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男の娘

レゲイン「お前らの初恋って?」


バム「初恋って何?」


美来「そこから? レゲインなんでいきなりそんな事を」


レゲイン「此間、狐にからかわれたから気になっただけ」


美来「覚えてないから、多分、記憶飛んでる時にあったか、一度もないよ」


バム「初恋ね。生まれて四年目ぐらいかな? まだ進行中だよ」


美来「バムって好きな人居たんだ」


レゲイン「意外だよな。そういう事疎そうなのに」


バム「そう?」


美来「うん。そう言うレゲインは?」


レゲイン「……無いかな」

美来はキャロットに誘われキャロットのグループルームに向かっていた。

「えっと、君は……七班ね。あたし達は五班だから大して変わらないよね〜」

まっすぐ立って歩く美来とは対照的にキャロットは少しクネっとしている。

「キャロットは……性別どっちが正解なの?」

「お・ん・な・の・こ。だよ? 試しに胸触ってみる?」

萌え袖にした手を楽しそうに振る。美来は苦笑いでやんわり断った。

「でもね、残念な事に女風呂には入らないのよぅ……」

「あの、言いにくいけど。さっき足あげた時、し、下着見えてた」

美来が顔を赤らめてそう言うとビクッとしたキャロットはそのまま黙り込んでしまった。

「上に何も履かないの?」

「は、は……履き忘れ……あぅ……。あたし、校内であんな事になるなんて思わなかったのょ〜」

口元に手をあて涙目になってしまう。

美来はその様子を見て少なからず可愛いと思ってしまった。そして目の前にいるのが男子だと確信している。

肝の小さい男の子だ……。

キャロットの案内で入り口に暗幕のかかったグループルームに入る。美来はルネンを訪ねてきたグループルームに戻ってきたことは分からない。

中も真っ暗で窓際に置かれたフラスコなどを熱する火がぼんやりと明るい。電気がつくと部屋の左側は薬品が大量に置かれており、右側は机が固めてあり台所らしきものも設置され自分達のグループルームより広いことが分かる。

「無許可で広くしちゃったから秘密ね」

入口と窓に暗幕をかけている理由に納得する。

美来はキャロットに座るよう促され目の前にあった椅子に腰掛ける。キャロットは紅茶と何故かイチゴを出し椅子に座る。

「キャロットは人間とか、嫌いなの?」

美来が聞くと食べていたイチゴのヘタを置き机を見て答えた。

「周りと同じように差別してるだけだよ? でもでも、この学校にいる間は同じ国民的仲間意識はあるから、そんな事しないから安心してねぇ〜」

「国民的仲間意識って?」

「同じ国出身の人が他国に殺されたりすると怒るでしょ? そんな感じだよ〜?」



レゲインはシャワーを浴びた後、部屋で荷物を片付けていた。新たに家から持ち出した本を数冊抱え本棚を見上げる。

「……高い」

しまいたい場所は遥か頭上、到底レゲインの身長では届かない。するといつもは聞こえないはずの爆発音が廊下から聞こえた。

レゲインは驚き慌てて本を自分の身長より高い台に乗せ扉に近寄り耳を当てる。

外からは男女の驚きの声と簡単に術を解けると言う言葉が聞こえた。

これはヤベェ。魔石!

引き出しを漁り紫の石と植物の蔓を取り出しドアノブに蔓で石を縛り付けた。ベットの上に上がりハサミで壁紙を破る。その下にはレゲインが邪魔だと塞いでおいた窓があった。

数歳戻ってしまった事もあり、蝙蝠としての体の大きさも変わり飛びにくいのではないかという不安があった。だが窓を開け思い切って飛び降り、蝙蝠へと姿を変えた。

「くそっ……」

できるだけ離れた場所に降り持ってきた黒い袋を確認する。走り出した瞬間人とぶつかり尻餅をついた。

「君、大丈夫?」

顔を上げるとナーゲルだ。レゲインだと言うことに気がついていない様だ。レゲインは立ち上がり服を払う。

「お前、……美来かバム見てねぇか!?」

「見てないな、こっちはシャンを探してるから。君は何か用があるの?」

「レゲインだってんの! 二人以外に俺の居場所聞かれたら教えるなよ!」

役に立たないと察したレゲインは美来かバムを捜しに走っていった。

「レゲイン……!? え?」

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