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逃亡

美来「えっと……バムに貰ったからアレ?」


バム「…………」


レゲイン「そこは聞くところだろ普通」


美来「あのね、ホワイトデーはお返しする日だよね?」


レゲイン「聞いてねぇんだけど」


美来「そもそも友チョコってやった時点で交換してんのにホワイトデーやる必要あるのかな?」


バム「また交換って形になるよね」


レゲイン「俺は返してねぇけど。アレって友チョコだったのか?」


バム「何だと思ったの?」


レゲイン「えっ……いや。普通の義理的なモノかと」


美来「私あげたの? なら、友達としたのだね。異世界人って皆んな顔がそれなりに良いから他の人からも貰ってそうだけど」


レゲイン「いや、俺貰ってねぇ。一応お返しはするよ。うん。」


美来「そして忘れられるバムへのお返し」


レゲイン「あぁ、貰ったチョコ自体忘れてたわ。食えるかな」


バム「……あげてないよ?」


レゲイン「は!? えっ貰ったぞ? ちゃんと食ったし普通に美味かった……」


バム「普通にって言葉には気をつけないとね。じゃ、はんぺんよろしくね」


レゲイン「本編な」

外へ出たルウブは暑さにマフラーを緩めた。

「癪だがワイバーンを拝借しに行くぞ」

「乗れるの?」

「あんなもん感覚だろ」

「無免許運転と同じセリフ」

またルウブが美来を睨んだ。

スカイアイランドの都市部には人気があまりなかった。

「人いないけどなんで?」

「好都合だろ。犠牲になってる見世物に感謝すんだな」

「み、見世物?」

ルウブはワイバーンの離着陸する場所を見つけ美来の腕を引いて急いだ。見張りの兵に見つかれば今朝の様に躊躇なしに撃たれ兼ねないからだ。

繋がれていたワイバーン達は自分達より上のドラゴンであるルウブを見てか、姿勢を低くして静かになった。

「他の奴らもこんだけ本能に忠実なら楽なんだけどな」

そう言いながらも手前のワイバーンではなく明らかに選んで中央に居た紫色のワイバーンに近づき乗った。

「美来、早くしろ」

こいつだけでも帰らせねぇと申し訳ねぇな。

美来がルウブの手を掴むと引き上げられ前に座らされる。美来が体制を整える前に街の方から人の悲鳴と建物の崩れる音が聞こえた。

「何の音?」

「見世物の失敗……」

ルウブがワイバーンを出発させたので美来はそのままルウブにしがみつくしかなかった。

空を旋回しながら壊れた建物を見下ろす。

建物の中からは人とそれを追いかける水の様に流れ出る黒い大量の何かが見える。

「主催者側は成功か」

「何で?」

「あれ見ろ。あの大量の害虫、妖虫憑きの見世物だ」

「妖虫? 虫の幼虫?」

ルウブは美来を見て答えるのをやめた。

妖虫の事はまだ聞いてねぇのか……?

「ねぇ、何で他のドラゴンに従って私をここに連れてきたの?」

「また質問かよ。少しは自分で推理しろ」

「じゃあ、何があったかもう一回話して」

ルウブは自分がキレる所まで説明をした。

「あ、それ。その情報と引き換えだったんじゃないの? それでキレるって大人気な……!?」

美来が言いかけた途端、ルウブは美来の服を掴み宙に吊るした。

美来は遥か下の方に見える水面を見て落ちたら助からないことを悟り両手で口を塞いだ。

「だ、だから大人気ないって言うんだよ! お、お願いだから上に戻して、落ちっ」

「あ……」

ルウブが手を滑らせてしまった。


その後、近くの町に着陸しワイバーンを放った。

「あれ、大丈夫なの?」

「ワイバーンはあれでも結構頭良いんだよ。嫌なら離れるし良かったんなら元の場所に戻るだろ」

倒れたばかりだというのに歩くのが早いルウブの後を美来は必死について行く。すれ違う人を確認しながらルウブの背中を見失わないよう走る。

「ねぇ、聞いていい?」

ルウブは美来をチラッと見ると舌打ちをした。

「聞いていいか聞いただけじゃん」

「舌打ちで怒ってるか決めんな。何だ」

「一八だよね? 綺麗で白いし肌つるつるしてるし顔にその……二人とも毛が」

「うるせえな!? それ褒めてんのか? それとも十代後半なら髭ぐらいあるだろとか文句か?」

美来は目を逸らし少し間を置くと歯を噛み締めてムッとしているルウブの目を見直す。

「文句も貶しても無いけど、結果褒めてなかった?」

ルウブは口を固く閉じまた歩き出す。美来は照れているのだと思い後ろで笑っていた。

町の真ん中まで来たところでルウブはある建物に入る前に美来の方を向いた。

「移動塔まで連れて……!」

言いかけた所で何かに気がつき美来の方へ飛びかかった。美来はルウブに抱えられ倒れる中、大きな破壊音と唸り声を耳にした。

瓦礫でも飛んで来ているのだろう、ルウブは時々痛そうに小さな声を上げていた。

“グォオオオ!!”

ルウブは顔を上げ崩れた建物の方を見る。美来は後ろに手をつきルウブの陰から垣間見る。

建物の瓦礫の上には四足タイプの巨大な黒いドラゴンが立ちルウブを見て大きな口をあけ吠えた。声が途絶えると口をパクパクさせ言う。

「よくも弾きとばしやがったな……邪魔な女を退けようとしただけなのに」

それを聞いた二人は顔を見合わせる。

「まぁ、確かにこいつ邪魔だな」

「呼ばれただけなんだけど!?」

ドラゴンは二人に向かい前足を振り下ろした。

ルウブは美来を抱えてそれを避け立たせる。

「お前、自分で避けろよ」

「まだ慣れないのかな?」

「死ぬぞ」

ドラゴンは更に突っ込んでくる。美来は一人で何とか避け、ルウブは一瞬で青いドラゴンへと姿を変えもう一度美来に向かい前足を振り上げたドラゴンに突進していく。

「久々、ブリザードラゴンのリーダー」

「ブラックドラゴン……」

「本調子じゃないのに俺に敵うのか?」

ルウブは翼を大きく広げ相手にぶつかり小さくブレスを吹き片目を潰した。メランは片手を振り下ろし首あたりを殴りつけた。

美来は下から見ているこやとしかできない。

「……ドラゴン同士って殴り合いしかしないのかなぁ」

「てめっ! 人が殴られてんのに」

メランがブレスを吹きつけようとした時、上から来た紫色のワイバーンに噛み付かれた。

ルウブはその隙に人の姿になり美来の方へ走る。

「今のうちに逃げるぞ!」

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