第十七話
第十七話です。
俺は殺してしまったことへのせめてもの償いとして女と男、姉弟の墓を立てることにした。
名前はそこら辺にいるガラの悪い連中に聞いた。
姉、ジュビア・ベイカー
弟、クラトス・ベイカー
どうやら、この界隈ではベイカー姉弟として有名で、なんでも、薬の密輸、殺人、性犯罪等々の悪行をしてきたらしい。
そんなやつらが俺を殺しに来ていたと思うと改めて恐怖を感じる。
だが、今本当に恐怖している人物はお前だアリシア。
「さて、一区切りついたところで、当初の目的である城ヶ崎探し再スタートだ。アリシア、例の水晶を」
「はい」
アリシアはバッグから水晶を取り出す。
俺はアリシアのバッグの中がどうなっているかが気になって仕方がない。
裏切り者の可能性があるってのもあるが、そんなことよりもアリシアの背負っているバッグからは色んなものが出てくる。
完全にバッグより大きいものが出てくることもあった。
まじで四次元ポ○ットかよ。
そんなことを考えてバッグの中身を覗こうとしていたら
「あんまり女の子のバッグの中を見ないでください恥ずかしいです」
などと言われるので俺は探っていると疑われないようすこーし遠くで離れて水晶の結果を待つことにした。
未だにアリシアが裏切り者というのが信じられない。
「場所が出ました。」
「おお」
アリシアが驚いた声で特定した場所を伝える。
「場所は王室です。イコラメコヒケの王室です!」
どうやら水晶にイコラメコヒケの王室が写ったらしい。
「なに!? 俺の親父の城じゃねぇか」
そういえばギルが現王子で次期王だということを忘れていた。
「だったら丁度いいギル、王室を案内してくれ」
「案内はいいけどよ俺はあくまで追い出された身だ。期待はするなよ」
◇
「うわーこれが城かー
でかいなー」
白い外壁で囲まれていてそれはまるでディ○ニーに出てくるような西洋の城だった。
現実世界では絵や写真でしか見たことなかったけど、こうして目の前にあると迫力がすごいな。
「そうか、ま、こんなもんだろ」
アーサーに現実世界のことをいつか教えてやりたい
絶対びっくりする。スマホとか
「そうかよ」
「さ、早く入りましょう」
アリシアが城の入門を促す。
「それにしても大きな門だな」
俺はそう言いながら城の門に手をかけようとすると、やはり門番に止められてしまった。
「城に入るための許可書を提示しろ」
そんなの必要なのかよ
「あのなーこいつはギル・ウォーカーだぞ
現王子であり次期王なんだぞ。だから入れろ。」
俺はギルを門番の前に差し出す。
「たしかにギル様のようだな。しかし、カール様に入れるなと止められている。」
カール・ウォーカー、今の王様。つまりギルの父親だ。
おい、実の息子だぞ。厳しすぎんだろ。
門番は続けて言う。
「それに、次の王はすでに決まっている」
「なんだと……」
ギルは絶望した。
自分は親に見捨てられたんだと思い絶望に浸った。
「ギルから聞いたんだが、追い出された理由は能力的に弱いという理由だったな。断言しよう、ギルはもうあの頃のギルではない」
「ほう」
「あの頃より格段に強い!! だから城に入れろ」
「わかった、このことは王に報告させてもらう。明日の朝再びここに来い。」
なんとか城の中に入れそうだ。
今日は城を後にし、一旦宿に戻ることにした。
「それにしても次期王が決まっていたとは」
ギルからはいつもの元気を感じ取ることはできなかった。
よほどショックだったのだろう。
「ま、へーきだ。お前は十分強いよ」
「ああ、慰めてくれてありがとう
今日はもう寝るよ」
そんなこんなでギルが部屋に戻ってしまったので今日は解散にし、各自、自室で夜が開けるのを待った。




