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レゲインの昼寝

カクラン「え? 誰に僕に聞けって言われてここに来たの?」


レゲイン「美来。何故かネットはやめた方がいいって言われたんだけど」


カクラン「また、子供らしい質問で。18禁のモノって知ってる? どんな内容かとか」


レゲイン「…………」


カクラン「何で僕がそんな目で見られなきゃいけないんだよ!?」


レゲイン「別に。内容? ……全裸? とりあえず親に色々と脅されたから見てねぇ。あれって大丈夫なのか? 見たことある?」


カクラン「いや、みちゃダメだからな? 無いけど。なに、何で気になったの?」


レゲイン「何となく。だけど」


カクラン「子供が欲しいとか思わない間なら知らなくても問題無いから。それまで気にせずにいなよ、それに、変態的な話と繋がるから君の年で女の子に聞かない」


レゲイン「はぁ? 美来達、何も言わなかったから」


カクラン「あっそう。まぁ、気分悪くしてもいーならテンスラにでも聞けば? よかったな、優しいお姉さん達で」


レゲイン「え? 何が?」


カクラン「美来達が。本編よろしくね!!」


レゲインはこれ以上追求することは無かった。

美来は寮に戻ろうと噴水のある広場を通りかかった。ベンチの上に黒い塊が転がっていたのを見つけ近づく。

「あれ?」

よく見ると気持ちよさそうに眠っているレゲインだった。起こすのも気が引けたので空いていた一人分のスペースに腰かける。

夏の終わりでなければ今頃レゲインは蝙蝠の丸焼きになっていたであろう。スープにぴったりの。

「クシュンッ!」

「あ……。寒いの?」

何か羽織らせようとは思ったが何も持っていないので諦めた。

しばらく空を眺めて薄っすら目を閉じ鳥の囀りや風の音に浸っていた。すると、隣から苦しそうな声が聞こえ現実に引き戻された。

「レゲイン? 冷や汗かな……レゲイン、起きて」

レゲインは眉を寄せ肩に手を置いた美来の腕を掴み目を覚ました。

「っ!!」

その顔は何かに怯えていた。

美来の片腕に両手で捕まり息を整えている。

「大丈夫? 悪夢?」

「み、美来……まぁ、そんな感じだけど。いつの間にここに?」

レゲインは手を離し前を向いて座り直し頭を抱えた。

「いつの間に……?」

美来はメモっていた携帯を確認する。

「さっきかな? あ、ねぇ」

「あ? 何」

「……何でそっち向くの? 話して何?って聞くときこっち向くでしょ?」

レゲインは黙り込んでキョロキョロすると美来をチラッと見た。

「聞こうとしたことってそれか?」

「へ? あ、レゲインは魔女みたいに契約して何かできるの?」

「契約? 俺が? とうとうガチの魔女じゃねーかよ。何で? お前が俺と契約でもすんのか?」

「違うよ。ルウブ」

「何でだよ? ルウブのや……はぁ、俺あの兄弟苦手だわ」

その様子だと二人に何か揶揄われたのがよくわかる。美来は二人がレゲインを弟のように可愛がっているのだと捉えていた。

「二人とも弟とでも思ってるんだよ」

「はぁ? 他にも気質あるやついっぱいいるだろ、しかも百歳も上でキツネに関しては俺の担任だろーが。キモッ」

「じゃあレゲインも同じ歳の子と仲良くなればいーじゃん。私もバムも三歳上だよ」

レゲインは言葉に詰まる。クラスでも同年代の人とは一切面識は無く他の男子と面識はあるがつるむのが苦手だった。

「で、何でルウブ何だよ? ドラゴンだろ?」

「……多分言うなって言われたけど」

嫌がるレゲインにルウブの事をメモった文を見せる。

「マジかよ……」

レゲインは携帯から顔を上げ美来の目を見て当然の成り行きで審議を確かめようとしたが、顔が近い気がし思わず立ち上がった。

「レゲイン?」

「わ、悪りぃ……思わず」

「もしかして私に殺られる夢だった?」

あり得ないと言う目で美来を見た。

「それはねぇけど。なぁ、死についてどう思う?」

それを聞いた美来は腹を抱えて笑い出した。

レゲインは聞いた事を後悔し顔を赤くして目を逸らした。

「もういい」

「ごめんって、怒んないでよ。真面目に答えるからさ」

「怒ってねぇ、恥ずかしいんだよ」

「誰も抱きしめずに死んだ人とか見ると虚しく感じるよね……」

その答えに今度はレゲインが腹を抱え笑い出した。美来はムッとするが自分も同じ事をやったので諦めのため息をついた。


翌日、美来は一人で目を覚まし用意をして部屋から出た。一歩部屋から出た時、足元に違和感を感じ恐る恐る目をやる。

「な、何これ……」

美来の部屋の前だけ血みどろになり嫌な臭いが漂っていた。扉には何かを投げ付けたような血の跡、落ちている肉片を見る限り猫か犬の類のようだった。

「可哀想……みんなも動物なのに良くやるね」

これ、私が片付けるのかな?

食堂へ出ると寮監とばったり会い挨拶をすると鼻をつままれた。

「ど、どうかしましたか?」

「いえ、腐敗臭が……貴方のいる階で何かありましたか?」

「あの、実は私の部屋の前に誰かが肉片をばらまいたみたいで、犬か猫の」

「悪質ですね……皆さんが留守の間に片付けて起きましょう。部屋の中は無理ですが」

美来はお礼を言うとレゲインを見つけ朝食を持ち前に座った。

「うっお前、いつもと香りが違うぞ」

「あ、レゲインが気を遣った」

「うるせぇ」

レゲインは美来が歩いた場所に赤い足跡が付いたのを見つけた。

「何、お前、何を殺したんだ?」

「人聞き悪いよ。私、虫以外は手にかけた覚えないよ。その、部屋の前に猫か犬のミンチがばらまかれてて……衝撃的過ぎて頭に焼き付いてるよ」

「悪質だな。女ってめんどくせ」

女子生徒がやったとは決まっていない。

レゲインは食べている途中だったが顔色がだんだんと悪くなり口を押さえて朝食を残し先に教室へ向かってしまった。

美来についた腐敗臭に耐えられなかったようだ。美来自身でも臭いは感じていたがその状況で普通に食事ができていた。

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