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上から見る理由

「おかしい……これだけ大きな騒動になってるのに校内放送が一切出ないなんて……」

カクランとアウラーは店の前に居た、その場所もまた線の通り道だった。

「カクラン、多分放送室とか占拠されたと思う、校長も電話に出ない」

「マジかよ……」

ーードンッ!!

レゲインにも聞こえた爆音がカクランとアウラーの所まで響いてきた。

遠くの方で爆煙が上がっていた。

「乱戦だね……」

「ああ、この光……魔法陣だな」

「……この辺の避難と生徒の避難しないと」

アウラーは走っていくが、カクランはじっと爆煙を見つめていた。

悪夢だね、まるで二年前に近い……



ドラゴン達の所まで爆音は聞こえていた、そこでバラバラに行動を始めた。ノイはその場に捨てられた。

ルウブは一人校舎の方へ向かって走っていた。

「やべぇな……」

ファルとノイは正直この場合は戦力外、オレは戦えるけどメアリほどじゃない……

「っ……何だよ、らしくねぇ」

メランとの戦闘での事引きずってやがる



レゲインはコウモリの姿になり状況把握の為島全体が見渡せるところまで行き、人の姿に戻り紙を使い足元に出したシールドを足場にした。

「何だよこれ……」

島全体を覆うようにして展開されている一部欠けた巨大な魔法陣を見て息を飲んだ。

「まさか、島の奴ら全員悪魔憑きにしようってんのかよ……」

レゲインの見間違いでなければこの魔法陣の形は悪魔を呼ぶものだった。そんなことをすれば島の人だけでなく魔物も全て悪魔憑きにされてしまい魔力の弱い者は悪魔の魔力に耐えられず引き裂けてしまうだろう。

「レゲインちゃん……そんな険しい顔されても困るわ」

後ろからヘルバの声が聞こえた。

振り向くとヘルバが地面から伸びてきている木の上に立っていた。

「なっ! ヘルバ……お前の仕業か」

「くっ……そんなわけないでしょ! 確かにこれは私の計画……けれど指令でまず先に別のものの確保を優先させられた」

よっぽど悔しいのか歯を食いしばっている。

「確保を任された魔女達が横取りしたのよ、私の上官とは別の上官の手下にやらせるからこうなるのよ……」

魔女は女王の下に一番魔力の強い一級の魔女が四人居た、その四人それぞれが部隊を持っておりお互いを軽蔑していた。

レゲインは戦闘の行われている場所を見渡す。

ある場所で美来とバムが魔女と死闘を繰り広げているのが見えた。だが、美来は銃を二丁とも持っていない。

「ヘルバ、てめぇはどうすんだ?」

「……そうね、発案したのは私だし失敗すれば評価が落ちるのは私、成功すれば功績を横取りされるものね。私は見物にまわるわ」

ヘルバは木の枝から飛び降りて行った。



「お前な、しつけぇよ!」

ルウブはメランに遭遇し戦闘になっていた。

だがルウブはメランを蹴り離し走りながら後ろに滑りやすい氷を張って逃げた。

「しつこいのは当たり前だろう?」

「気持ち悪……!」

目の前に巨大な黒い壁が現れ行く手を塞いだ。

「何の真似だ?」

メランはゆっくりとルウブの前に歩いてきてレイピアを引き抜きくどくどと説明をし始めた。

「私はブラックドラゴンだよ? 何処かに黒さえあればそこを起点に壁や箱剣などを作り出せる……」

ーーバキッ

いきなりレイピアを膝で打ち折った。すると、折れた部分も合わさって形を変え最終的にサーベルに変わった。

ルウブは槍を取り出し肩にコツコツと当てている。

「ご丁寧にどーも、どこに忠告するバカがいるかよ?」

漫画みてぇにこっちの直す点を忠告する奴なんて居るわけねぇんだよ……ましてや自分の能力を説明するなんて馬鹿だろ。

「想像された世界なのにかい? この世界も他世界のようにアニメだったりするんじゃないのかい? それより、君に死なれたら困るから教えておいたまで」

「そういやあオレが何とかつってたなっ」

後ろの壁から何本もの針がルウブに刺さりに来たのでとっさに前に避けようにもメランがいるため攻撃を仕掛けるしかなかった。

槍を大きく横からふりかかるがサーベルで受け止められた。

「残念だね、これならそう簡単に折れることはない……」

メランは剣に体重をかけ槍を弾きしたから切り上げそれを後ろに避けたルウブを壁からの針で刺した。

「ぐっ!!」

ルウブは地面に足を着き蹴り上げてメランの後ろに跳んだ。脇腹に斬られた跡があり痛みがする。

「っ……反則だろこれ」

脇腹を抑え、その部分を凍らせた。

「ほう、凍結による痛みは特性として無いのか」

手を離しゆっくり立ち上がる。

「仕方ねぇか……」

ルウブがそう呟いた瞬間、ルウブを中心に白い冷気の霧が吹き視界が悪くなった。

「まだ何かあるのかい?……!?」

霧が少しずつ晴れルウブの姿が見えた、だがルウブは先ほどとは違い氷の鎧を身にまとっていた。

「クッハハハ、面白い……そんな使い方があったとはね」

ルウブは笑っているメランを見て顔をしかめた。

ルウブ自身、身軽な方を重視しており他の者のように魔力で強化された服を着ていたが、メランだけでなく壁の針からまでも逃れるのは難しいと踏んで何度でも再生可能な鎧をまとうことにしたのだ。だが、これは初の試みで今まで一度もやったことはなかった。

「……重てぇな」

それにルウブはカクランほど痛みに強くはなくこれ以上ダメージを受けたくなかったのだ。

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