下りてきた理由
ルウブが武装し捨て身で攻撃に入ってもメランとは互角とはいいずらかった。
「バム!!」
バムは突然の爆発に吹き飛ばされていた。
「だ、大丈夫……」
ーードンッ!!
「っ……!!」
バムの足が爆破され動けなくされた。バムは痛みに呻いていた。
「バム……」
美来は立ち上がりナイフを持ち剣に形を変えた。
「美来ちゃん! 駄目だって!」
バムは美来が殺られてしまう前に魔女をどうにかしようと魔女に向けてシャッターを切った。だが爆風で魔女は写らずバムの手元で爆発が起きた。
「ギャッ!」
「バム! っ……」
私が戦わないと……バムが
美来は震える手と足をなんとか止めながら魔女に振りかぶる。
「隙だらけ……」
避けられ腕を掴まれる、そして腕を捻られナイフを落とした。そのまま殴り飛ばされる。
「ケホッ! うっ……はぁ……はぁ……」
息苦しくて目から涙が溢れる。
手を軽く握り手元にあの剣がある事をイメージすると飛んでいった剣はそのまま手元に戻ってきた。
痛みに耐えながら立ち上がり向かっていこうとした時、目の前に二丁の銃が落ちてきた。
「……私の」
銃と魔女の間にレゲインが着地した。
「ったく、銃も剣と同じように手元にもどせるだろーが」
「レゲイン……何で」
レゲインは美来の方を見下ろしポケットに手を入れる。
「何でって見ててバカバカしいから……」
「じゃなくて、落ちてきて平気なの?」
「そっちかよ! 俺は飛べるの! ……っ!」
突然バム、美来、レゲインを囲んで爆破が起きたが三人は無傷だった。レゲインは周りで爆発が起きる寸前に紙を出し周りをシールドで囲ったのだ。
「レゲインちゃんじゃないか、どーしたのかな? もしかして自分で殺した母親が恋しくなってとか?」
レゲインは魔女を睨みつけ、術式の刻まれた短剣を二つ握る。そして、無理を承知で魔女に切りかかる。
「バム……大丈夫?」
「う、うん、痛いけど……それより」
バムと美来はレゲインが魔女に切りかかっていくのをじっと見る。
「母親殺したって……」
レゲインは聞こえていたのか一瞬気が散り魔女に殴られた。
「ぐっ……!」
ひるんだところを爆破され美来とバムの目の前に吹っ飛んできた。
レゲインは膝と手をつき体を起こしフードが脱げた頭を振り更に魔女を睨みつけた。
「何? そんな睨んで……そのあなたに合わない力であたしに敵うはずない」
「っ……」
バムがこの状態だ、俺が敵うはずねぇのに……この紙じゃ魔力を充分に使えねぇ
「ゲレイン……」
「ほっといてくれ……っ」
レゲインが立ち上がるとバムと美来は止めようとする。
「ゲレイン! 無理だよ……」
「危ないって」
「うるせぇ、黙ってそこにいろ」
レゲインがそう言った途端周りの地面から黒い粉が舞う。その粉はそれぞれ集まりレゲインの両手に黒い短剣が現れ、周りには黒い矢が浮いている。
「クスッ、いいの? みんなの前でそんな力使って気味悪がられるよ?」
「知るかよ……もうここには来ねえんだ」
レゲインは短剣を構え魔女に向かっていく。
「ゲレイン!!」
魔女はレゲインの周りで爆破を起こしたが煙が退いた後見えたのは無傷のレゲインだった。
「そんな……!」
レゲインが下から切り上げるのを魔女は避けるが魔女の後ろに黒い針の生えた壁が現れ短剣が首元をかすった。
そのままレゲインは魔女を蹴り針に刺す。
「ギアッ! あっ……」
レゲインは後方に下がったそこに魔女めがけて大量の黒い矢が飛んできて突き刺さった。
「ぐっ……じ……の魔女……」
魔女はしばらくじたじたしていたが動かなくなった。周りの黒い矢や壁、短剣は粉になり地面に降り注いだ。
美来は驚いていたが正気に戻りレゲインを見る。
「レゲイン、今のって?」
「砂鉄」
「それぐらい美来ちゃんでも分かるよ」
バムはそう思って美来を見るが何のことという顔をしていた。砂鉄が分からなかったらしい。
「もういいな?」
去っていこうとするレゲインの腕を美来は掴み止めた。
「待って、魔女が言ってたことって何?」
「!……ほっといてくれ、これ以上関わるとまた魔女の騒動に巻き込まれんぞ」
バムはなんとか座り、レゲインを睨んで見た。
「何言ってるの? これ以上どう巻き込まれるの……この光は何? 一人でこの場から逃げる気? ゲレインはいつも魔法陣の本読んでるのに悪魔に関しての魔法陣だけ読んでないし」
レゲインはバムを見て引いていた、読んでいた本の内容まで知られていることに。
「何よ?」
「いや、ハム……気持ち悪い、人のプライベート観察してんじゃねぇよ」
レゲインはそこで黙り込んだ、何かを考え込んでいるようだ。
バムの質問には答えず空いている手で美来のポケットから携帯を取り出し、ある人に連絡した。
「もしも……」
『はい! カクランだよ、なに? 美来……あれ? 誰?』
かなりの大きな声で携帯の向こうからカクランの返答がきた。
「…………」
レゲインは美来と目を合わせた。
「えっと、カクランはいつもそんな感じで電話に出るよ」
「美来……よく鼓膜破けねぇな」
てかこんな緊急事態に明るすぎるだろうが
「レゲインだよ、今からやってほしいことがあんだけど……ドラゴン達に伝えてくれねぇか?」
『……珍しいねレゲインから頼み事なんて、いいよ、それで、何するの?』
「ああ……」




