分かった理由
レゲインは美来がレゲインについていくのにやっとになりながら引きずられないよう小走りをしているのに気がつかないまま早歩きをしていた。
「れ、レゲイン、速いって……わっ!?」
ーーゴッ……
美来は木の棒につまずき転けそうになったがレゲインがあまりに強く手首を握っていたので、自分もこけないように力を入れたレゲインのおかげでこけずに済んだ。
「痛い……」
「! ……あ、悪い」
足を止め美来の手首を離した。
美来は手の跡がついたと思うぐらい痛い手首をさする。
「どうしたの? 泣いてるの?」
「は? んなわけな……」
美来はレゲインが答えながら美来の方を向いた時にレゲインのフードを外した。
コールを着けていないレゲインは本当に普通の男の子に見える。泣きじゃくった後の。
「な……勝手に取るなよ!」
「何で? 今は人いないよ?」
「んっ……何で分かったんだよ? 顔隠してたのによ」
「手……泣いたら全体的に温かくなるでしょ? 私の手は血の気が引いちゃったけど」
レゲインは気まずそうに前を向き腕を組む。何かを思い出したのか腕を下ろし美来の方を向く。
「美来、カクランに霊の祓い方とか習ってねぇか?」
「霊の祓い方? そんなの習ってないよ?」
レゲインは表には出さないが内心がっかりしていた。
あの役立たずの狐やろう……
「お前霊力強いのに何で習わねぇんだよ? 護符とか使えりゃあ結界はれるのによ」
「結界……? 護符……カクランも使えるの?」
「そりゃあ使えるだろ? あいつ意外と強えし」
レゲインは美来の髪型を見て髪留めがなくても長さが変わらないことに気がついた。
あの髪留めは何のために着けているのかという疑問を持つ。
「何で髪留め着けてたんだ? 要らねぇだろ?」
「要るよ! 前に垂れてくる髪の量減るしあの髪留めは私の大好きなクッキーのメーカーが五個限定で応募者にプレゼントしてたんだから!」
「だからクッキーみてぇな形してたのか」
「うん」
嬉しそうに頷く美来をみて呆れたような視線を送る。
「何に運使ってんだよ……」
美来はレゲインが哀れみのような視線を送って前をくるりと向き歩きはじめたので、少しショックを受けトボトボとレゲイン後ろを歩く。
「クッキー大好きなのに……レゲイン甘いもの好きだから納得すると思ったのに」
レゲインはそれを聞いて更に呆れた。
髪留めは食えねぇだろ……
「先生? 何しているのですか?」
カクランは校舎の周りをうろうろして途中で立ち止まり何かをしていた。
助けたくないな……やっぱりあいつは少し欠けた魂として残ってるのか……
霊力の高い者は死んだ後未練などが無くても魂として霊になる事がある。未練がある場合は魂の欠片と欠けられた魂とが二つ同時に霊として存在する事があった。
ソテやレゲインが話した霊は後者の一部欠けた魂の大部分だ。
「このまま一緒に消えてくれればいーけど」
カクランは護符を手に持ち前に出す。
「この世の未練を祓い安らかに眠れ……全抹消」
護符を投げると四方に置いた護符が構成した壁にぶつかり館の周りが水色の光に囲まれる。
ルネンはただその光景を見ていた。
「魂消霊文……全抹消は高度な魂消術のはず」
消す欠片の量が増える程霊力を大量に使う。




