バーチャル配信者白風あげは
とりあえず、『俺のアカウントはArk0620』っと直人にメッセージを送信すると、すぐに既読になり、直人から返事が来た
『いつも通りで草』
『うるせーな。とりあえず相手にアカウント聞いたら教えてくれ』
『了解!』
家に着くころに、直人から更に返事が来た。
『あっちのアカウントは、shirokaze_agehaCHだって』
『んじゃ後はよろしく!』
『了解。妹の可愛い先輩がんばれよ』
『おう! 必ず振り向いてもらう!』
『いや直人彼女いるじゃん…』
『んー、なんか別れそうなんだよねぇ。』
『へー、そうなんだ。原因は浮気だな』
『いや、なんで決まってるんだよ』
『顔』
『真っ直ぐな人。直人。』
陽キャな直人の冗談に付き合ってると永遠に続くのでとりあえず既読スルーして、家に帰ってゲームを起動した。
いつ承認されるかわからないし早速フレンド申請送っておくか。お、すぐに承認された。
はや、丁度オンラインだったのかな。
あ…バーチャル配信者だから、女性の配信者だし気をつけるべきだったか…。
そう思いながら、俺はshirokaze_agehaCHの動画チャンネルを探した。
配信名そのままのようですぐに見つけ、チャンネルページに入ってみると、幸い配信中ではないようで、色んなゲーム実況の動画が並んでいた。
主にはメインクラフトやまったり系のゲームが多いのだろうか。
チャンネル登録者数は、12,496となんと既に収益化がしている登録者数だった。
多分ゲームのうまさは俺の方がうまいんだろうけど、女性配信者ってやっぱりニーズあるよなぁと思いつつ、とりあえずはパーティーを申請して今後どう進めるかを相談することにした。
「パーティー申請っと。えーっと、shirokaze_agehaCH…これか。オンラインだし直ぐ話せるのかな」
少し待つと、shirokaze_agehaCHという名前が記載されたキャラクターが俺のロビー画面に登場した。
とりあえず挨拶しないとな。
『はじめまして。やしろから紹介されてフレンドおくらせていただきました』
『はじめまして。私は直接やしろさんは知らないのですが、妹がやしろさんの妹さんと友達でして』
『はい、うかがっています。とりあえずOPEXを教えてくれ! ぐらいしか言われていないんですが、これからどう進めていきますか?』
『えーっと、どうしましょうか。Arkさんはボイスチャットはやらない感じですか?』
『いえ、ボイスチャットでも大丈夫ですよ。ゲームのボイスチャットにしますか? ディスボードにしますか?』
『ディスボードでお願いできますか?』
『わかりました。同じ名前のアカウントで申請しますね』
というと、俺はディスボードを起動して、shirokaze_agehaCHを探す。チャンネルと同じアイコンを見つけて申請を送ると直ぐに承認された。
「はじめましてー。バーチャル配信者の白風あげはです。よろしくお願いします」
「はじめまして、アークです。」
「なんか微妙にリアルで近い人とゲームを介して話すの違和感ありますね」
「僕はリアルが近い人というかゲームで出会った人としか、ボイスチャットやったことないので、もう違和感しかないですが(笑)」
「そうなんですね! 一応私個人でバーチャル配信をやっているんですが、今業界ではOPEXの配信が流行ってるんですが、私プレイが下手すぎてとても配信できないんですよね…。他にも上手くてかわいい女性配信者の方もいらっしゃって…」
「多いですよね、OPEX配信やってらっしゃる方。実は僕も3カ月ほど前からOPEX配信してまして、まだ登録者400人もいかないんで、まぁしてないも同然ではあるんですが笑」
「そうだったんですね! そうしたら、それぞれ配信しながらコーチングって感じにした方がいいですか?」
「あ、それは考えてなかったんですけど、白風さんがもしそれでもいいということであれば、同時配信でお願いしてもいいですか?」
「全然大丈夫ですよ! あとコーチングはタダでいいと妹からは聞いたのですが本当にいいのですか?」
「全く問題ないですよ! コーチングでお金取れるほどうまいと思ってませんし、同時配信にしていただけるのなら、僕もメリットありますし!」
「ありがとうございます! そうしたらいつから始めますか?」
「僕は今日でも大丈夫ですし、学校の時間と深夜とかじゃなければ基本合わせられますよ」
「それじゃあこの後早速やりましょうか?」
「いいですよ。このまま配信始めますか?」
「あ、サムネイル準備してもらうので、2時間後ぐらいでも大丈夫ですか?」
「おー流石ですね! 僕なんてサムネイルいつも最初に作ったやつの使いまわしです…」
「リスナーさんに運よくイラストレーターさんがいらっしゃって、作ってもらえるんですよね! サムネイルで結構変わりますよ!」
「そうなんですねー。僕もいずれはそんなこともできるようなったらいいですねー。ではとりあえず、2時間後ぐらいに再度inしますのでそこからやりましょう!」
「はい、よろしくお願いします! それでは後ほど!」
これは結構チャンスなんじゃないか?
そんなことを思って俺は、ゲーム画面のまま直人に連絡した。
『実は俺もゲーム実況配信してるんだよね』
『え、まじで?』
『うん。チャンネルこれ。3カ月前から始めた零細チャンネルですが』
暫くして
『うわ、まじだ、お前の声だわ。ってかお前ゲームだと明るくね????』
『ゲームのおかげで、オンライン限定である程度の人たちとは会話できるようになった』
『まぁ男でゲームやってる動画ならこんなもんなんだろうな』
『そんなにゲームやってるなら、自分の食い扶持は自分で稼げって親公認で配信することになった』
『うける。相変わらず寛容だけど不思議なプレッシャーかけるなお前の親w』
『危うく家追い出されて一人暮らしさせられるところだった』
『容赦ねーなw』
『んで、白風あげはさん1万人超えてるチャンネルで、ゲームのコーチング同時配信することになった』
『え、めっちゃいいじゃんそれ。』
『本当、ちょっと頑張らないとと思ってる』
『いつからやんの?』
『2時間後』
『タイムリー過ぎるww見るわwww』
『チャンネル登録よろしくお願いします。あと学校の人には言わないでください』
『特に聞かれることもねーだろうから言うことはないだろうなw』
どうせ、配信していることを隠しても、直人には妹経由でバレるだろうから予め言っておいて、どうせなら案を出してもらうことにしよう。
そんなことを思いつつ、軽くご飯を食べたり白風あげはさんがどんな評判なのか検索したりしていたらあっという間に2時間後となった。