詩を行う
自由になりたいというけれど、自由を求めることに縛られるとそれはもはや不自由だ。
正義をもつべきだというけれど、正義の押し付けは誰かにとっての悪かもしれない。
概念にがんじがらめに身動きが取れなくなるのは実に人間的で、野生を忘れている。
定義にとらわれて柔軟な考えができなくなるのは実に人工的で、自然を失っている。
詩とはいったい何だろう。
詩とははてさてどう書くのだろう。
概念に悩み、定義に苦しむ。
定まらぬ志向に、思考と試行を繰り返し、まさに至高の精神。
実に人間的で、実に人工的。
これを詩行と呼ぼうか。