表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/223

助けに来れた理由

「レゲイン! 何で……」

「うるせぇ! 話してる場合か!」

レゲインは紙を使わず“アロウ”と唱えた。

するとその場から巨大な魔法陣が展開され教室の前に無差別に大量の矢が放たれた。

レゲインはすぐ後ろにいた美来の腕を引いて窓から飛び降りた。バムもその後に続く。

下に降りる時、美来が着地の仕方を知らないを思い出し一瞬抱えて下ろした。

「アウラーは!?」

「そこに居るだろ」

後ろを向くと猫耳をつけた銀髪の男がアウラーを抱えて立っていた。

「何故私が貴様などと行動させられているんだ!」

「知らねぇよ、この猫もどきが」

「何だと! 誰のおかげで牢から出たことを咎められずに済んだか忘れ……」

「とりあえず、表世界に戻れる道を探すぞ。こっちからだと壊したり鍵開けたりできねぇからな」

バムと美来はその話が全く理解できず首をかしげていた。

「逃げるのか?」

上からはメランが飛び降りてきてゆっくり近づいてくる。

美来達はそれを見るや否や同じ方向に走って逃げ出す。

「な、何でメランが?」

「あの迷路みたいになってた洋館でルウブと戦闘になったドラゴンがメランだったんだよ」

すると目の前の木が動き出し、美来達を襲いにかかった。

「フフフッヘルバのやつおせーんだよ」

「悪いわね、どうやら異界の魔女がホワンとグランとルウブに捕まってしまったみたいなの」

「なるほど、それでこんな猫まで乱入してんのか……」

ネンクの方をメランは邪魔者のように見た。

美来達はそれぞれ武器を持って襲いかかってくる木を切り刻んでいた。



「グラン王、レゲインの罰はなかった事にできますか?」

「難しい質問だな、そこの脱獄犯は本当に安全といえるのか?」

グランはルウブを睨みつけた。

ルウブもそれにノる形でグランを睨み返した。

「へー、てめぇは冤罪を作った事に対して無かったことにしてぇのか?」

「当たり前だ! 国の信用に関わる」

「じゃあだ、カクランの話をこれ以上表に出すな。すべての資料を焼き消せ」

「それは、交換条件か? 貴様に対する口止料ってことか?」

ルウブは睨んだまま口を紡いだ。

理解をしろと言うように睨みつけ魔女の横にある鏡の中へ入っていった。



ソテやクロ、シャン達はそれぞれ別の場所にいながらも砂の人形に襲われていた。

ルウブはその中を歩いて行った。泥人形を凍りつかせながら。



ーーゴツっ!

「っ……」

カクランは後者の屋上である人物に腕を縛られて転がされていた。

「何でお前が……僕が就任する前からここにいたはずの……」

「ふははははっ、本当にこれが私の体だとでも思っているの? 貴方が私達全員を殺していた自覚がありながらものうのうと生きているのが許せないのよ」

「じゃあお前は……」

教頭だったはずの男はカクランを見下した目で見て歩いていた。

「っ! そういうことか、お前がヘルバと契約したーーぐはっ!」

「そうだよ! ずっとずっとお前に殺される皆んなを見ている事しかできなかったのに! 何で私まで攻撃したんだ!」

教頭らしき人物は怒鳴りつけながらカクランを何度も何度も蹴り飛ばした。

その人物の目はだんだんと潤んでくる。

「私は! お前を蔑んだことなんて一度も無かったのに! 班の仲間で!」

こいつ……リガーティオか? 僕の班にいた一人称が私の奴はあの子しか……。

口の中に鉄の味が広がる。

「ゲホッ! ゲホッ! リガーティオっ……」

「へぇ、ちゃんと覚えてるんだ。苦しそうだね、まだ気を失ったらだめだよ?」

リガーティオはカクランの腕を掴み立ち上がらせると屋上のヘリまで連れて行き床に押さえつけた。

「っ……!! なっ……」

カクランは下の光景を見て驚愕した。

「あれも、君がやったのかよ?」

「そうかもね、けど、お前にはここから見てることしかできないでしょ? 私達を殺しておきながら殺せないんだよね?」

「ぐっ……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ