怒鳴る理由
突然館が揺れるほどの突風が吹いた。
ナーゲル、シャン、シューネはその場で立っていられず尻餅をつく。
クロはしゃがんで拗ねたままのヴェーリの前で立って壁にかかっている揺れている札を見つめていた。
「キャッ!! じ、地震」
「じゃねーよ!! 外みろ外!」
レゲインは怖がってしがみついてくる美来の肩を掴み自分から離しす。
美来は窓の外を見て黙り込んだ。
窓の外は水色の光に包まれ窓が振動していた。
するとレゲインを包むように足元から水色の薄い光が射す。
「……!」
レゲインは美来を押さえていた手を離し足元を見る。
美来は押さえられていて揺れでこけるのを免れていたが、レゲインがいきなり離したので後ろに尻餅をついた。
「キャッ……いてて……! レゲイン?」
「これって……! づっ……」
レゲインがふと見た窓の外には館の門付近でカクランが風になびかれながら立っているのが見えた。その瞬間水色の光が強くなり意識がとんだ。
「っ……はぁ、びっくりした……」
揺れが収まりバムは扉の枠を強く掴んでいた手の力を緩める。
「お、収まった……?」
ナーゲルは座り込んで頭を押さえていた手を下し顔を上げる。
周りを見ると延々と続いているように見えた廊下は短くなっていた。
「さっきのって……」
「霊術だよな……?」
「うん、美来ちゃん大丈夫かな? ……」
ナーゲルは立ち上がり服を払う。
「バム、これならコールの入った箱の鍵取りに行けるしまず上に行こうか?」
「うん、そうだね、私はいいけどナゲールのはなくなると困るしね」
美来は意識の無いレゲインの体を揺する。
「レゲイン? レゲイン……ねぇって、起きて」
息をしているのは分かるが髪で顔が隠れて苦しんでいるかが分からない。
「レゲイン? 大丈夫?? レゲイン」
呼びかけても起きないので仕方なく顔を上げ周りを見る。
廊下が短くなっていた。
でも……私じゃあレゲイン抱えれないし……
おぶったら連れていけるかな?
身長的に難しそうだった。
「私より背高い……」
美来は何かを思いつき銃を取り出しレゲインに向け引き金を引く。
銃口からは水が発射されレゲインの顔に当たる。
「ぐふっ!? ケホッ……クシュンッ!!」
レゲインは目を覚まし鼻を押さえて起き上がる。ほっとしたように銃を膝の上に下ろしてレゲインを見ている美来を見た。
「鼻に入っただろうが!」
「起きなかったから起こしたんだよ? 私じゃレゲイン運べないし」
「けどな!……何でもねぇ」
レゲインはこの前自分も美来に同じことをしたのを思い出しこれ以上責めるのを止めた。
そっか、美来の奴こないだの事忘れてんのか……
「どうかしたの?」
「悪かったな」
「へ? 何が? レゲイン何かした?」
「何も、それよりこんな所から早く出るぞ、もう出れるみてぇだし」
レゲインは立ち上がり、軽い謝罪代わりに美来に手を貸し立たせる。
「ありがと」
それを無視して階段に向かった。
カクランは息をつきルネンの方を向いた。
目の前にはソテに話していた幽霊男が立っているがカクランには見えていないのか違う所に視線が行っている。
「見えてるんだろう? 私に視線を合わせないかい? 知ってて消そうとしたよね?」
そのままその男をすり抜けていこうとするがカクランに合わせて動くので無視ができない。
「あの、先生、それは……」
「カクラン!」
「うるさいな! 目の前をチラチラ、退けよ!」
霊に対して怒鳴ったカクランを見てルネンは驚いていた。
「……カクラン……君は変わってしまったね」




