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更新が遅れてほんっとうに申し訳ありません。
言い訳させてください、先月まで受験生だったのです。
じゃあなんで1月には更新してんだよ、受験期直前じゃねぇか、馬鹿か。とは言わないで下さい。その通りなんです。
どうか、今後ともよろしくお願いします!!
扉の前でこちらを見つめているアイリス嬢にいち早く声をかけたは元婚約者様だった。
「おぉアイリスじゃないか!どうしたんだ?」
「その…リリィ様とお話したいことがあって」
「おい、リィ!アイリスが話したいことがあるらしい、きいてやれ!!」
だから、何故に上から目線…
だがまぁご指名なのだから仕方がない。
「では、私はアイリス様とお話しに行くので、殿下はヘンルーダ様のお相手をお願いします。」
「んー、了解。なるべく早めに戻って来てね。」
「努力します。」
元婚約者様を殿下に押し付けてから私は扉の方へ向かい、アイリス嬢に声をかけた。
「どうしたのですか、アイリス様。」
「あの…言い難いのですが」
声をかけられてビクッとするアイリス嬢は小動物の様で庇護欲をくすぐる。
確かに私とは真反対のタイプだ。
元婚約者様の好きなタイプと1番かけ離れたのが私なのだろう。
言い難いこと…と言われて私が思いついたのは、よく恋愛小説である「もしかして本当はまだ彼の事が好きなんじゃ!?」みたいなパターン。
よし、先手をうっておこう。
「あっちょっと待ってください!『まだ本当はヘンルーダ様のことが好きなんじゃ…』とか言うのは止めてくださいね。絶対にないので…嫉妬とかも遠慮しておきます。」
「いえいえ、女子生徒皆の憧れであるリリィ様に嫉妬だなんて!!出来るはずないです!」
えっ憧れとか初耳。
ちょっと嬉しいかも…
てか、予想と違ったわ。
…誰だよ『先手をうっておこう』とかカッコつけて言ったのは。
私だよ。
「えっ、ありがとうございます?」
「その、お話と言うのはヘンルーダ様のことで…」
あぁ、元婚約者様の阿呆さ加減に気がついて、婚約とか言われても困る…とかそういう事だろうか。
「えぇ、ヘンルーダ様がどうかいたしましたか?」
「以前彼は、婚約者であるリリィ様の成績がご自身より上であることにコンプレックスがある、ということを話してくれたのですけれど」
あー、何か婚約破棄するときも何かそんなこと言ってたかも。
「お前の方が魔術戦でも定期試験でも上で…なんちゃらこんちゃら」みたいな。
「はい、そのようですね。」
「それで、その、私は平民なので学力と魔力量を見込んで頂き、この学園に入学できたのです。」
「あぁ、アイリス様は特待生でしたね。」
「はい、なので…まだ魔術戦は私が入学してから行ってないからどうなるかは分からないのですが…」
「学力でも魔術戦でも彼の格上をいってしまうかもしれない…と。」
「いえそんな!格上だなんてことはないですが、少し上回ってしまう可能性がありまして……もし嫌われしまったらと思うと、その時ヘンルーダ様がリリィ様と婚約破棄したのを後悔なさるかも、と思ったのです…」
なんて…なんていい子なんだっ!
こんないい子をあの人の婚約者に、だなんて勿体なさすぎる!!
つまり、この子は浅慮にも公爵令嬢に婚約破棄を告げた阿呆のためにわざわざ私の所まで来たのだ。
「…アイリス様っ!考え直した方がいいです!あなたならもっと素敵な人を見つけられるはずですっ!!」
「えっ…えっと」
「考えても見てください。彼は両親の思惑にも気が付かず、身分が上の令嬢との婚約を勝手に破棄。女性が男性に尽くすのは当たり前であるという傲慢な考え方。そして、何より救いようのない阿呆さ!!逆にあなたは彼のどこに惹かれたのですか?」
あっやばい。思ったこと全部言っちゃった。
アイリス嬢が若干引き気味にこっちを見ている。
あぁっそんな怖がらないで!
私はただの親切心で……これがありがた迷惑ってやつか。
すみませんでした。
「彼は…とても優しい人なんです。私がこの学園に入学して間もない頃、気さくに話しかけてくれて、あれがどんなに心の救いになったか。それにちょっと不器用なところもあるけどそこもかわいくて…」
あっこれあれだわ。
出来る女性ほどダメ男にハマるってやつ。
もしかしたらこの2人案外いいカップルなのかもしれない。
そんなことを考えていると…
「アイリスっそんな風に思ってくれていたのかっ!」
「ヘンルーダ様!?」
「嬉しいよ…俺にはアイリスだけなんだ。例え学力も魔術も俺より上だったとしても関係ないっ!俺はアイリスが好きだっ!!」
「ヘンルーダ様っ!私も…大好きです!」
「アイリスっ」
「ヘンルーダ様っ」
「アイリスっ!」
「ヘンルーダ様ぁっ!」
なんだこのバカップル劇場は。
私達は一体何を見せられているんだ。
おーい、お二人さーん。
ここあなたたちのクラスじゃないですよー?
イチャつくのは帰ってからにしてくれやい。
私は殿下の方を軽く睨む。
ヘンルーダが入ってきたら絶対面倒臭いことになると思ったから殿下にお相手を頼んだのに…
大の男が「てへぺろっ」なんてやってんじゃないわ!
…似合うのが癪だけど。
はァァァっと深い溜息をついて前を見上げると教室の片隅で同じく溜息をついていたシオン先生と目が合った。
「授業、始めたいんだけど…」
すみませんでしたぁ!!!
お読みいただきありがとうございました!
またゆるゆると更新していこうと思っているのでよろしくお願いします!
感想、評価等お気軽に!
私がとても!よろこび!ます!よ!