ゴールの理由
バム、ナーゲルがはじめにサイコロを転がした。
4が出て進みそのマスでは何も出てこなかった。
「まぁ、こんなもんだよね……」
ナーゲルは焦っているのか黙っている。
ファンシーは2を出しケルピーを倒し更に3マス進んだ。
美来、レゲインは6マス進み美来を置いてレゲインがオークを一人で倒した。
マス目に文字が浮かぶ。
【二人でしりとりをして“ん”で終わらせろ】
「これが指示ね……」
「レゲイン、しりとり……りんご」
「ご……ゴルフ」
「古着」
「銀」
さすがに美来としりとりをやらせられたときレゲインは大丈夫か?と怪しんだ。
その後も何事もなくゲームは進行していく。
「ちょっと!! 今私が攻撃したんでしょ!」
「知らないな、倒せれば別にいいだろ」
多少のいざこざはあったものの。
「美来ちゃん達結構ゴールに近づいたね」
「はじめにゴールするのがあの魔女じゃなければいい」
ファンシーはそれが聞こえていたらしくバムとナーゲルの方を向く。
「あたしはゴールしても終わるまでここにいるよ?」
ナーゲルはそんなファンシーを睨むように見る。
バムはサイコロを投げでたマス進んむ、ナーゲルも付いていく。
魔物を倒し指示が出る。
【手を繋いで3マス進め】
「んぐぐ……ちょっと、フィンタぁ〜! この指示酷いよ」
「魔女に逆らっても何もない、ん」
ナーゲルは表情を変えずバムに手を差し出す。
バムはムッとしてナーゲルの手を取り3マス進んだ。
ファンシーは前の指示でサイコロは振らず6マス進むことになっていた。
美来、レゲインはゴールの手前まで来た。
「もう少しだね」
「……」
だが、二人の前には金髪のとても綺麗な女性が姿を現した。
「!!……」
美来は攻撃に構えるが、レゲインがいつもと違う驚いた表情をしたまま動かない。
「?……レゲイン、どうしたの?」
「っ……美来……悪い、ここで終わりだ」
「へ? 何で? これが人型だから? でも私たち以外は夢の中で作られた偽物でしょう?」
レゲインはその場に立って俯き動かない。
「あれれ〜レゲインちゃんシェイプシフターごときに怖がってっの?」
レゲインはいつも以上の剣幕でファンシーを睨みつけた。
目の前の女性はレゲインの目の前まで歩いてきてレゲインの肩に手を置く。
「っ!」
「レゲイン、顔を上げなさい?」
レゲインは言われる通りゆっくり顔を上げた。
だが誰にでも分かるほどその目は恐怖の色を帯びていた。
「れ、レゲイン!! 動いてよ、ねぇ……」
ーーガッ!!
女性はレゲインの体を揺さぶっていた美来を殴り飛ばした。
異常な様子を見たバムとナーゲルはさすがにおかしいと思う。
「ゲレイン!! 何してるの!?」
「……バム、あれはもうダメだ、恐怖に縛られたら誰の声も聞こえない。まるで子供みたいに」
「恐怖? 女の人に対してゲレインが?」
「いいや、あの女に対してだよ」
「いい子ね、レゲイン……」
女性はゆっくりレゲインの首元に口を近づける。
「レゲイン……」
シェイプシフター? 弱点……何だっけ確か銀……で、でもここの奴がそうとは限らないし散弾撃ってもレゲインに当たっちゃうかも……
美来は一人考えを巡らせた、忘れやすい記憶の奥から情報を探る。
突然バムの大声が聞こえた。
「美来ちゃん!! そのままだとゲレイン血吸われて死んじゃうよ!! 美来ちゃんも!」
「あの人間に何させる気だよ?」
バム……そうだ! 私の銃二丁あったんだ
美来は両手に銃を持ち構える。片方はレゲインにもう片方は女性のほうに。
そして引き金をレゲインの方、女性の方の順で引いた。
ーーバンッ!!
「!!……」
銀の弾が飛び散るように打ち出された。
「美来ちゃん!?」
「おいおい、レゲインごとお陀仏じゃないか」
バムは驚き、ナーゲルは呆れていた。
だが、煙が消えるとその場で尻餅をついたように座っているレゲインだけ無傷で残り女性は身体中に穴が開きボロボロとぐずれて消えた。
「み、美来……どうやって俺を」
美来は自分の作戦が成功して喜んでいる。
「えっとね、片方でレゲインをバリア的なので包んだの、大丈夫だった?」
「え……あぁ……見ての通り無傷だ」
魔物を倒したことにより指示が出る。
【そのまま1マス進め】
「ほら、レゲイン、ゴールだよ行こう」
「え? あ、ああ」
レゲインは美来が一人で考えて自分を助けた事がまだ信じられないようで思考が定まらないようだ。
ゴールへ足を踏み込むとゴールのフィールドが光に包まれ美来、レゲインの姿が消えた。
「レゲインちゃん、美来ゴールだよ!」




