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だるい理由

レゲインは持っている弁当箱を見て歩き始める。

そういやあ人が作ったもん初めて食べたな……

「酷いじゃん!! もっと正当な断り方あるでしよ!!」

「んっ!?」

レゲインの前にずぶ濡れになった女の子が現れた。

レゲインはいきなり自分のシールド内に入ってこられたので蹴り飛ばしてしまった。

「あ……わ、悪りぃ……」

女の子は黒と白の髪をして赤いくちばしの髪飾りをつけていた。

「痛いよ……」

レゲインは手を貸して立たせ、タオルを渡す。

「えっと、初めましてエトピリカのツノメ・シノニムです、って初めましてじゃないけどね、それでっ!」

ツノメが顔を近づけるのでレゲインは後ずさった。

「昨日の答えは?」

「昨日しただろーが!」

「してないよ? だってあれはゲーム内のことでしょ? その後のぼくと付き合ってって方の答……」

「断る! 嫌だつったろ! 俺は忙しいんだ関わるなよ」

レゲインは怒ってツノメの横を歩いて行った。

はぁ……面倒くせぇ奴に捕まったな……いっそ魔女の子つったら逃げねぇかな

後ろをチラッと見るがツノメはまだついてきている。

「ぐっ…….あのな! そういうのストーカーってんだぞ!?」

「凄〜い何でわかったの?」

「うぜぇ……」

レゲインは言葉にできないだるさを感じた。



カクランは雨宿りをしている女子生徒の所に行き傘を渡す。

「それでお礼は要らないから一緒にお茶でもどう?」

「え、えと……その、え、遠慮します。傘ありがとうございます」

その生徒は足早に去って行った。

「……今のは」

その生徒はカクランから傘は借りたものの目はまるで怯えたような感じでカクランを見ていた。

「一人目か……」

カクランは寂しそうに少し嬉しそうに笑みを浮かべた。


「あ、ねぇバム、カクラン居るよ」

「え、でも別の先生の方がいいんじゃ? さすがにこれ以上ねぇ……」

美来はバムの話を聞かずカクランの所に走って行った。

「美来ちゃん、走ったら滑るよ!」

美来は近くに来てカクランがいつもと違う笑みを浮かべているのに気がついた。

「……カクラン?」

「!……美来か、何?」

美来に気がつき振り向いた時にはいつもの明るい表情に戻っていた。

バムは歩いて美来とカクランの所まで来た。

「あのね、明後日依頼に行くんだけど、教師同伴なの」

「何々、僕を指名してくれるのかな? 女の子の頼みならできるだけ聞くよ」

「カクラン、遠巻きに答えないでちゃんと答えてくれないと分かんない」

「あ……うん、一緒に行くよ」

ここに居てもみんなが避けるだけだし

バムは二人のやりとりを見て笑っていた。

「朝に移動塔前だね?」

「はい、じゃあまた明後日よろしく先生」

「うん……あ、ねぇねぇ? バム、美来、一緒にお茶でもどう? ケーキと飲み物ならおごるよ?」

美来とバムは顔を見合わせ相談し始める。

カクランはその様子を見守っていた。この二人なら首を縦に振ってくれるはずだ。

「そうだね、食べたばっかだし……美来ちゃん」

「バム、私も今はお腹空いてないけど、明日空いてる?」

「空いてるも何もいつも一緒に行動してるのに……あ、うん予定ないよ」

美来は明日の予定を聞いたがバムの予定が空いているかではなく忘れている自分の予定の事だった。バムは美来の代わりによく予定の管理をしていた。

「カクラン、明日なら空いてるよ?」

「え、いいの? じゃあ明日寮の前で待ってるよ……三時ぐらい?」

バムは美来のポケットからメモ帳を取り出してそれをメモっておく。

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