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第二十二話

第二十二話です。

 昨日のアレは何だったんだろう。


 転校初日から酷い目にあった。

 城ヶ崎は朝、登校中に昨日あった出来事を思い出す。


 やっぱりどこの学校にもあーゆう連中は居るんだな。

 佐東さんから私を助けてくれた謎の男子生徒は一体誰だったんだろう?

 あの後、彼は名前も言わずに行ってしまってお礼も言いそびれちゃったなー

 よし、次あったら絶対お礼言おう。


 ドカッ


「いったたた」


 城ヶ崎は尻もちをつきながら頭を抑える。

 再びあの道角だ。

 また、何かとび出して来た。


「あ、またすいません」


 男の声だ。男は軽くお辞儀をし、謝る素振りを見せる。


 あ、春夏冬君。


「いえいえ、こちらこそまたぶつかって

 走っておられましたが今日もまた、急ぎで?」


「や、まぁ今日は別に」


 低い声でボソッと言う。


「では、一緒に登校しません?」


「あ、まぁいっすけど」


 ああ、やばい、やばい、やばい。朝からイケメンと登校とかどこの少女漫画だよ。

 な、何か会話しなきゃ


「春夏冬君は好きなものとかあるんですか?」


「好きなもの?あー、ゲーム」


「へー、ゲームってどんなのをおやりになるんですか?」


「まぁ色々と」


「……」


 終わったー会話途切れちゃったよってか会話続かなすぎでしょ私。

 えーい次の話題だ。


「得意なことはありますか?」


「ゲーム」


「血液型はなんですか?」


「B」


「好きな色はなんですか?」


「黒」


「誕生日はいつですか?」


「1月17日」


「好きな教科はありますか?」


「国語」


 嘘つけー国語好きならもっとコミュニケーションとれよ。

 会話のキャッチボールではなくて一方的に私からボールを投げているだけじゃないの。

 私が敬語なのも相まってこれじゃあまるで面接じゃない。

 だんだん居づらくなってきたわ。

 もう学校近いんだし適当に理由つけて先に行こうかな。


「あのさーさっきから思ってたけど同級生だし、敬語やめない?

 じゃ、学校近いし俺先行くね。」


「え、あ」


 先に学校行かれたし、内容はともかく初めて彼から話してくれた。

 やだ、私ったらつい喜んで、実は私Mなのかしら。

 さ、私も学校行きましょ


 城ヶ崎はルンルンで学校までスキップしていった。



 ◇



 ところが、幸せと言うのはそう長くは続かないものである。

 城ヶ崎は二年昇降口につくやいなや違和感を覚えた。自分の周りから「クスクス」と笑い声がする。全員女子だ。

 気のせいだと思ったが実はその感は当たっている。

 城ヶ崎は下駄箱から自分の上履きを取り出し、履こうとして、片足を突っ込む。


「痛っ」


 上履きの中に一つ画鋲が入っていた。しかも画鋲が入っていた所は陰湿なことに城ヶ崎から見て死角になっていた。上履きの奥の方に一つだけそしてそれが必ず命中するようになっている。

 足の親指に針が刺さってしまいそこから血が吹き出る。

 おそらく周りで笑っていたやつらも主犯の仲間だと思うので誰の力も借りず、針が刺さっていない方の片足だけで保健室を目指すことにした。

 幸いにも保健室は昇降口を出てすぐのところにある。

 いや、違う幸いでもなんでもないこれこそが計画なのだ。近いからこそ誰の力も借りずに行けるから、きっと城ヶ崎は一人で行く。そして、『一人』っていう事実とそれを見ている周囲が彼女を精神的に追い詰める。保健室が近くにあることを見越して肉体的と精神的ダメージが両方行くように計算された緻密な仕掛けだったのだ。


「あーこれ血すごい出てるね。大丈夫?」


 保健の先生が画鋲を抜き、包帯を巻く。


「はい、大丈夫です。先生」


「もしかして……」


 先生が心配そうな顔で言った。

 その言葉に少し救われた気がした。でも――


「いえいえ、ただ廊下に落ちてた画鋲を踏んでしまっただけですので心配御無用です。」


 ああ、変な嘘をついてしまった。

 これでいい、昨日転校してきたし、そのうちすぐに終わるだろう。

 それに相談したことによって被害が悪化するかもしれない。


「そう? 何かあったら遠慮なく言ってね」


「はい!ありがとうございます。」



 ◇



 ガラッ

 自分の教室の扉を開ける。 

 まるで城ヶ崎を待っていたかのように佐東が出迎えてくれた。最悪の出迎えである。


「あら〜城ヶ崎さん足ぃどうしたんですか?〜」


「佐東さん」


「まぁいいわ」


 佐東は自分の席に座った。

 最悪だ。隣の席は佐東、また何か仕掛けがあるんじゃ


「そう警戒しないで、ほら席に座りなさいよ」


 城ヶ崎の席を手でポンポン叩き、席に座るように促す。

 恐る恐る席に座る。


「ほら〜何もないでしょ」


 確かに何もなかった。昨日の事は本当は夢で今朝だって佐東が関わってないかもしれない。そう思いたい。


「今日の一時間目は席替えだそうよ。昨日転校してきて席替えってタイミング悪いわね」


「へ、へぇ~一時間目は席替えなのですね」


 よしっ、佐東が悪かどうかまだ、わからない。けど、とりあえず佐東と離れることができる。

 これはチャンスだ。絶対に負けられない。

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