表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/203

バーチャル配信者の顔出し配信

「その本物かどうかっていうのが相談内容ですか?」




そう俺が切り出すと、雪菜さんは下を向きつつ、もごもごとしゃべりだした。


「あ、いえ、それも聞きたかったのですが、本題はもう一つありまして…えっと……あの…」


「えっとですね! お姉ちゃん見ての通りスーパー美人なんです! 高校の周りでは西の中里って容姿が一人歩きしちゃうぐらいの美人なんです! それなのに、割とフォロー体質なんです!」



そう、彩春ちゃんがビシッと指を立てて話し出した。




「ええ! 西の中里??」




そう、直人が反応したが一旦無視して、




「確かに、あげはさんとしてプレーするときもオーダーは苦手ですもんね…」


「そうなんです! それで事務所に所属したら色んな他のこともできるだろうけど、もし顔出しを強制されたりしたら嫌だな! そういうわけです!」



彩春ちゃんが、えっへん! という感じで言い切った。



なるほど、そういうことか。




「なるほどですね。正直、雪菜さんがなぜバーチャル配信にこだわるのか? という部分はわかりませんが、顔出し配信をしたくないが、あまりにび…美人なので顔出し配信を強制されたりしたら嫌だけど、多分断れないからどうしよう。でもナナイロのサポートは魅力的だ。こんな感じですかね?」


「はい…そんな感じです。バーチャル配信者にこだわる理由も一応ちゃんとはあるんですが、少し長くなりますが…」


「あ、いや、そこは大丈夫ですよ。なるほどですね。俺の結論からお話しすると、ナナイロが顔出し配信を強制することはまずないと思いますね。直人もそう思わない?」


「んー、まぁ実際運営しているのは人だから、わからん部分はあるが、おれがナナイロの事務所の人間だったら、バーチャル配信者として活動している人の顔出し配信はまず強制しないね。むしろ逆に顔出しNGぐらいにしそう」


「そうだよな。」


「そうなんですね。なるほど」


「バーチャル配信者って、こうなんていうか空想のキャラクターだけど実在するキャラクターじゃないですか。言うなればアニメのキャラクターに話しかけたら、ちゃんとレスポンスが返ってくる感じです。」


「確かに、言われてみればそうですね」


「きっと視聴者さんは、「この子はきっとこんな性格」「この子はきっとこんな子」そんな感じで、自分の中にそのキャラクターの像を作ってるんだと思うんです。特に女性キャラクターに対する男性視聴者はそういう傾向が強いと思います」


「あー確かにー。彩春もレゼロのアニメ見てロメちゃんって普段こうなんだろうなーとか思ったかも」


「その像って、多かれ少なかれ美化されてると思うんですよ。バーチャル配信者も完全にすべてをオープンにしているわけでもないですし、できるわけもない。だってアバターの喜怒哀楽ってどれも可愛いじゃないですか? そんなこと普通の人間にあると思います?」


「なるほどーーー、確かに流石のお姉ちゃんにもハッキリしなくてムカつくときありますね」


「ちょっと彩春!!」


「そうなんですよ。それに、例えば気持ち悪いコメントとか来た時に、「そういうのは受け付けてません! ごめんね!」 と言いながら謝ってる風に動いたら、可愛いアバターがごめんね! って感じになるんですよ。でもそれリアルで言われたらどうなります? ほら、直人」


「え、いや、なんでおれ????え、おれ気持ち悪いコメントいうの????」


「実際にやってみないと、ほら、早く」


「え……「あ、あげはちゃん可愛いなぁぺろぺろしたい!」…」


「はい、あげはさん「そういうのは受けつけてません! ごめんね!」って言ってください」


「ご…ごめんなさい…そいうのは…」


「とまぁこれがリアルの反応と表情です。」


「新、お前ーーーーー! おれが気持ち悪いみたいになったじゃねーかーーーー!」


「なので、アバターだとうまく対処できても、その中身もそのままうまく対処できるというわけではないんです。なので、例え本人とアバターがそっくりであったとしても、必然的にアバターは美化されているので、本人の顔が見えても必ず不一致になります。」


「な…なるほど」


「なので、雪菜さん本人がどれほど美人であったとしても、例えアバターの外見を上回っていたとしても、そのアバターと雪菜さんは同一だとは視聴者さんには認定されない。なので、逆にバーチャル配信者が顔を見せるということは、その容姿にかかわらずアバターとの不一致を招くためほぼありえないですね。」


「なるほどー。ありがとうございます」


「なので、雪菜さんが懸念しているようなことはほぼ起こらないと思いますが、念のためお話を聞くのであれば、条件とかを聞く際に確認したほうがいいかもしれませんね。」


「わかりました! なんかアークさんみたい」


「っ…すいません、今はアークだったと思います…」


「アークさんも湯月くんも私の中では一緒なので相談してよかったです!」


「いや…あの…」


「さっきまであれほど雄弁に語っておきながら…もうお前アークに改名しろよ…」


「くっ…と、とりあえず、話を聞いてみるのであれば、本当にナナイロの人なのかの確認を含めてメールを一回送ってみるのがいいと思います! 一応、何かあった場合に、名前や個人情報は記載せずに、配信者名で送ってくださいね」


「わ、わかりました!」


「ってかアークさん普通に喋れんじゃんー」


「ま…まぁ、雪菜さんは配信で慣れていたからですかね…」


「あとこれまでお姉ちゃんの周りにいた男の人とは全然違う反応するねー。普段はもっと、アピールしたり何とかしてお姉ちゃんに近づこうとするのに。どこかの誰かさんみたいに」




と彩春ちゃんがと直人の方を見ると、




「っと…」




直人を視線を逸らして苦笑いしてた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ