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流れ星の噂話

作者: みょうばん

流れ星に願いを込めて・・・・


でも、その流れ星って何を考えているのでしょう?


一緒に星を見ながら考えてみませんか?

流れ星?

何だよそれ?

なんか噂で聞いたことあるが・・・

どうせでまかせだろ。


そうだよな!

確か流れ星になったが最後、死んじまうんだろ?

恐ろしい話だぜ!


・・・これはある火星の近くの宇宙を漂っている星と星の会話です。

星と言ってもみなさんが想像するような地球のような大きさではありません。

もちろんその星に人も住んでいなければ生き物も何もいません。

宇宙に漂っている無数の名もなき星の一つ・・・ぐらいに思っておいて下さいね。



 他の星が言った。


お?流れ星について話してんのかよ?

俺も噂でしか聞いたことねぇけどよ、

何か願いを叶えるんだって?


願いって言ってもな・・・・

お前は何か願いあんのか?


うーん・・・・ねぇなぁ。

まぁ、こうやってのらりくらい漂っていてお前達と話をしてりゃあ別に良いからなぁ。

そういうお前は?


そうだな・・・・これまた噂話だけど、

俺達みたいな星じゃなくて、

あそこの青い星には、

話したりする生き物がいるって聞いたことがあるんだが、それと話してみてぇなあ。


そんなのいるのか!俺は初めて知ったぜ。

そりゃ確かにおもしろそうだな。

漂ってるよりはおもしろそうだわ。

ただ漂ってるだけじゃ何で生きてんだかわかんなくなる時あるんだよな・・・。


・・・星がどうやって会話をしているかですって?

ある程度の近さなら念のようなものを送りあって会話ができるみたいです。

テレパシーみたいなものですね。多分脳に直接聞こえてくるみたいな感じでしょう。

だから地球の話も伝言ゲームのようにしてこの星達に伝わっているのですね。



やめた方が良いぜ!!!


 また別な星が言った。


ん?なんでだよ?


俺が聞いた話だと、そいつらは星を砕くというか壊す奴ららしいぞ!


どういうことだ!?


確かに話をする生き物はいたんだけど、ちょっとその星に近寄ろうとしたら、

何かその星から飛んできて、ぶつかって爆発したんだって!!


爆発?!すると・・・その星は・・・・?


あぁ・・・もちろん死んだらしい。

木っ端みじんってやつだな・・・。

何か「爆弾」というものらしい。

だからやめとけ。近づかない方が良い。


確かに怖えな・・・・。

でも、それってホントの話なのか?

ほら、遠くから来る話って時々全然違うことあるだろ?


まぁ、信じないなら勝手にすればいいが・・・とくかくおすすめしないぜ・・・・・。


 そう言ってその星は去っていった。


・・・・星も粉々になっては生きていけないみたいですね。

きっと星の中の核みたいなものがあるのでしょう。

それさえ壊れなければ大丈夫みたいですが。

行くなと言われれば言われるほど気になるものですよね・・・。



お前はどう思う?


気になるな・・・。


もう何年も同じような事しか話をしてねぇしな。

ちょっと刺激が欲しいんだよな・・・。

生きてる意味を感じねぇって言うか・・・


確かに。行ってみてぇな。

どんな生き物なのか・・・。見てぇな。



もし・・・・そこの若いの・・・・・・。。


 年老いた星が話しかけた。


ん?


さっきから会話を聞いておったんじゃが・・・


ああ。どうした?


うまくいけば流れ星の話と他の生き物の話どちらも確かめられる方法があるんじゃ・・・・。


なんだい?その方法は。


わしが流れ星になろう・・・・。

お主たちは願いを言えば良い。。。

噂が本当ならお前たちをその生き物がいる星まで行けることになるじゃろ。。。。


え!?あんた流れ星になるってのか?


流れ星になるってことは・・・・・死んじまうってことなんだぞ・・・?


わかっておるよ。。

わしはもうどちらにしろ長くないんじゃ。

身体がバラバラになりそうなのを何とか繋ぎとめているんじゃよ・・・・。

もうその力もなくなりそうなんじゃ・・・・。


そうなのか・・・・。


それならば最後に若いもんの願いをかなえてやるのもいいかと思ってのぅ!

ふぁっふぁっふぁっふぁ~!


 元気そうに笑う年老いた星。

 しかしその身体は確かにぼろぼろであった。


よし!わかった。。お言葉に甘えさせてもらうぜ!!

俺は行ってみたい。

お前たちはどうする?


俺も行きたい!!わからないままにしておけん。


俺も行く。ここでの何もない同じ毎日にもう飽きているからな・・・。


俺は行かねぇ。

俺は良いんだ。ここで漂っていればな・・・・・。


そうか・・・。それもしょうがない。

無理に言ってもな・・・。

じゃあ3人で行こう。


・・・この行くことを決めた3人の星は、

大きさに違いがありました。

まぁ、大中小といった感じです。

小の2倍ぐらいが中で、中の2倍ぐらいが大です。



よし。決まったな!!


ああ。3人で行こう!!



よしわかった。3人を生き物のいるあの青い星に行かせてくれと願えばいいんじゃな。


あぁ。頼む。


戻れないかもしれないぞ?いいんじゃな?


覚悟の上だ。


わかった。

お主たちもわしを見ながら願うのじゃ。

何度も何度も願うのじゃ。

わかったな?


おう・・・・・!


 その言葉を聞いた年老いた星は火星の方に向かって行った。

 どんどん火星に近づいていく。


もうじき・・・・ぶつかるのぅ・・・・!!!

若いもんよ。夢を大きく持つのじゃ・・・・・!!



じいさ~~ん!!!!

無駄にはしねぇぞ・・・・!

みんな!

…願おう!!!!

(生き物がいる星の近くへ行きたい!

 生き物がいる星の近くへ行きたい!!

 生き物がいる星の近くへ行きたい!!!)


そろそろじゃな・・

わしも願おう・・・・。

あの若い3人の星を生き物がいる星の近くへ行かせてくれ。

あの若い3人の星を生き物がいる星の近くへ行かせてくれ。

あの若い3人の星を生き物がいる星の近くへ行かせてくれ。

あの若い・・・・・・



 その時火星の大気に触れて年老いた星は燃え出した。

 それを見ていた若い星たちは、すーっと赤い線となって燃えていく年老いた星を見た。


あれが・・・流れ星ってやつか・・・・。


余計なことを考えるな!


願え!!


(生き物がいる星の近くへ行きたい!

 生き物がいる星の近くへ行きたい!!

 生き物がいる星の近くへ行きたい!!!)


 すると赤い線が燃え尽きるほんの少し前、本当に小さな石が3人の若い星達にぶつかった。

 小さい石なので、星達は傷つかなかったが、星達が進む軌道が変わった。

 その後も何個も何個も星達に小さい石が当たり、進むスピードが速くなった。



おい・・・!これって!?


いつもと違う軌道になったな・・・・・!!


あの青い星に向かっているんじゃねぇか!!??


流れ星の噂は本当だったんだな!!!


俺たちが願った通りあの星に行けるぞ!!!


よし!!!


・・・流れ星になった年老いた星の願いや、若い星達の願い。

その想いが宇宙に何らかの影響を与えて、願いが叶うという事なのでしょうか。

ワープするとかではなくてもしかしたら、偶然・・・・なのかもしれませんが・・・。

それは誰にもわかりませんが、とにかく若い星達は青い星、地球へ向かい始めました。


・・・通りすがりに他の星に話しかけようと思ったようですが、

思ったより自分たちのスピードが速く、なかなかうまくできなかったみたいです。

仕方がないので、3人で話しながら向かっています。


いろんな生き物ってどんなんだろうな?


わからねぇな・・・。


俺達みたいな形かな?


どんな話をしようか?


何やってんのが一番楽しいか?とかか?


俺達でもできることがありゃいいけどな!


わかんねぇことだらけだな。


ああ。だが、それがいい。


新しいことがわかるってのは盛り上がるな!


生きてるって感じがするぜ。


ただ漂っているだけとは比べ物になんねぇな!


よし!かなり近くなってきたな。


もう少しだ!!まだ何も感じねぇがな・・・・



 もう青い星、地球はだいぶ大きく見えていた。

 かなり近づいている。

 その時、地球から何かが向かってくることに気づいた。


おい!!!あれを見ろ!!!


なんだ!?こっちに向かっていないか?


おい・・・・・!!!もしかして!?


「爆弾」か!?


あれに当たると粉々になっちまうんじゃないのか!?


やばいな・・・・・!!


まだ生き物と話してねぇぞ・・・・・。


せめて生き物と話してぇな・・・・。。。


 どんどん「爆弾」は近づいてくる。

 どうやら大の星に向かっているようだ。


お前達・・・・このあたりでお別れかもしんねぇな・・・・。


弱気になんなよ!!


そうだよ!

そうだよ!何か打つ手が・・・・・


あるか?


ない・・・・思いつかない・・・・・・。

でも、・・・・!!!


良いんだよ。しょうがねぇ。覚悟の上だ。

あそこでただ、漂っているだけより楽しかったと思うぜ!


おい・・・そんなもう終わりみたいなこと言うなよ・・・!!


そうだ!もし流れ星に願える時があったら、また3人で話せるように願ってみてくれや・・・・!


・・・・・。


 もうできることがないと悟った星達。

 「爆弾」は大きな星の近くまで来ていた。


あぁ・・・・ぶつかる!!!!!!


 ドボボグラバブギャーン!!!!!!

 ものすごい音とともに大きな星にぶつかった「爆弾」はその後さらに大きな音を立てて爆発した。

 大きな星は粉々に砕けた。


ああ・・・・!!!!!!


なんてこった・・・・・!!!!


見ろ・・・・!!

あの青い星に破片が飛んでいくぞ!!!


流れ星になるのか・・・?


願おう!!!


(また俺たち3人で話せますように!

 また俺たち3人で話せますように!!!!

 また俺たち3人で話せますように!!!!!!!)


 2人の星達は破片が地球に当たり赤い線となって光るたびに何度も何度も願った。


願ったか・・・?


ああ。。何も起こらないな・・・・。


しかし、あの青い星はいったいなぜこんなことを・・・・。。。


 そこで、だいぶ近くなったのか、地球の人の思念が星に流れ込んできた。


「危なかったな・・・あの大きさの星が当たれば地球もただではすまなかっただろう。」

「うまく当たって良かった。」

「他の2つはどうする?」

「あれらは小さいから問題ないだろう。」


おい・・・聞いたか?


あぁ。。。自分たちを守るために・・・・ということか。。。


それしかなかったのか?もうあいつは戻ってこないが・・・・。


・・・星達は会話をしようと地球に対して念を送るのですが、

地球の生き物はそれを受け取ることができないようです。

つまり、地球の生き物の考えていることは星達はわかるのですが、

星達の考えは地球の生き物にはわからないようです。



青い星に生き物がいるのはわかったな。


あぁ。俺達と話はできないようだが・・・。


でも、いろんなこと考えてるのがわかるぜ!


俺達が想像もしていなかった世界がそこにあるんだな・・・!!


食べるってなんだろうな?おいしいってどんな感覚だろう?

触れ合うってどんな感じだ?

何か嬉しそうにしているな。

手や足と呼ばれるものをうまくつかっているな。

スポーツとかいうものを見て何か盛り上がってるな。

クイズみたいなゲームは俺達もしていたが、

何かテレビと呼ばれるものを見ながらやっているゲームとかあるな。


今まで俺達が知っていたことは本当にわずかな事だったんだな・・・・・。


・・・星達が見たもの、聞こえてきたものはどれも新鮮で、

今までの自分がちっぽけに思えるような気がしました。

しかし、その星達もかなり地球に近づいています。


ってか俺達はこれからどうする?!


このままあの青い星に突っ込むしかねぇだろうな。


確かに、軌道は変えらんねぇな・・・。


つまり、俺達も流れ星ってやつになるんじゃねぇか?


そうなるな・・・・。。

まぁ、もとより覚悟の上だ。


逝っちまったあいつとも案外すぐに会えんのかもな。


また3人で話せることを願うか。


あぁ・・・・そうだな!


どうせなら、あの青い星で3人で話してぇな!!!


それは良いな!!

むしろ今はそれしかねぇな!!!



よし!!


もうすぐだ・・・・!!!


また・・・会おう!!!


あぁ。。!!!


 そうして、2人の星は地球の大気に突入した。

 自分が燃えていくのを感じながらも、


(この星で3人で話したい!!

 この星で3人で話したい!!!!!!

 この星で3人で話したい!!!!!!!!!!!)


 と強く願った。

 

 そして、2つのきれいな赤い線となって消えていった・・・・。



・・・さて、この後いったいどうなったのでしょうか?

あなたの周りにやけに仲の良い3人組っていませんか?

もしかしたら、その3人組は・・・・・・!?

ちょっと口調は乱暴な感じで・・・?

やたらと宇宙に詳しかったりして・・・・?

背の高さも大中小だったりしたら・・・?



あの大中小の星達かどうかそれを確かめる方法はありませんね。。




でも・・・・きっとどこかで話してるんじゃないかなって思っておきましょうね。。

いる・・・・!


大中小で、

ちょっと乱暴な口調で、

宇宙に詳しい3人組が・・・・・。


記憶はなくしても、深いところの魂みたいなものはそのままって感じなんじゃないかななんて思います。


あなたの周りにも星だったって人いるのかも・・・!?


いや、もしかしたら、僕も?


あなたも?


なんてね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] なんともまあ、正確なSF童話で、非常に好感が持てました。確かに童話だし。 童話だから、どうせ科学なんて幼児・小学低学年にわ分からないと思って、科学的に間違った話を、いかにも説明文のように…
[一言] 燃え尽きる星のかけらはそんなことを考えているのかもしれませんね。なんだか楽しそう。
2021/12/19 16:59 退会済み
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