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殴った理由

「またおこられるぞ?」

「ゲレインの言う通りだよ、ナゲール何でカクランとかに言わなかったの?」

「俺そこまで言ってねーし」

薄暗い森の中を歩く。

「他の奴らが信用できるかよ怪我してるし」

「それってナーゲルがカクランに気を使ったって事だよね?」

ナーゲルは驚いたように美来を見る。

別に気にかけているわけではなく怪我をしていて頼りないと思っただけだった。それだけではない、上の学年のものだけでなく教師も皆んながカクランを避けているので話しかけずらかったのだ。

「人間みたいで嫌だけど、周りの空気に流されて話せないのかな」

ナーゲルは肩をすぼめて恥ずかしそうに言った。

「ばかみてぇだな……」

「レゲイン、君はティーアンなのに美来といて何とも思わないのか?」

「別に、何を思うんだよ?」

レゲインは意外と細かい事を気にしないのかもしれないな、そうナーゲルは思う。

だが、レゲインの本心は全く違った。


こいつらはただ俺がこの学校を卒業する為の班のメンバーに偶然なったやつだ別に誰でも……


「ねぇ、何か探してるんだよね? 当てもなく歩いても見つからないんじゃ?」

美来はシャンを捜していることを忘れてはいるが趣旨だけは理解しているようだ。

「美来ちゃん少しは空気読めるようになったね、やっぱり匂いを追えばいいんじゃないかな?」

「動物的だねバム」

「ってもよ、美来は無理だし俺も人よりで動物になっても大してかわんねーし誰が臭い追うんだよ?」

レゲインの指摘に確かにというようにバムとナーゲルが顔を合わせて確認する。

「ナーゲルならいけるでしょう?」

「俺は無理だって、動きが遅いんだ君たちも困るだろう?」

ナーゲルの話を聞いた美来とレゲインはバムをじっと見る。

「わ、私も無理!! 動物の姿ならいけるけどパンダの姿恥ずかしいよ」

同情の念を込めて美来、レゲイン、ナーゲルはバムの肩に手を置いた。

「カクランにすればいいのに!!」

バムは観念してパンダの姿になるが結構小ぶりのパンダだった。その場に座りナーゲルの方を向く。

「それで、シャンの匂いをどうやっておうの?」

ナーゲルは自分の手を差し出す。

「俺でいいんじゃない? よく抱きついてきたりするし今日だって」

「ううぅ……女の子になんて事させるの!」

バムはその手に鼻を近づけ匂いを確認した後ナーゲルを殴った。

「う〜ん、シャンの匂いを追う時点で男子の匂いを嗅ぐ覚悟するべきじゃ……」

「再起不能にはすんなよ〜それこそお荷物になるしな」

美来もレゲインも他人事のようにしている。


バムがたどった匂いの先は古ぼけた洋館に続いていた。

バムは洋館に着くとすぐに人の姿になりパンダのフードをピンでとめ直す。

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