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桜は散って宴は終わる。
この肉体と云う檻の内は…。
ドロドロとした感情で満たされている。
愛情。嫉妬。憎悪。劣等。
それは樹液の様な液体となり…。
私の肉体を動かしていたのだろう。
愛する人を奪われた、あの日から…。
私の心は折れてしまった。
その傷口から細菌は侵入し魂は腐敗して…。
ドロドロとその形状を失った。
希望を求めていた私の想いは…。
徐々に徐々に緩やかに絶望へと変化していったのだ。
だから私は…。
私の真なる家族と共に…。
上村直仁の天国の扉を壊す事にしたのだ。
会社員。女子高生。女子大生。
そして…。
家族であった親友を…。
簡単な事だった。
『天国とは胎内の内にこそ存在する。』
『そして天国は子を成し、子を育む間にしか存在しない。』
だとしたら…。