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【菅谷莉乃愛視点】久しぶりの家族

あっくんに無理やり勉強会をお願いしたら、なんかよくわからない方法で点数がとれるようにしてくれた。


もはやテストを解いている自分ですら、なぜ答えがあっているのかわからない。


今までは、「あ! これは覚えてる!」みたいなやつが、ごくまれにテストに出て少し点数が取れる感じだったのだが、あっくんが教えてくれた方法では一切暗記をしない。


まぁテストの解き方を暗記するんだが…。



だから逆に暗記さえしていれば解けるようなところは全然わからないんだけど、それ以外の所があっているので点数が高くなる。



もはやマジックだ。


一体あっくんの頭の中はどうなってるんだ…。




それに勉強会の時のあっくんかっこよかったな。


容姿をわたしが改造したら、一気にかっこよくなっちゃった。






でもちょっと勉強会をやってもらうの強引だったかな…?


でもだって、あっくんきっと嫌がると思って…。


嫌がることやるなよって話でもあるんだけどさ…。


でもでもでも! いつもなんだかんだ助けてくれるし…。





久しぶりにできた家族だしさ…。




なんか、あっくんが相手だと他の人と違って、わたしの中のあっくん像で話を進めてしまう。


あんなにある意味冷めた目で男子を見てたのに、あっくんだと思うと、優しくていつも助けてくれてわたしを守ってくれるから、甘えちゃう…。




もちろん思いとどまることもあるんだけど、どうしてもわがままになっちゃう…。




もちろん考えてもわからないから行動しちゃうってところもあるんだけどね…。


結局そんな勢いそのまま、海に行くことにしちゃった。



結局甘えてしまった。わかっていたのに…。わたしは本当バカだなぁ。




わたしがそう思いながらため息をつくと、




「ため息なんてついてどうしたの? てか、高校最後だしさぁ、海行こうよ、りのあー!」




とショッピングモールのフードコートで、華蓮がちゃんぽんを食べながら話しかけてきた。




「え? わたし行くよ?」




私はそう言うと天丼を食べる。


やっぱり麺よりご飯でしょ!




「はぁ?! いつ?!?!」


「えぇ、まだいつかはわかんないんだけど」


「あたしも行くからね!」


「クラスの子達じゃないよ?」


「誰? あぁーーー!!!! あっくんでしょ!!」


「そうそう、あとあっくんの友達の四谷の人」


「えぇーー!!!! いいなぁ!!!!!!!」


「それがさ、前に四谷の人紹介されたじゃん?」


「あー、いたね!」


「なんと、実はあっくんの高校で唯一の友達で親友だった」


「まじ?! そんな偶然ある?!?!」


「いや、私もびっくりした。ってかあっくんもびっくりしたみたい」


「そりゃそうでしょ! 一緒に行くのその親友くん?」


「そうそう」


「絶対行くから!!」


「まぁ華蓮ぐらいならいいのかな?」




私が「うーん」と、天ぷらを持ちながら考えるように言うと、




「もし一緒に行けなかったら、あっくんの個人情報闇業者に販売するから」


「なになに、闇業者って」


「知らない!」


「知らないんかい! でも多分大丈夫だと思うから一回聞いてみるね」


「イエーイ!!」




そういうと華蓮はガッツポーズした。




「そしたらこの後水着見に行こうよ!」


「まだ聞けてないけど?」


「マネージャーたるあたしが行かないという選択肢は皆無! あっくんを置いてでも私は行く!」


「あはは(笑) まーなんとかなるか!」


「そうそう! その4人?」


「後何人かその親友くんが探すって言ってたよー」


「いいねいいね! こういうのは大人数に限る!」


「だよねー!」




その後華蓮と水着を見て、二人ともあんまりいい感じのものがなかった、今度違うところに見に行こうということになった。


たまにナンパされながらも二人で洋服を見たり、靴を見たり。




「あっくんさー、動画配信の仕事になるのかな?」




洋服を見ながら華蓮が話しかけてきた。


田原達にアークだとバレたと聞いたので、あっくんに華蓮にも教えていいか聞いて、大丈夫だということで一緒に監視してもらうことにしたのだ。




「どうなんだろうね? なんかまったりやってくって方針らしいよ」


「でもさぁ、あんなに勉強もできて動画配信も収益化してて、あっくん何者?」


「私も疑問なんだよね。なんかさ高1の時に、その親友くんと半年でどっちが稼げるか勝負をやったらしいのね?」


「なにそれ? 鬼バイトするってこと?」


「いや、投資だって」


「うわーーーー、頭いい人がやることじゃん。どっちが勝ったの?」


「それがさ、途中からどうやったらもっと効率よく稼げるかって二人で考えだすのが楽しくなって、結局わからないんだって」




華蓮は呆然として、




「いや、ごめん。全然意味が分からないわ…」


「わたしもなんだよね…」


「四谷ってそんな人ばっかりいるの?」


「わかんないけど、あっくんよりも頭いい人いっぱいいるらしいからね」


「頭いい人って何考えてるかわかんないね…」


「そうなんだよ~」


「りのあは結局モデル続けるの?」


「うん、しばらくは続けるかな!」


「生活費は結局いらないんでしょ?」


「娘からそんなものはもらえませーん! って取り合ってももらえない…」


「お母さんなんか余裕ある感じだったもんなぁ」


「まぁ余裕はあるっぽいね…。今日は作る気がしない! とかでバンバン外食するし、食パンは1,000円するやつだし」


「いやーー、勉強会の時初めて食べたけど、めっちゃ美味しいよねあの食パンー!」


「ほんそれ。私も初めて食べた時びっくりしたもん」


「食パンにそんな値段あり得なくない? って思ってたんだけどなぁ」


「それそれ!」




そして二人で笑いながら買い物を続けてその日は夕食前に家に帰った。



本当私の今があるのは、華蓮がずっと側にいてくれたおかげだなぁ。


いつか華蓮が困ったときは全力で力になろう!

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