表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
213/223

うまいサボり方

レゲイン「お前って鈍感?」


カクラン「鈍感って何に対して? 人の気持ちに対してなら鈍感も何もないよね」


レゲイン「なんで?」


カクラン「そりゃあ、他人の好き嫌いに対してみんな気がついているのに一人気がつかないのは鈍感だと思うよ?」


レゲイン「うん」


カクラン「自分に対しての好意なんて誰も分からないだろ? あの子は自分が好きなんだとか、自惚れもいいところだよ。違った時恥ずかしいしな」


レゲイン「だから後ろ向きな方に考えるって事か?」


カクラン「まぁ、それにその後ろ向きな方の方が当たってる確率高いから。バムが君のこと好きだと思う?」


レゲイン「……まぁ、友達程度には思ってて欲しいじゃなくて。邪魔者だと思われてそーだよな」


カクラン「本音が出たけど……」


レゲイン「墓穴は掘らねぇぞ? 邪魔者の方だろ?」


カクラン「言ってる時点でダメだよ。友達欲しいんだね」


レゲイン「うるせぇ! つーか、いるし! 美来とか!」


カクラン「本編よろしくねっ!」

美来は教室へ入り空いている先に座り、机を見た。特に異常は無いが何か変な臭いがする。

周りを確認すると皆んな臭いには気がついているが気にする様子はない。レゲインと目があった途端、レゲインは朝食の事を思い出したのか青ざめて口を押さえ廊下に駆け出した。

「レゲイン……」

臭いだけなら平気なのだが、それに食事が付いたため耐えられなくなったのだ。

何気なく美来は机の引き出しに手を突っ込んでしまった。

ベチャッとした生暖かい感覚が手に伝わる。

そこへカクランが教室へ入って来た。

「うっ……ちょっと、皆んな? 君ら気は確か? この教室臭うんだけど……なんで皆んな平気な顔して座ってんのさ? 窓開けろよ」

カクランと窓際に座っていた人達が窓を開ける。そんな中美来は手を引き抜き青ざめた。

スカートの上にぶちまけられる動物の砕かれた頭部。

一層強く感じる臭いに周りが美来の方を見る。

キャロットが立ち上がり覗き込もうとするとイグノールがそれを止める。

「何で?」

「やめた方がいい」

ナーゲルと狗鷲弟が止めようとしたがシャンと狗鷲兄が覗きに行った。

「それって、犬の頭だよね?」

カクランが気がつき美来の元へ来る。犬の頭を見たカクランは黙り込み美来の腕を掴み廊下へ出す。

「着替えがあるなら着替えてきなよ……あとこれね」

何かを書いた紙を渡す。美来はただそれを受け取り行こうとするとカクランに止められた。

「大丈夫? あ……あんまりこういうこと慣れない方が良いんだけど」

「何で? 私が慣れたのはグロイモノだよ?」

「そう、って、そっちもだからね。ほら行きなよ」

美来が去っていくのを確認するとカクランは教室へ戻る。

「シャン! お座り」

シャンはビクッとし落ち込んだ様子で元の席に座っり、ディールスに助けを求めるように見る。

「こっちは止めた。先生を怒らせるな」

カクランに従ったシャンを見て生徒数人がクスクスと笑っていた。

「アクイラ、君もだ。弟が困ってるだろ」

「アエトスは別に困ってないよ。ほら、無関心」

狗鷲兄のアクイラは無関心なフリをする弟のアエトスを指差す。カクランは腕を組みアクイラを見下ろした。

「それ、片付けたいなら別だけど?」

「座ります」

「……所でこれ、誰がやったのかな?」

そこへ、空気を読まずバムがドアを開けて入って来た。

「おはよー美来ちゃっアレ?」

さすがにシーンとした教室に入って気まずさを感じ黙り込む。

「バム、丁度良かった。カメラ貸してくれるかな?」

「良いけど、何取るの?」



美来はカクランに渡されたメモを見る。

そこには自分が何をするために教室を出たのかが書かれていた。

「戻る頃には昼過ぎてるよ……広いから」

よく見ると裏に別のメモがされていた。今日の日付と一時に喫茶店と書かれている。明らかに必要なメモだ

「間抜けだ。意外……あ」

真っ青な顔をしたレゲインが前から来た。

「み、美来、まだ匂いがひでぇな」

「顔青いけど、大丈夫なの?」

「もう平気だけど、まさか食べ物と合わさるだけでここまで来るとは。お前こそ、その服……ぜってーシミになる」

「平気だよ。洗えば大抵取れるじゃん、替えもあるし、じゃあまた後で」

美来はメモをレゲインに渡そうとしていたが今の話の間にすっかり忘れてしまっていた。


その日の授業は実技だった。美来が居ない為、バムとレゲインの二人だけだ。

「二人ともさ、私のこと忘れてたよね? 医療館から出て来る日誰も待っててくれなかったし」

「お前って意外と気にすんのな。仕方ねぇだろ? 美来が嘘ついて外出すんだからよ、まぁ、ルウブの指示だったみてぇだけど」

「ゲレインとルーブルって似てるよね」

どっちの名前も間違えているのでレゲインは呆れてモノも言えない。

「レゲインとルウブって似てるよね」

「お前、ワザと間違えてんのか? 言えてんじゃん」

バムは何のことと言うように首を傾げ笑った。レゲインが訝しげに見ているのも気に留めずに。

「ねぇ、授業中なんだからさ、ちゃんと相手探さないと」

「相手って、一班依頼で居ないから誰も俺らの相手しねぇだろ。美来も居ないし」

「じゃあ、お互いで」

「お前、上手くサボろうとは思わねぇのな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ