マッドな一面
バム「ヤギの先生とオオカミの先生は何で髪伸ばしてるの?」
ヤギ「別に伸ばしてる訳じゃあないんだけどねぇ、気が付いたら伸びていたみたいな?」
リュコス「髪に構って居る時間はないからね」
ヤギ「洗いはして居るだろう?」
リュコス「当たり前だよ。そういう君は随分と綺麗なようだけれど」
ヤギ「勿論。私は気遣わないと怒られるからねぇ、ぁあ、気が付いたらではなく伸ばす気で伸ばしていたのかもしれないねぇ、あはは」
リュコス「誰に?」
バム「本編よろしく!」
数日にかけて学校内で十数人の犠牲者が出た。美来達は異常がないことを検査し、順番に外に出た。
一番目に出た美来をカクランが外で待っていた。
「あ、どうしたの?」
「ヤギの事は信じてるんだけどね、解剖してる所に立ち会っちゃって心配してたんだよ」
それは美来達が隔離病棟に入った日の事、カクランは美来達の様子を聞こうとヤギの元に来た。
「ヤギ、ちょっと美来達……の……」
案内された地下の解剖室を見たとき、目の前には不気味な笑みを浮かべながら死体の内臓に触れるヤギがいた。
「あぁ……フヒヒッ見事な衰弱死じゃないかははは……あ?」
カクランの気配に気がついたヤギは頭を傾けカクランを見た。
「やぁ、カクラン。何の用かなぁ? 新しい死体でも持って来たのかい?」
頭をそのままに体をカクランの方へ向けた。手にはメスが握られている。
「み、美来達は?」
「あ〜大丈夫だよ……フヒヒッみ〜んな解剖できなくて残念だ。ヒッヒヒヒッ」
カクランが顔をひきつらせて微笑むとヤギは一歩前へ出た。
「なぁに? まだ他に用が? あ、もしかしてこの場で新しい死体にでもなってくれるのかな? ンヒヒッ自殺だよ、自殺」
「な、何でもないです!! オレは何も見てない!!」
勢あまり壁に激突しながらその場を離れた。
「絶対、解剖中にヤギを見ない方がいいよ。ギャグ無しで本当、殺されるかと思った。本当に敵かと」
「それで、何で待ってたの?」
「心配でだってば。バム達は?」
「普通」
会話が途切れた。
しばらく歩くと美来から口を開いた。
「ねぇ、カクランはあの病気みたいな物について調べてたんでしょ?」
「えっ……何でそれを?」
「レゲインとか二組の人が何回か言ってた。カクランなら調べてるんじゃないかなって」
カクランは仕方なさそうに笑った。
「調べたよ」
「それって装置?」
美来を見て頷いた。
その装置を所有する者に関しては殆ど不明だった。
「想像源が関係してるかもしれないから美来は気をつけてね。そういえばディネは?」
「多分一回も話してないよ。どうしたのかは分かんないけど。あ、レゲインに聞いたんだけど、エリオスが居ないって」
「エリオスが?」
カクランは顎に手を当て考え込んだ。エリオスの生きそうな場所や居なくなった理由。全く想像がつかなかった。
「心当たりのある場所探してみるよ。明日にはディネが出てくるらしいから美来、代わりに様子見てくれるかな?」
「うん、いいよ。出てくる前に連絡入れてくれれば行くよ」
美来にありがとうと笑いかけエリオスを探しに向かった。美来は前を向きバムかレゲインと通話をしようとし携帯を取り出した。二人の連絡先にそれぞれ親指を添え、同時にタップした。
「ぎゃっ!?」
その途端に携帯が鳴ったため驚き草の上に落とした。
「も……誰?」
拾い上げ名前を見ると何故かルウブからだった。
「もしもし、どちら様ですか?」
『オレだよオレ』
「……すみません。私に孫や子供はいません」
『携帯の名前見てその反応なら容赦しねぇぞ、そんだけ想像源あれば重傷でも死なねぇだろ』
「ごめんなさい」
携帯の向こうから大きなため息と子供の騒ぐ声が聞こえた。しばらく沈黙が続きバタバタという音がした。
『オレの部屋だっつーのに。えっと、何だっけな……あぁ、お前、丸一日空いてる日あるか?』
「えっ? 今は予定管理してるバムが居ないから、バムが出てきてからになるけど」
『……分かった』
それだけ言い、一方的に通話を切られた。
美来は不思議に思いながらももう一度バムかレゲインに掛けようとした。するとまた携帯が鳴り落としかけた。
「もう! 何なの!?」
『は!? 何で俺怒鳴られてんの?』
「あ、ごめん、レゲイン」




