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アークはオンライン限定

「あげはさん、ショットガンは追いながら打つか、待ちながら打つか、どっちかにまず集中したほうがいいです」


「なるほどですね」


「どっちでもやりやすい方でいいですから」


「はい!」




そう言って俺は練習場で、あげはさんのショットガンの練習を行った。




「いい感じですね!」


「アークさんありがとう!」


「ただ、これだと実際は倒す前に倒されちゃうので、被弾を減らすように動きながらこれをやってください」


「難しそうですね…」


「慣れです!」


「わかりました!」




『あげはちゃん、待ちエイムの時にジッとしちゃだめだよ』

『可愛いけど死んじゃう』

『昔に比べると随分うまい』




そんなコメントがあげはさんの配信には流れていた。


そうしてその後しばらくショットガンの練習をした後、いつも通りカジュアルバトルの配信を行いその日は終了した。




「あげはさんお疲れさまでしたー」


「お疲れ様です!」




配信後に時間が欲しいと言われていたので、俺は配信を切った後も、ディスボードに残った。




「そうだ、あげはさん登録者3万人いきましたね」


「あ、はい! そうなんです! おかげさまで…」


「いやー、でも凄いですね。ついに切り抜きとかも出るようになったじゃないですか!」


「本当嬉しいんですけど、切り抜きってなんか恥ずかしいですね…」


「あの『完全に置いて行かれて華麗に0キル0ダメ優勝を飾るあげは』は昔を思い出して俺も面白かったです」


「あれ本当に恥ずかしいんですよねーーー…確かに私も面白かったんですが、あれ私なんで…」


「まぁなんか複雑な心境ですよね(笑) それで、いったいどうされました?」


「あのー、実はご相談したいことが合って…なんというか同性の配信者の方には相談しづらくて…」


「ふむ、一体どのような…?」


「えっと、あの…リアルで会ってご相談できませんかね…?」


「…ええ????!!!!」


「こ…困りますよねそんな事言われても…」


「え…いや、あの…大丈夫なんですけど、逆に大丈夫なんですか?僕なんて別にそれこそ熱狂的なファン的な人は男しかいないんでいいんですけど、リスナーさんとか…?」


「あ…いや…よくはないと思うんですけど、まぁSNSとかにも書かなければバレることもないので…」


「あげはさんがそうおっしゃるなら僕は構いませんが…構いませんが…一つだけいいですか?」


「はい…」


「俺リアルではスーパー陰キャでしてオンラインじゃないとまともに会話ができないんですよ…なんでどうしてもリアルでということであれば、一人一緒に同席させてもいいですか?」


「八代さんですか?」


「はい、あいつがいればリアルでも会話できるので…」


「八代さんがいれば会話ができるって(笑) なんか可愛いですね(笑)」


「本当すいません…それでも大丈夫ですか?」


「大丈夫ですよ! そうしたらうちの妹も連れていきます! 妹はお兄さんにも会ったことがあるらしいので!」


「了解です、すいません! そしたら日程調整してLIMEでお送りしますね! ちなみにいつ頃がよろしいとかありますか?」


「えっとできれば早めにご相談できると嬉しいのですが…」


「大丈夫ですよ、そしたら近々で調整しますんで現時点でダメなタイミングはありますか? 時間は休日は調整してみないとわかりませんが、多分平日だと夕方ごろになると思います」


「えっと、明日と明後日はコラボ配信の予定が入ってしまっているので、できればそれ以外でお願いできると嬉しいのですが…」


「了解です、ちょっと俺も一つ外せない予定があって、いつになるかわからないのですが、一旦明々後日で調整しますんでまた改めてご連絡します!」


「ありがとうございます、よろしくお願いします!」


「それでは、またご連絡しますねー!」


「はい! ありがとうございました!」




リアルで会わなきゃならない相談って一体なんぞやと思いつつ、直人に連絡した。




『直人、明々後日の放課後暇でしょ?』

『いや、彼女候補の人と遊ぶ予定だ。まだ誘ってるだけだけど』

『暇だな。明々後日、あげはさんとリアルで会うことになりそう。直人も来ることになった』

『ちょっと待って、何その面白い展開wwwどういうことwww』

『なんか相談があるらしいんだが、どうしてもリアルで相談したいらしい』

『なんかよくわからんけど、面白そうだしいいんじゃね? てかそれ俺必要?』

『俺はお前がいないと沈黙しか会話デッキを持ってない』

『あんだけ配信でしゃべっといてそれはやばすぎだろwww』

『しょうがない』

『まぁいいや、面白そうだからいいよ!』

『さんきゅ。そう言えばその誘ってる子は例の子?』

『そう、東の菅谷』

『なにその番長』

『なんかそう呼ばれてるらしい』

『そうなんだ、そんなに可愛いの?』

『んー可愛いとはちょっと違うような気もするが、めっちゃ美人だしスタイルがめちゃくちゃいい! 本当にいい!』

『へぇ、なんでその人がまた番長みたいに呼ばれてるの? 縄張り争い?』

『えっとな』

『あ、ごめん会話の流れで聞いたけどやっぱりいいや、興味ないわ』

『興味もてやww』

『とりあえず確定したらまた連絡するから、明々後日よろしく』

『りょーかい』




雪菜さんに、今のところ明々後日で問題ない旨連絡したところ、ありがとうございますとスタンプが届いた。


場所は八代家の場所もわかる雪菜さんの妹さんが決めて連絡するとのことだ。



俺は部屋から出てホワイトボードをおろすと、丁度リビングから莉乃愛が出てきた。




「ずいぶん長い電話だったねー。彼女?」


「いや、俺に彼女がいるわけが…。オンラインゲームやってたんだよ。」


「あーー、動画とかでたまにみるやつか」


「そうそうそんな感じ」


「わたしてっきり、立入禁止なんて書いてあるから、あっくんが〇ナニーしてるもんだと思ってた~」


「そんなあからさまな…。」




莉乃愛はそう言いながら、部屋に向かっていった。


てか、そんなあけすけな感じで〇ナニーとかいうものなのか? リアル人の会話がわからない…。

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