1-序 終末聖書 一章 第17節
黒が背景で見にくかったらすみません
雰囲気が出したかったんです
文字数も次回から増えます
次の話では背景変わります
終末聖書 一章 第17節
骸の王の咆哮
大地を揺るがす生への執着の咆哮
それは生者を死の世界へと引き込み、死者への供物とする
生者はそれに抗うことはできない
生者は死を受け入れるしかない
しかし
生者は死を恐れながら愚かにも王と戦うことを決意する
幾重に重なる死体、次は誰だと弱き生者は怯える
愚かな生者は武器を手に取り、王に襲いかかる
しかし
王はすでに死んでいる
王はすでに朽ちている
王はすでに骨と化している
死者を殺すことはできない
死者が動くことはできない
死を止めることはできない
その王、骸の王は死者ゆえに殺せず
愚かな生者は次々と王のもとへ旅立つ
そして王の一部となり、かつての仲間を殺す
そうして死体は増え、いつの日か全ての愚かな生者は武器を手放した
戦友を殺すぐらいなら
王に容易く葬られるくらいなら
弱き生者に責められるくらいなら
———逃げ惑う方が余程楽だ
愚かな生者は弱き生者へと変わり
王から離れ、逃げ惑う
王は死者ゆえに殺せず
王は死者ゆえに動けず
死は絶対がために避けられない
王を殺せるものは存在しない