ふざけるのにも度がある
「いいか、運命っていうのは起きた事を言うんだ、つまり未だ未来は決まってないんだよ……」
「頭おかしくなったのかよ! 少年漫画か! そんな事言って一人で逃げないでよ、ルウブ」
学校の一室で呼ばれたルウブとカクランは待たされていた。カクランは頭を抱え、ルウブは表は冷静に扉の方に手を伸ばして逃げようとしている。
「父さんに会って今までそれを迫られなかった事はないだろ?」
「な、無いけど、二人で呼ばれた事も無いよな? それに僕もさすがに百年以上はどうかなって」
「テンスラはどうだよ? あいつもオレらとかわらねぇのに何言ってるんだ?」
「よその子はよそ、うちの子はうちの子です!」
「キモい、何の真似」
ルウブはゲスを見る目でカクランを睨み下ろした。カクランは足を閉じて膝に手を置いて背筋を伸ばしよそを向いて口を尖らせたまま恥ずかしくなり止まった。
スカイアイランドに渡った美来とディネは坂が多く店の並んだ通りを歩いていた。
「ねぇ、どこ行くの?」
「骨董屋」
「何で?」
「買い戻す物があるから」
買い戻す……? 何をかな?
すぐ後ろを子供が通り抜けた。
「ん?」
美来は後ろを振り向き足を止めた。
今の……見た事ある人だった様な? ディネどこまで行くんだろ? バムとレゲインどうしてるかな。
「おい、何してるの? 早く来て」
「えっ? うん……」
レゲインとバムはスカイアイランドに着くや否やツノメを柱に括り付けた。
「えっ! ちょっ! レゲイン冗談だよね?」
そんなツノメの話は耳に入らないのかバムとレゲインは二人で話し直ぐに走って行ってしまった。
「あっ! 待ってよ! 離して」




