嫌な理由
美来、バム、ナーゲルは女の子を見上げている。
「あのガキなんだ?」
「あ? 本人にききゃあいいだろ俺の話聞かねーお前らが悪りぃ」
レゲインはすぐ横で白紙の紙がヒラリと落ちたのを目で追っていた。
成る程、幻影で光も見えないようにされたのか……
「キャッ酷〜いレゲインちゃん、あたしに冷たいんだから」
女の子は一人で嬉しそうにはしゃいでいる。
「君の知り合い?」
レゲインはいちいち聞いてくるナーゲルを鬱陶しそうに見て答えた。
「幻影の魔女ファンシー、本当にガキだよ」
「え……ま、魔女なのか!?」
怯えた表情を浮かべるナーゲルを見たレゲインは少しスカッとしたのか目が笑っている。
ナーゲルは頭を振り恐怖を払う。
こんな所で恐怖に負けてたらダメだ……シャンを捜さないと
「あんなやつよりシャンは……!」
ナーゲルが明かりの外に出たかと思うと一瞬で明かりの中へ戻された。
「駄目だよ出ちゃあ、ここはあたしの夢の中だよ逃げられない逃げられない」
ファンシーは飛び跳ねて喜んでいる。
「どういうこと? レゲイン、幻影じゃないの?」
「夢……」
考え込むレゲインを見たバムはレゲインのほっぺをつまんで引っ張った。
「いっっ! 何すんだよ!」
レゲインはバムの手を引き離すがその衝撃でフードが脱げた。
「夢なら痛くないかなぁ〜って」
「夢でも寝てる横にいて実際に動いちゃってたらレゲイン痛いよ?」
「そんな偶然ないでしょ?」
気の楽そうな二人を見てレゲインは重たいため息をつく。
もう少し緊張感を持ってもいいだろ
「ファンシーだけじゃねーな」
「せいかーい、エヘヘさすがレゲインちゃん頭いい〜」
レゲインはファンシーの事を睨みつける。
「レヴェリーちゃんの協力でこの空間を作ってるんだよ、あたし達の体のそばで見守ってるんだよ。子犬ちゃんもそこにいるよ」
「じゃあ、シャンは別の魔女のそばで……」
「そーだよん、周りの一人が想像源高ければみんな高くなってくるからね〜早くしないと死んじゃうよ、出るには……」
ーーガシャンッ
暗闇の中に大きな双六のようなフィールドが現れた。
四人の足元にはSTARTと大きく書かれている。
「双六?」
「人生ゲーム?」
美来だけ人生ゲームと呟いた。
バムはよく知らないらしい、分からないという困惑の表情を浮かべていた。
「君にこれで勝てとでもいうのか?」
「その通り、ナマケモノ君も意外と勘がいいね〜。ルールは普通にサイコロを振って出た目だけ進む。だけどマス目には何も起こらないものと魔物が潜んでるものがあるの」
ファンシーは胸を張ってナイフを振り回しながら説明を続ける。
「魔物を倒せばそのマスに命令が表示される、何かをしろだったりなんマス進めだったりね。だけど、魔物に負ければ死んじゃうから気をつけてね〜」
だが、説明を聞いたナーゲルは黙ってはいなかった。
「ふざけるな、君達の夢の中ならマス目も魔物が出るかどうかも自由自在だろ」
「そんなつまらない事しないよ」
信じられないのかナーゲルはファンシーを睨み続けていた。
レゲインはやる気のようでファンシーに質問と提案を出す。
「分かった、ゴールに着けばこの夢から現実に出れるってわけだな?」
ファンシーは嬉しそうにレゲインを見て頷き、こちらまで降りてきた。
近くで見ると幼い少女で背も低い。
「俺らも条件を受け入れたんだこっちの条件も聞けよ? チームを組ませろ」
「ぅえ? チーム? ん〜レゲインちゃんの頼みだしなぁ〜いーよ、あたしは一人でね」
ファンシーが条件を受け入れると、レゲインはSTARTの端に三人を呼び寄せ隠れるように話をする。
「何? ゲレインにしてはぁ〜やる気だね」
「どっちにせよファンシーの野郎のいうこと聞かねーと出れねぇんだよ仕方ないだろ」
ナーゲルは確かにというように頷く。
「何々? 人生ゲームするの? 楽しそうだよね」
のんきな美来を三人とも空気を読めというような目で見る。
「それで、俺らはなんとか生き延びたとしても美来じゃ戦力不足だ……そこでチームを組めばなんとかなる」
「私危ないんだね……じゃあバムと組んでいい?」
レゲインとバムはもちろんと頷くがナーゲルは反論した。
「冗談じゃないこんな奴と組みたくないね、話し合わないし、人間とも無理だ」
「私もナゲールと組むのは嫌だよ、ゲレインとナゲールだけ単独じゃ無理なの?」
この後に及んでわがままを言う二人を見てレゲインは頭を抱えため息をついた。
美来もさすがに呆れている。
レゲインとナーゲルだけ単独になればさすがに怪しまれる、美来が戦力外だとバレればこの提案を消されてしまう危険もあった。
「俺は美来とでもいいけどな」
レゲインは美来に目配せをした。
「そこまで二人が駄々こねるなら私、レゲインと組むよバムはその人と組んであげて、ね?」
美来にそう言われたバムは折れたのかナーゲルの横に立つ。
「ファンシー、準備はできたから早く始めんぞ」
ファンシーは待ちくたびれたらしくクルクル回る。
「うん、じゃあゲームSTART!!」




