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拉致された理由

「君は、何が言いたいんだい?」

カクランは美来のことを校長に話にきていた。

相手は、校長だ……敬語で話さないと。

「美来を元の世界に返してほしいのです」

校長は、カクランを睨んだ。

「無理だ。だいたい、君に任せただろ」

「ですが、美来は異世界の事は知りません。それに、他世界から強制的に連れて来ることは禁止されているでしょう? 罰せられますよ? 他世界の存在に気が付いていない世界から拉致してくる何て……」

すると、呆れたようなため息をつかれた。

「試験の数日前に全て説明しただろう?」

「え?」

いや、拉致するということしか聞いていない。

「あれ? 話していなかったか? じゃあ、今話すよ。美来のことは、王妃などに了承をえているよ」

「!? まさか、でもなぜ……」

校長は、真剣に話し出した。

「事態は深刻なんだよ……君も知っているだろ? 異世界の事を知るべきだと違法に他世界へ行く団体を」

その話を聞き、数日間の事を思い出す。

確か、偶然つけていたテレビで言っていた気がする。

「でも、あの団体は一般の団体で政府も特に抑えるのに手を焼くことなんて無かったはずじゃ」

すると、意外だという顔をされる。

「無知だと思っていたよ」

褒められてる? ……え? こいつ俺を馬鹿にしてる!?

まだ団体の行動を話してないのにこう言われるってことは、その団体の事自体知らないと思われてる。

「魔女がその団体を利用したんだ何かを企んでいる」

カクランは校長を少し睨んむ。

「魔女が企んでいるのはいつものことでしょ。それに、魔女絡みならドラゴンがきょ」

「ーー協力は無いんだ! ドラゴン達にはこのことは知られていない、嫌っている者が多いせいだ」

言葉を遮られそう言われた。

校長も歯がゆいのだろう、怒っているようだ。

「また、差別かよ。人間だけじゃなくドラゴンまで……美来のクラスを変えて下さい」

ドラゴンと聞くと思い出す相手がいた、だからイラついているわけではない。

すると校長は突然机に手を突き身を乗り出してきた。

「トラウマを理由に逃げ出して教師になった君に拒否権はないのだよ!!」

怒鳴られた。

「少しは向き合ったらどうだい? とにかく美来を頼んだよ」

こう怒鳴られると返す言葉が無かった。

「失礼しました」

カクランが出て行こうとすると、

「ドラゴンに知り合いがいるからと言ってはいけないぞ。君だけならともかく私も危なくなるからな」

やろうとしていた事を止められた。

まあ、あいつに言えばチクられるうえにアリもしない罪が加算されそうだ、やめておこう。



「あ~やっと着いた」

美来は校舎の中を二時間さまよい教室についた。遅刻だと思い中へ入ったが狐の先生が居なく皆自由にしていた。

えっ何か問題でもあったのかな……?

! もしかして、私が帰りたいって言ったせいでくびとか?

そう入口で立って心配していると、

「美来ちゃん早く座りなよ」

パンダの子が呼んでいた。

バムだったけ? 初めからちゃんづけなんだ。

席につくと勢いよくドアが開きカクランが走り込んできた。

「あの先生、さっき見かけたのに来るの遅いなぁ~そういえば校内地図見て教室と逆に行ってたぁ~」

バムが美来にそう言った。

美来は狐の先生が遅れた理由に気づき小声で押してた。

「えっ、それ、道に迷ってたんだよ!?」

「え。先生が? 助けてあげたほうがよかったかなぁ〜」

カクランは前に立つ。よっぽど急いでいたのか髪が乱れている。

「悪い、寝坊した上に道に迷った」

正直か! てか教師だろ寝坊するなよ!

空気が冷たくなり、皆んな狐の先生を冷たい目で見ていた。何もないように話を続ける。

「えーと、自己紹介とかは各自でやっといてくれ俺は絶対関わらねーからな」

なんでだろ? 本当に関わりたくないって感じの顔してる。

「あと、立ち入り禁止の場所は入るなよ。面倒くさいやつに叱られるからよ僕も。まぁ、次の授業で、立ち入り禁止の森の洞窟前に集合だけどな」

それだけ言って出て行った。

皆んなしばらく席に着きっぱなしだったが、終わって移動する時間だと気がつき席を立ちはじめた。

美来は、周りを見ていた

「え? 終わったの?」

独り言のような言葉にバムが応えてくれた。

「終わったみたい、分かりにくいね。行こうか、美来ちゃん洞窟前だに」

バムと洞窟へ向かう。途中、ふと聞かれた。

「私はパンダだけど、美来ちゃんは何の種族なの?」

何を聞かれているか分からなかった。

「え? 種族?」

狐の先生に言われたことを思い出し答える。

「あ、えっと……人間」

「えっ!? 人間なの?」

凄く驚かれて、小声で聞き返された。

「うん……」

「しーっ!」

そう言われて、慌てて口をつむぐ。

「誰にも言っちゃいけないよ?」

「何で?…何で言っちゃいけないの?」

「この世界だと、人間はよく差別されて虐められたりするからぁ〜」

周りに聞こえないように小声でそう教えてくれた。


台の上に置いてある石を取りカクランは、説明書をする。

綺麗な石、宝石みたい……。

透きとおるような紫色の石だった。

「この石は魔石だ。魔石には自然にできたものと人が魔力を込めて作ったもの2つがある」

石を置き続ける。

「ただ、自然にできたものは勝手に暴発したり、幻覚を見せたり、その他いろいろな作用があるから気をつけろ」

誰かが静に手を挙げそのまま話し出す。

「それって見分けれますか? あと、それはどちらですか?」

「無理だだからとりあえず触らないようにしろ、危ねえから作ったものに決まってんだろ」

まるでそれぐらい察しろというような言い方だった。まぁ、よく考えるとそんな危ないものを持つはずない。

イラついたように質問をした子は手を下げる次にカクランは青い石を取る。

「で、こっちは想像石って言ってこの世界特有の石で人工的に作ることができないものだ。まぁ、これについてはまた説明するからむやみに触らねぇことだな」

美来は説明をよそにフードを深く被った子を見ていた。

「美来ちゃん? どうかしたの?」

バムが気にして聞いてきた。

「え……あ、うん……あの子」

美来の陰からその子を見る。

「変わった子だね、あんな子他にもいるよ? でも一人でいる子ってあんまりいないよね。皆んな小さいグループ作ってるし」

話していると。

「ってことで、霊石は事故現場などに多くあるんだけど、知らねぇ奴事故っても知らないからな」

バムと美来は、前を向く。

やばいかも、魔石とか危ないって言ってたし今話してたし……。今から何するんだろ?

「それで今からその石を採掘してもらう、流石に霊石は此処にはないけどな」

すると、犬耳の髪留めを頭につけた男子が質問する。

「何でないの?」

その質問に対して答えたのは、隣にいたあくびをして眠たそうな子だった。

「事故現場だったら危ないじゃん……」

話しながら確実に寝かけている。

カクランがまた話し出す。

「さっき説明した石は武器を作るのに使ったりして特別な作用をつけることができたり、まぁ、よく使うものなんだよ。売ってる物でもあるが高すぎるから自分達で装備を整える事も必要なんだよ」

普通なら、ここで"えー"の一言があってもおかしくないが皆んなシーンと聞いていた。

「じゃあ俺は見て回るだけだけどここに道具があるからあと、水道もそこにあるからね」

石を掘り出す事になった。



「もう少し不味い物はできないのか?」

校長は、一人昼飯を食べていた。

あー羨ましい私が学生だった時はもっと不味い物が出されてたのに。

いや、あのシェフをクビにしたのは私だった……。

そこに電話がかかってくる。

「はい、もしもし、今私は食事中なのだか!なんだね?」

受話器の向こうから聞こえてきた声に黙る

聞こえた言葉に、口に入れていた物を飲み込んで聞き返す。

「魔女が? この学校に? 分かった承知はしておくが見分けようがないだろもしも、生徒に何かあったらそちらの責任だからな」

そこへ、一人の教師が入って来た。

「大変です! その、生徒の一人が魂を取られたようで……」

いきなりの報告だった。

「!? 命は大丈夫なんだな? その後に乗り移ったわけでもないんだな?」

質問責めにする。

「はい。ただ、肝心の魂が見当たらないので……」

その一言を聞くと電話に怒鳴りつけた。

「そちらの責任だからな!!」

「何でだよ! 校長のくせに俺に押し付けるな! そっちでなんとかしろ!」

という、男性の声が受話器から聞こえてきた

理不尽な事にイラついて怒鳴ったのだろう。

直ぐに通話をきったようだ。

「とにかく、犯人と魂を探すんだその生徒がいつまでもつか分からんしな」

教師は「はい!」と返事をし出て行った 。

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