結婚相手は?
バム「先生ってこのコーナーの出現率高いよね」
ルウブ「オレに話して何の意味がある? もし、出現率を増やして欲しいからどうにかしろってんならそれ相応の対価を払えばやってやるぞ」
バム「対価って?」
ルウブ「討伐で生計立ててるから、金じゃね?」
バム「先生をどうするの?」
ルウブ「全治一ヶ月の怪我とか、魔物の巣窟送りとか」
バム「頼むのは無し?」
ルウブ「それは、オレの性に合わねぇし半殺しが一番なんだけどな」
バム「弟だよ? 妹とか弟ってお姉ちゃんに懐くものでしょ?」
ルウブ「……それ、幻想だぞ。性別が違えば特に幻想だぞ。歳上は寧ろなめられてんだよ」
バム「私の妹は抱きついて来るのに……」
ルウブ「同性じゃねぇかよ。あ、本編よろしくな」
お昼過ぎ、久しぶりに美来達はグループルームに集まっていた。
「ねぇ、ゲレインって親に提示された相手誰か知ってるの?」
「は? 何の話?」
レゲインは頬杖をつき本を見ながら興味がなさそうにバムに聞き返した。
「何って結婚相手」
レゲインは驚いて顔を上げた。
「は!?」
「えっ? レゲイン、十三で結婚するの?」
「いや、美来、昔の貴族とか知ってんだろ」
「勿論、それは……えっ!?」
美来が気がつき驚く。レゲインはそれを呆れ気味に見ていた。
「ゲレインもしかして、結婚相手どころかその事すら……」
「違えよ、忘れてたんだ。相手は知らねえけどよ。てかしねぇし!」
「年上かもね〜」
「は……あっそ、どうでもいいってんのにからかうなよ」
レゲインは少しイラついた様子で頬杖をつき直し、本に視線を戻した。
しばらく黙っていた美来が口を開いた。
「レゲイン……それ、ほっといたら危ないんじゃ?」
「は? 何でだよ?」
「お父さんが強制させようとしたんでしょ?」
「あ? あぁ、そうだけど」
「貴族間の結婚ってどっちかが上でしょ? 話がそこまで進んでるなら権力を持って何されるかとか」
レゲインとバムは目を見開いて美来を見て固まっていた。美来は何か的外れなことを言ってしまったのではないかと目をそらす。
「おい、やべぇぞ」
「何が? あー」
「は? バムの方がよく分かるだろ、美来の奴が頭使った事言ってやがる」
珍しく美来が頬を膨らませ机に手をつき立ち上がった。
「私の事馬鹿にしすぎだよ!」
二人はその勢いに少し驚いて身を引いていた。美来はムッとしたまま座った。
かと思うと唐突に立ち上がった。自分達の事に戻っていたレゲインとバムは顔を上げた。
「こ、これって……」
美来は携帯で見ていたニュースの記事を二人に見せた。
それは、突然、体が衰え運が悪いとそのまま死んでしまうという事件を取り上げたものだった。
それを見たレゲインは本に集中し直した。
「それ、最近話題になってるやつ」
「バムとかは……」
「ならないよ。だって私、今生きた年齢通りの身体年齢だもん」
美来が首をかしげるとレゲインが言う。
「そうなるのは、身体年齢が止まってるやつだけだ。だからバムは平気だし俺は三歳ぐらい戻るだけな」
「それって……」
「……まぁ、キツネとかは危ないだろうけど、原因も分かってねぇしどうしよもねぇだろ」
美来が再び腰を下ろすとバムが用事があると言ってグループルームから出て行った。
「美来、最近、予知夢とか見てねぇのか?」
「うん……見てたら覚えてるから」
「ならいいけど」
「あれ? レゲイン、もしかして心配してくれてるの? 前まで見捨てる主義だったのに」
レゲインは本からも目をそらし、「別に」と言った。
美来はいつも話しているバムが席を外した為、ただ座っていること以外やる事が無くなった。
しばらくレゲインの本のページをめくる音しかしない程静かな中座って居たが、何度かバムは何処か聞こうと口が動きかけた。
何もせずジッとしている美来に居心地の悪さを感じたレゲインはゲームや本を勧めてやらせた。
「ごめん、今日何か持ってくるの忘れてたみたいで……」
「いーんだよ。てか、やる事が無いなんて最近そうそう無かったろ」
「そうだっけ? えっと……部分的には夢で見たから覚えてるんだけど、教えて欲しいかな」
「教えても忘れるのにか? それとも覚えるまで教えろって?」
美来はレゲインが面倒と感じて聞いたのだと思い申し訳なさそうに俯いて断ろうとした。
「冗談だって、正直、俺も暇だったし話すって」
「ごめん……」
「話すから謝んなよ」
美来は顔を上げて少し申し訳なさそうに微笑んだ。レゲインはそれを見て黙り込んでしまったが、美来に聞かれ話しを始めた。




