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儚げなお嬢様

「そういえば華蓮ちゃんは卒業したらどうするのー?」




と、俺の横を歩く直人が前を歩く華蓮さんに話しかけた。




「えー、いちお専門に行くよー! 美容系のー」


「おお、そうなんだね! 合コンしようよ!」


「はやっ! でも慶都大と合コンか、悪くないね!」


「だろー??」


「あとはりのあと動画やる!」


「そう! もう普通に華蓮暮らせるぐらいは稼げそう!」


「でも事務所とかはまだ入らないんでしょー?」


「そだねー!」


「あ、りのあちゃん! 事務所考えるときは是非うちに!」


「あ、うん、でも動画配信者だよ?」


「モデルも継続中だからきっと大丈夫!」




そうやって話していると雪菜さんの学校が見えてきた。


雪菜さんの学校は結構敷地が広いんだな。


あと私立だからか凄い綺麗だ。




「雪菜教室にいるから正門向かうってー!」




と、莉乃愛がスマホもちながら話してきた。


そして正門についたので、脇から4人で中を見てると、校舎の中から男子生徒が何人も出てきた。


てそのまま男子生徒がいっぱい出てきてちょっと脇の方に隠れるように移動する。


そして2~3人で集まってコソコソとなんか話していると、中心がドーナッツのように広がった。


そして、雪菜さんと詩織さんが出てきた。




莉乃愛とはまた違う形で大注目されてるな…。


雪菜さんは、別に話しかけにくいわけじゃないけど、莉乃愛みたいに超フレンドリーというわけでもない。


故に、きっと最後に連絡先を聞きたいとか、そういう男子がタイミングがないかと集まっている感じなんだろう。




もう雪菜さんはモテるを全て詰め込んだ感じだしな。


莉乃愛は俺みたいな陰キャはちょっと普通だと触れ難い存在だけど、雪菜さんはそこまでカバーできる感じがある。


細くてスタイルもよくて優しい雰囲気で、儚げなお嬢様って感じだ。




そんなことを思いながら俺は二人を見ていると、雪菜さんは少しうつむき加減に、詩織さんは笑いながらこっちに向かってくる。




「ねーねーりのあちゃん見てよあの男子たち!」


「ウケんね、なにあれ(笑)」


「多分雪菜に連絡先聞きたいとか、告りたいとかそんなんだろうけど、雪菜が私の横から離れないからタイミングを見計らってんの(笑)」


「あはは(笑)」




と詩織さんと莉乃愛が話し出した。




「雪菜、めっちゃもててんじゃーん!」




と華蓮さんが言うと、




「そ、そうなのかな…。でもなんかちょっと怖いね…」


「あはは、あんなんほっとけばいいんだよ! それよりりのあとしおりも入れて4人で写真撮ろうよ!」


「あ、う、うん!」


「はーい俺撮るよー!」




と直人が出ていくと、4人は正門の前の看板で卒業証書の入った筒を持ち写真を撮った。


何枚か撮ると雪菜さんがこっちに来て、




「ゆ、湯月くんも一緒に撮ろう?」


「え、あ、うん…」




そういうと、雪菜さんに手を引かれ看板前に連れていかれ、




「なんで雪菜さんとお前のツーショット俺が撮ってやらなきゃいけないのかはムカつくが、いくよー! ハイチーズ! もう1枚行くよー! ハイチーズ!」




そう言って写真を撮った。すると、




「あああああ! 私も入る!」




と、雪菜さんの逆脇に莉乃愛がきて、




「はい直人! 撮って!」




と言うと、直人が、




「今、お前と一緒にいた6年間で1番ムカついてるかもしれない…」




と俺をジト目で見ながら言った。




「でも、撮るよー! ハイチーズ! もう1枚! ハイチーズ!」




と写真を撮った。



東の菅谷と西の中里に挟まれる陰キャの写真だ。




「おい新! 交代しろ! 流石にそのポジションは俺も撮りたい!!!!」


「え、じゃあ私も入ろーっと!」


「あ、んじゃ私もー!」


「いやいやそれじゃ…」



と言い、結局華蓮さんも詩織さんも全員入ってきて、近くにいた雪菜さん狙いの男子生徒があんなにいる中、帰宅途中の女子生徒に直人が声かけて写真を撮ってもらった。


この状況でも女の人を選んでくるあたりが直人だよ。ぶれない。




その後皆で少し話して、解散となり、卒業式は終わった。






そして俺達はそれぞれの道を歩き出した。







となるかと思ったが、何も変わらなかった。


よく考えたら、俺と莉乃愛と雪菜さんはそれぞれ別々の学校で、なんかしらのイベント以外で密接に関わっていたわけではない。


莉乃愛は家にいるし、雪菜さんも配信でご一緒しようと思えばできる。


直人とも、高校生の部活の様な付き合い方をしていたわけではないので、普通にそのまま。


全員帝都にいて、直人と華蓮さんが学校に行き、俺と莉乃愛と雪菜さんが学校に行かなくなる以外は何も変わっていない。


今日だって、




「ねーねーりのあー、今度この動画撮ろうよ」


「あぁ、いいねそれ! 簡単そうだし!」


「だよね!」


「てか華蓮学校どうするの?」


「もう手続き済みだったから流石に行かないとなんだよねぇ」


「そっかぁ。まぁ動画は無理ない範囲でやろうね!」


「ありがと! りのあ大好き―!!!」




と2日前から泊まりに来ている華蓮さんと莉乃愛が、キャイキャイとじゃれ合いながらダイニングで話している。




「おーあっくん! 呪文は順調かね!」


「あ、う、うん」


「でも、あっくんチャンネル登録20万人超えてるのにもったいないー! ちなみにどれぐらい稼げてるの?」


「んー、サラリーマンぐらいかな…」


「でも今にRinoチャンネルと幼馴染チャンネルが抜く!」


「幼馴染チャンネルってなんであんなに登録者多いの…?」


「んーアークの視聴者さんが見てるからってのもあるだろうけど、なにより美女とイケメンだけど極陽キャと極陰キャで本来結びつくはずのない二人を幼馴染と言う言葉が結びつける! なんかしら匂うじゃん!」




と華蓮さん、顎をつまみながらふむふむと言った感じで言う。





もう本当に何も変わらない。


むしろ華蓮さんは、高校生じゃなくなったということでフットワークがより軽くなり、動画の撮影もあるからなんなら前よりよく会うぐらいだ…。


直人はほぼ毎日なんらか連絡してくる。


卒業しても何も変わらないどころか、なんなら逆に距離が近くなったまである…。


なんでだ…。




そんな不思議を抱えながらも、朝起きて夕飯までプログラムをやり夕飯後に配信をするという流れで毎日を過ごした。

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