誘われた理由
レゲインは翌日が休みだということでオンラインゲームをしていた。
パーティメンバーに作戦についての話をし解散する時、一人だけメンバーが残った。
……早く抜けろよ
相手から送られてきたメッセージには“結婚をしてほしい”という文が表示されていた。
即答で断ると更にメッセージが送られてきた。それを見たレゲインは飲んでいたココアを吹き出しそうになった。
「っ……何でだよ、ゲーム内での話じゃねぇのかよ!」
その寒気がするメッセージを送ってきた相手をブロックしフレンドから外しロッグアウトをした。
俺、このメンバーから抜けるか……
「もう最悪だよね! 美来ちゃんもまだ許せないでしょう?」
美来とバムは二人で作った弁当をグループルームでレゲインを無理やり誘って食べていた。
「うん……もう少しで私の髪飾りも消えるところだった」
レゲインは頬杖を付き弁当を食べながらため息をついた。
「俺は昼食じゃなくおめぇらの愚痴に付き合わされてんのか?」
「美味しいでしょ?」
「……その話で食欲わかねぇよ、まぁ、許せねぇのは分かるけどよ、もう被害にあわねぇよう無視すりゃあいいだ……!」
バムがレゲインが食べていた弁当を取り上げた。
「じゃあ食べなくていいよ」
「俺の昼食時間取ったくせに!」
「バム、せっかく食べてもらってるのに」
美来はバムから弁当を取り立ち上がろうとしたレゲインの前に置く。
レゲインは椅子に座り直しまた食べ始めた。
「そもそも今日は休みだろうが、何でここに……そういやあ、二人は……その……」
レゲインが何かを聞こうと言葉に詰まっているのを美来とバムは珍しいものを見る目で見ていた。
「お、オンラインゲームとかしてねぇよな?」
「えっ!? この世界にもオンラインゲームあるの!?」
美来が嬉しそうに手をついて反応した。
「美来ちゃん……。あ、私はゲーム自体やったことないよ」
「だよな……」
そもそもこの二人があんな文送るはずねぇか……送ってきたら引くな
「レゲイン、何かあったの?」
「何でもねぇよ」
すると前の机の方で音がし顔を上げると霊の男が座っていた。
「それ、おいしいのかい? ……私も生きていれば食べられたのにね……悲しいよ」
「うわっ!? な、何でお前がここに居るんだよ!?」
男はレゲインが驚いてい椅子を倒して立ち上がったのを腕を組み笑って見ていた。
「何を驚くことがあるのかな? まぁ、危うく他の低霊や悪霊と一緒に消されそうになったけれどね」
美来は男を見て不思議そうに手を伸ばし触れようとするが体をすり抜けた。
「あはは、私は体が無いからすり抜けるよ、実はね館から解放された後校長の所に行ったら生徒として扱ってくれるってね」
レゲインは疑った目で男を見ていた。
死んだ奴まで生徒扱いでいーのかよ……
「あぁ、名前はエリオスだからよろしくね。けれど……二年まえに私のクラスは消えてしまったからね、班が決まればその班のメンバーのクラスに入ることになったんだ、それで」
レゲインはエリオスがそこまで言った時手で制した。
「却下、誰がてめぇなんか入れるか」
元々の班のリーダーである美来に有無を言わせず追い払ってしまった。
弁当箱を持ち出口に向かう。
「レゲイン、弁当箱別にいいのに。あ、あと明後日から依頼あるからね?」
「ちゃんと洗って返すよ。あと、お前じゃねぇんだから覚えてるよ移動塔前だろ?」
美来は頷くだけだった。
「ねぇ、レゲインどうしたんだろ?」
「ゲームのやりすぎじゃない?」
「へ? 私もゲームよくやってるけどおかしくなってないよ?」
美来ちゃんは元からおかしいから大丈夫だよ……
レゲインは紙を使い頭上にシールドをはって外に出た。
外は雨が降っており土とじめっとしてひんやりとした匂いが漂っている。




