始まりは、いつだって突然で後悔は先に立たない。
ここは、どこだっけ……
ぼんやりとした頭で一所懸命に考えようとするも思い出せない。
いつもなら一週間前の事でも思い出せるのに。
そうやって考えてどれ位の時間が経ったか分からなくなった頃、
自分が置かれてる状況は次第にはっきりしてきた。
まずは、明るい空間に立っている。
そして、モノが何もない。
人間も生き物も建物も世界そのものも。
ただ空間が`そこにある'というだけ。
なぜ私がこんな場所にいるのか不思議だけど、自然と嫌じゃない。
そんな感じで私はこの空間の謎を探るべく、意志を持って一歩を踏み出した時、目の前に綺麗なお姉さんが現れた。
「こんにちは、私の可愛いベイビーちゃん。」
ベ、ベイビーちゃんっ!?
「あ、あの、失礼ですけど、あなたは誰ですか? それと、私はあなたの赤ちゃんじゃ無いですから!」
私は、どもりながらも目の前の綺麗なお姉さんに向かって声を荒げ捲し立てた。
でも、お姉さんはどこ吹く風。何事も無かったかのように話し始めた。
「私は、地球の全ての命を管理する者よ。名前は無いから好きに呼んで貰って構わないわ。
早速だけど、私からも質問。」
【今は、20xx年のxx月xx日。
あなたの名前は日暮ショウコさん。
あなたは、何故ここに居るか分かる?】
その言葉を聞いた私は、自分の事を赤ちゃんと呼ばれた衝撃と、捲し立てても何事も無く話す神様(?)の鉄壁と、何故ここに居るかという、ごくごく単純な質問に私の脳内は早くもフリーズして、えーっとを繰り返すロボットと化してしまった。
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(注)ここから先の話は長くなるので掻い摘んで説明すると、
フリーズした私が元に戻るまで待ってくれた神様(これからは神様で読み方固定!)が地球の世界に居られなくなった私を他の世界に転生させようとするべく、この転生の間に魂を呼び寄せたよっ☆ミ てへぺろっ!
だそうです。
因みに、転生の時のアレコレも教えてもらいました。
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「本当に、本当に、良いの?転生する時は前世のスキルとか、色々特典付け放題だけど。チートにだってなれるのよ?人生イージーモードよ!?」
そう、神様は必死に私に何かを与えようとしてくる。
でも、私は平凡な幸せさえ手に入れれば良いのだ。
多くを望まず、目立ちもせず、ただ生きて死ぬ。
根拠は無いけど、それが良いと思う。
微かに残る記憶が私にそう言い聞かせているのだ。
そう神様に伝えると残念そうな顔を数秒した後、決心したようなすっきりとした顔になった。
「では、転生の儀を行います。
日暮ショウコ。あなたが、これから暮らす世界とその導きに加護があらん事を!」
そう神様が唱えると目の前が急に明るくなり始め、眩しさに瞼を閉じても明るい気がしてくる。
そしてどんどん意識が遠のいて、私は神様が話していた最後の言葉を聞くことが出来なかった。
初めまして。紫ノ乃芽 透子です。
小説を投稿するのが初めてなので至らない点が多々、あるかと思いますが、お手柔らかにお願いします。
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