙でできている。紙に数字が書いており、1〜42の数字が振ってある。
横列7席、縦列6席で構成されていて、二組は全員で42人いる。
「はーい、みんな、順番にくじを引いて。」
佐東は持っている箱を教卓の上に置き、くじの順番を整える。
おそらく、このくじにも何か仕掛けがあるはずだ。
それを見破れるかが勝負の鍵になってくる。
くじの順番は左から今1番席にいる人から引いていく。
ちなみに今、一番席の人は青山彰という男子生徒だ。
さて、何番だ?
「ああああああ、また1番だぁぁぁぁ
誰か代わってくれよぉぉぉ」
一番前の席しかも、前と変わらないとか災難だな。
まぁ、私には関係ないか。私の目的はただ、佐東との席から距離を置くこと。
ここで今、現在の席を確認しておこう。
私、城ヶ崎琉奈は現在、
横列6の縦列4の場所に位置している。その左隣が佐東だ。
だから佐東のほうが早めにくじを引くことになる。
さて、ここからどう席は変動するのか。
佐東の順番が回ってきた。
佐東のことだからきっと数字操作しているに違いない。
「やったわ、24番っ!」
24番!?横列4の一番後ろの席じゃない。
後ろの席は論外っ!反対側の一番前の席を引きたいのが理想。
しかし、既に一番前の席は埋まっているっ!
自分の順番が回ってきた。
やばい。
箱の中に手を入れた。
だが、
何なのこれ?
自分より後にまだ人がいるのになんで箱の中の紙が一つしかないのよぉぉぉぉぉーーー
やられた。
見た目は同じだが、私だけ、みんなとは違う別の箱でくじを引かされている。
ここまで大胆にしてくるとは思っていなかった。うっかり誰が箱の存在に気づいてしまったらどうするつまりなの?いや、こいつにはおそらく、『信頼』がある。クラス中から『信頼』を獲得しているのだ。だから学級委員という立ち位置にいるのだ。
「城ヶ崎さん、早く引いてほしいわ。後がつっかえてるからぁ」
「ええ、わかっているわ」
とにかく引くしかない。
城ヶ崎は一つしかない紙を引いた。
紙には30と書かれていた。
「あら〜30ってことは〜一番後ろ、私のと・な・り・ね
改めてよろしくぅ」
佐東は城ヶ崎の肩に腕を組む。
終わった。私の学生生活が。
そして、全員くじを引き終わって変更後の座席に移動する。
「また、改めてよろしくぅ。城ヶ崎s
え?・・・
なんで、青山君が城ヶ崎さんの席にいるの?」
佐東は動揺を隠せていない。
「あ〜城ヶ崎さんが代わってくれたんだよね〜
優しいよね〜かわいいし」
「くそっ」
そう、一番前かつ席が変わらなかった青山君と一番後ろの席である私が代わったの。
普通の学生にとって一番後ろの席というのは魅力的だ。
それを利用させてもらった。
これは表面上から見ると青山君のほうがメリットが大きい。だから、すんなり代わることができた。
しかも、ただ代われただけではない私が『優しさ』で代わったのだから好感度も同時に上げることができた。
私の勝ちだ。




