噂の事件
美来「学校って指定指定って、こっちは耳が外気に触れてシャーベットになりそうなのに……」
レゲイン「大変そうだな。お前が覚えてるってよっぽど……」
バム「こっちに住めばいいよ、指定とか無いしさ」
美来「……お母さん置いて?」
バム「うん」
レゲイン「美来ってお母さんっ子なのか?」
美来「だって二人で住んでたんだもん。当たり前じゃんか」
レゲイン「今のバムの立場じゃねぇか」
バム「ん? 何が?」
美来「本編よろしくね!」
「笑い事じゃない。エリオスはぼくが戻る前に何処かに行ったみたいなんだ」
ディネの冷静な声を聞いてレゲインとバムは笑うのをやめた。
「その前にエリオス何か言ってなかったの? いきなり消えたりとかしないよね?」
美来が聞いた。
「幽霊だからね。霊力がもし尽きれば消えるらしいけど」
美来達が黙り込んだ時、森の方から悲鳴が聞こえてきた。女性のものだろう。
悲鳴がやむとレゲインは詰まらなさそうに地面に視線を戻した。ディネも興味無さそうにインコの首を撫でる。バムは単純な好奇心で森の奥を伺う。
普通なら気にして見に行くところだ。
「二人とも気にならないの? バムは異常だけどさ」
レゲインは後ろに手をつき足を伸ばし美来を見上げる。
「誰かしらねぇ奴を見に行って巻き込まれるより触れるな。だ」
「知ってる人だったら?」
「お前らここにいるし」
レゲインの知っている人は美来とバム、ディネ以外にもいる。
美来はディネはどうして動かないのかと視線を移すとディネは美来の方を向いて珍しく軽く微笑んだ。
「ぼくは気になるけど行きたくないから」
美来が俯くとレゲインが怠そうに立ち上がり、美来に何かを言おうとした。が、その前にバムが美来の手を掴んだ。
「美来ちゃん美来ちゃん! 気になるなら見に行こうよ」
「え。う、うん」
バムは美来の腕を引き森へ入って行った。
「あ、おい……」
レゲインは溜息をつく。
俺もつきあってやろうと思ったのに……何でバムの奴、遮るんだよ。
軽く拗ねていると、横にディネが立った。
「レゲイン、行くよね? ぼくも行くから」
「え、あぁ。行かねえんじゃなかったのか?」
「拗ねてた君に言われたくないよ」
「拗ねてねぇし!」
レゲインは肩にインコを乗せたディネの後をついて行く。
森の奥では茶髪の女子生徒が尻餅をつき呆然として、銀髪の黒い服を着た男子生徒がその場に立ち尽くしていた。服に付いたピンを見る限り、二人は一年の生徒らしい。
その視線の先にはミイラのような死体が横たわっている。
その雰囲気を物ともせずバムは珍しい形の死体に近寄る。追い付いたディネも死体に近寄った。
「美来? 大丈夫かよ?」
レゲインは、その場の状況を見て固まっていた美来の目の前で手を振る。
「ふぁっ! レゲイン、来ないのかと思った」
「お前らが行ったから来たんだよ。何があったんだ?」
男子生徒が正気に戻りレゲインの方を見る。
「……いきなりこうなって、呻き出したと思ったら息耐えた」
死体を突っつき死んでいるか確認していたバムが立ち上がった。
「あ、それって昨日美来ちゃんが見てたニュースのやつじゃない?」
「お前、人の知り合いの遺体をその人の前でよくそんな扱いするな。俺じゃなかったら殴ってるぞ」
ムッとしている男子生徒を見てもバムはニコニコしていた。レゲインは流石にまずいと思ったのかバムの襟を掴み引きずって死体から離した。
「あ……バムはちょっとネジが飛んでるから、許して」
「それは知ってる。限度があると思うんだけどな」
女子生徒が立ち上がり男子生徒の側による。
「い、一応、先生には連絡したけど、死んじゃったよね」
「呼んでも検死だけだろうな……」
「班員に欠員が出たらどうなるんだろ? 退学とか?」
「俺らは班員二人で続行だろ。他の班にバラバラで入る事も可能らしいけど」
死体を確認していたディネが戻って来る。
「男だった」
「どこまで確認したの!?」
「そういうの、下心があるか無いかでしょ。あんなシワシワの人見て下心なんて湧かなっ……」
美来は慌ててディネの口を両手で抑え、男子生徒の方を確認した。確実にディネを睨みつけている。
ディネは続きを言葉にしようと美来の手を払おうと頑張っていた。
「話すなら手を離さないよ!」
押し倒された結果、ディネは頷き手を離してもらった。
「美来、力強すぎ……」
「えっ? そうかな?」
起き上がり目を細めて美来を見た。
「なんで照れてるの」




