叱る理由
移動塔前に来た美来とバムは塔に入ろうとしているルウブと合った。
「ルウブ!?」
「ルーブル! 何でここに?」
って、ここに来たから道の途中倒れてる人が居たんだ……
ルウブは美来とバムを振り返って話を聞いていたが、答えず塔に入ろうとするが別の者がルウブを呼んだ。
「ルウブ久しぶりですね、私の背を越したみたいで」
赤毛のロングで花の髪留めをし着物のような服を着た赤い瞳に細い縦線の入った女性が歩いて来た。
「フラサ……って事は他の奴も?」
「いいえ、メアリはまだ来ていませんが来ると言っていましたよ」
「……別に多種のオレからの頼みだ、来なくてもいいんだけどよ」
ファイヤードラゴンリーダー、フラサは腰に手を当てルウブに指を突きつけた。
「来た人に対してその言い方はありませんよ? 素直にありがとうと言いなさい」
まるで母親のように叱っていた。ルウブより人情味があるようで全てのドラゴンが他人を気遣わないわけではなさそうだ。
「ルウブはお父さんと違って素直じゃ無いところを見直すべきですよ……ってルウブ?」
ルウブは比べられたのが嫌だったのか黙って塔へ入っていった。
「美来ちゃん、行こ」
「え? うん」
美来とバムもルウブの後を追っていく。
移動塔とは依頼などに行く際船だと何時間もかかるため特定の場所にワープをする部屋がいくつも並んでいる塔だ。白石でできており神殿のような面持ちで立っている。
ストーンドラゴンをはじめとする数種のドラゴンの手により建てられており各部屋にはワープポイントをプログラムされた巨大な魔石があり、塔にはその部屋だけに力が働くよう特殊な石が使われている。
中に入ると入り口付近のカウンターではルウブが受付員の胸ぐらを掴み睨みつけていた。
「で、ですから……寝てなどいませんよ」
「じゃあ今寝てたのは何だよ? そんなんだから魔女に細工されんだよ、てめぇ、ここがどれだけ重要な場所か理解してねぇな?」
ルウブは受付員を突き放すと階段を上がって行った。
バム、美来は目配せをすると腰を抜かしている受付員の目を盗みルウブについて行く。
階段の陰に隠れルウブがある部屋のドアを開けているのを見ていた。その部屋の中は闇に包まれており他の部屋とは違った、ルウブは別の部屋も開けて確認していたが確認した部屋は全て光に包まれていた。
闇に包まれた部屋へ入ろうとしているようだったが手と足を止めて一分ほど微動だにしなかった。
「バム、どうしたんだろ?」
「さぁ……でも、早く行ってくれないと私達行けないよ」
ようやくルウブが動いたかと思うとこちらを見ていた。
そのままドアへ入っていった。
「バム、行こ……バム?」
バムは膝をついて息切れをしていた。
「えっ、う、うん……」
美来とバムはルウブの入って行った。
部屋を通りぬけるとそこは森の開けた場所だった。前に一歩踏み出すと周りが氷の檻に囲われる。
「えっ!?」
「美来ちゃん大丈夫だった?」
すると上からルウブが檻の上に足をついてそこから地面に着地し美来達の方を向いた。
「コソコソするな殺すぞ……」
「えっと……これは……」
「お前らみたいな奴が行っても他の奴らみたいに殺されるのがオチだ、そこで大人しくしてろ足手まとい」
「ごめんなさい……」
美来は座り込み従おうとしているのを見てバムは柵ごしにルウブに近寄る。
「もしかして、私達が足手まといになるぐらいルウブって弱いの?」
ルウブは無視をして立ち去ろうとするが更に迫る。
「カクランは私達を連れてでも戦ってたのにカクランより弱いんだ?」
ルウブは立ち止まり拳を握っている。
今までの振る舞いによらずこういう誘いに乗りやすく意外と短気のようだ。
氷の檻が消え去りバムと美来は前に出る。
「軽いね」
バムがそう言うと我慢の限界だったのかルウブはバムを蹴り飛ばした。バムは遠くの木にぶつかった。
「バム!? 一言余分だよ……」
「離れたら死んでも知らねぇからな」
今、バム死にかけたのに!? って、ルウブ私達守りながら行く気なのかな?




