表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/203

想像しちゃうじゃん

翌朝、パーティールームのドアが開き、莉乃愛が入ってきた。




「あんたら…なにやってんの? あっくんまで…」


「あ、いやOPEX教えてくれって言われたから、教えてたら今になった…」




莉乃愛は、「はぁ~」と頭を押さえつつ、




「はい、もう終わりね。華蓮達いま朝ごはん食べてるから、片づけて!」




と、言われ、「へーい」と、今プレイしていない男子二人がセイッチやらを片付け始めた。




莉乃愛が近づいてきて、




「あんたも!」




と言って、ペレステのコードを抜いた。




「おわあああああああああ」


「片づけておいてね~」




と、手を振りながら莉乃愛は出ていった。


そして、仕方ないかとゲームを全員で片づけて、俺はゲームをもって家に帰った。


部屋に入り、とりあえず接続は後でいいやと思い、着替えをもってシャワーを浴びに行った。


シャワーから出て、着替えてコーヒーをもらいにリビングに行くと、朝ごはんを食べている華蓮さんが、




「お! あっくんおはよ~! ってか徹夜でゲームしたんだってね~」


「と…途中からは教えてただけだけどね……」


「ゲームも教えられてるあいつら、スペック低すぎでしょぉ!! 逆にあっくんスペック高すぎでしょ!」




と、ケラケラ笑いながら話していた。


俺はとりあえずコーヒーをもらい部屋に戻り、しばらくすると莉乃愛が入ってきた。




「りのあ…既にノックすらなくなったのか(笑)」


「あ、ごめん! コンコン」




ノックの音を出してノックするって…




「まぁもう入ってきてるし、別にりのあならいいけどね…」


「え、あ…うん」


「どうしたの?」


「あっくんなんかあいつらがごめんね。大丈夫?」


「あーうん、俺は全然大丈夫だよ。OPEXやってて徹夜とか結構やってたし。あと、アカウントで3人にアークってバレちゃった」


「まじ?! 大丈夫それ?!?!」


「一応言わないで書かないでとは話して、忘れることにするとは言ってたから大丈夫かと」


「んじゃ多分大丈夫だと思うけど、後で私からも言っとく! あいつら悪気無しになんかすることあるから」


「う、うん、ありがと…。自覚はあるみたいで、だから忘れることにするって…」


「あいつらにしては賢明な判断だわ。でも言っとくね!」


「うん」


「でもなんかごめんね。あいつらに付き合ってもらっちゃって…」


「まぁ、確かにちょっとついていけない程、賑やかな人たちだけど、悪い人じゃないと俺も思うよ。だから、心配しないで」


「それならよかった。じゃ、じゃあまた後で!」




そう言うと莉乃愛は出ていった。


一体何だったんだ…




ペレステを接続したりしていると、莉乃愛が、「あっくんそろそろ行くけど大丈夫~?」とドアの外で呼んでたので、「今行くねー」と言って、一旦接続は途中のまま外に出て、パーティールームに向かった。




中に入ると、布団も片づけられて元通り、ではなく、3人とも寝てた…。




「おーまーえらー…起きろー!!!」




と華蓮さんが言うと、




「んあ~、ちと流石にこれでは帰れないから少しだけ寝かせてくれ~……」




と、一人の男子が言った。


すると、華蓮さんが「ぐぬぬー」とこぶしを握ったので、




「ま…まぁ、いいじゃないですか。解き方の復習は起きてるメンバーだけでやりましょう」




と、俺が言うと、莉乃愛が、





「そうそう、困るのはあいつらなんだからほっとこ」




と、言って少しわきにどけられたテーブルに座ったので、華蓮さんも「それもそうか」と座り、俺は3人向けに解き方の復習をした。



1時間半ほどで解き方の復習は終わり、




「終わった~~~! あっくんありがとう!」




そう、莉乃愛が言うと、「本当本当~」と他の2人にも口々に感謝された。




「これで恐らく点数はとれると思うので、補講にならないといいですね…」


「がんばるぞー! そして夏休み楽しむぞー!」




と、華蓮さんが右手を上げていった。


そして、その右手を上げたまま、寝ている男子のもとに歩いていき、そして振り下ろした。




「うがぁ! な…なんだよ……」




と言って、振り下ろされた男子が言った。




「帰るよ! 起きて片付けろ!」




と、華蓮さんが布団を引っ張ると、流石に起きないとと思ったのかノソノソ男子が起きだした。


そして、パーティールームを元に戻し、




「これで大丈夫かな!」




莉乃愛がそう言うと、




「おっけー、そしたらうちら帰るね!」




と、華蓮さんが言った。

 

そこで田原君が、




「す…菅谷……」


「ん? なに?」


「………………………やっぱり菅谷は無理だ! 三好、今日の下着は何色?」




と、聞いた。


そうだった、すっかり忘れてた。


負けると思ってなかったから、そもそも気にもしてなかった。


暫くの沈黙の後、華蓮さんが、




「は? キモ、死ね!」




と言って、思いっきり田原君の足を踏んだ。


華蓮さんって、三好華蓮って言うんだ。




「ってえええええ。しょうがなかったんだよ~~~~。ゲームで負けて、負けたやつがそれを誰かに聞くってなってたんだよーーーー」




と、言うと、




「なんで、りのあは無理であたしだったらいいんだっての!」




と、言ってもう一回足を踏んだ。


そして華蓮さんは女子の元に戻り、女子3人は、「本当キモいよね~」「男子ってホントあほ」みたいに、軽蔑した目で言った男子を見ながら話してた。




「ぐ…俺の高校生活は終わったかもしれない……」




と、言った田原君は他の男子のもとに戻っていった…。




「まぁ、男子がバカでキモいのは今始まったことじゃないけど、とりあえずあっくん今回はありがとねー」




と、莉乃愛がいうと、皆にありがと~と言われた。




「んじゃ、あたしらは帰るわー」


「幼馴染くんよ! 俺達はもう忘れたから心配するな!!」




と、言いみんながぞろぞろ部屋から出ていった。


俺と莉乃愛も後ろからついていき、オートロックの自動ドアの前でバイバーイと言い別れた。


自動ドアの向こうで、「あんたはあたしの鞄を持て。そしてキモいから前を歩け!」「ハㇶ」というやり取りが聞こえてきた。


俺と莉乃愛も家に戻ろうと歩き出すと、後ろから莉乃愛がコソッと話しかけてきた。




「(あっくんわたしの今日の下着の色知りたい?)」




…いったいなにを……




「あ、いや、俺は別に。ってか負けると思ってなかったから、気にも留めてなかったんだよね」




というと、




「(ピンクだよ)」




と、ニヤッて笑いながら俺の横から覗き込みコソっと言った…。




俺は立ち止まりしばしフリーズし…なかったことにして歩き出した。




「あー顔赤くしてー!」




と、莉乃愛がからかってきたので、




「あーもう!」




そう言って、俺は早歩きで家に戻った。



だって、目の前に笑った莉乃愛がいて、下着の色はピンクだよって言われたら、なんか想像しちゃうじゃん…。


俺は家に戻るなり部屋に入り布団に入った。


莉乃愛も後から入ってきて、




「ごめんね(笑) でも今回はありがとね」




そう言って、布団から微妙に出てる俺の頭をなでなでとしてきた。


徹夜もしてたからか、それがなんか気持ちよくて、俺はそのまま眠ってしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ