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その為に呼ばれた?

「それで、一人じゃあ依頼を受けて外に出ることができないから、美来一緒に来てくれないかな?」

レゲインはわざと何も言わずにカクランがここまでついてきたのではないかと横目で見た。

「つまり、美来をこいつと会わせるために俺らを森に呼んだのか?」

「いいや、偶然だよ」

「お前って他人に干渉するタイプだったんだな」

「今更だね、レゲイン。僕は元からこうだよ?」

この綺麗事好きが……。

レゲインは心の中で言ったはずだった。

「そう思う?」

「エスパーか! キツネ、あいつの事女だと思って近づいて手を貸さざるをえなくなっただろ」

腕を後ろに回し首を傾けてニッコリ笑っている。自然すぎるその笑みには逆に不自然さしか感じない。誤魔化しているのだろう。

「カクラン、女好きなのに間違えたら駄目じゃん。えっと、ディネ、私は別に構わないよ? バムとレゲインも一緒なら」

ディネはバムとレゲインを見ると不機嫌な目でカクランを見た。

「嫌だからって僕を見ないでくれ」

美来はバムとレゲインの班員だ、依頼には班員全員で行かなければならない。

「これに私とゲレインがついてかなかったら校則違反だよ、だから着いてく。ゲレインもね」

「は? こんな暑いのに何で……どこの依頼行くんだよ?」



その日の夕食時、バムとレゲインは文句を言い続けている。共通の目標がいる時だけ二人は気があうようだ。

「何なのあいつ」

「知らねぇよ、寮に居ないのも良くわからねぇし」

「ゲレインも初めは暗い人に見えたけど、あいつの方が暗いよね」

「何だよ、俺に文句でもあんのか?」

美来は不穏な空気にため息をついた。

何でそこから喧嘩になるのかな? 喧嘩するほど仲がいいとか?

「みんな楽しそうだね」

唐突に現れたエリオスにレゲインはびっくりして小さく跳ね、フードが脱げそうになり押さえていた。エリオスはそれを気にすることなく椅子に座り見えない足を組む。

「話聞いてたけど、美来がその子に選ばれたのは主人公だからじゃないかな? 主人公とあって話し始めたそばから死ぬ話しは少ないからね」

つまり美来と軽く仲良くなるよう進めれば危ない目にあったとしても死ぬ確率は下がるという考えで美来を選んだのだろう。軽い程度で主人公の為に殺されることも少ない。

何か危なくなる所に行こうとしてるのかな? それで私を?

「皆んなが主人公って言うけど何で分かるの?」

「美来ちゃんの想像源が多いからだよって聞かなかった?」

エリオスが隣に座ってから他人のように下を向いて無言で食べていたはずのレゲインはその話になってからずっと美来を見ていた。

美来はここでようやくレゲインに気がつき目があう。

「どうしたの?」

「えっ? 別に何でもねぇよ」

レゲインは目が合った瞬間に聞かれキョトンとしていたが直ぐに下を向いて食べ続けた。

「えっ、何かあるの?」

聞いても反応がないのを見たエリオスはレゲインをからかおうとする。

「君ってうぶだね」

「違っ……」

レゲインはエリオスの状況をみて言葉を止めた。エリオスは体をすり抜けるにもかかわらずシャンに殴られていたからだ。

「お前、殴られてんぞ」

「そうみたいだね、やめてほしいかな?」

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