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風邪

美来「ゲームとかでさ、露出度の高い鎧あるよね」


レゲイン「ビキニアーマーとか言うやつか?」


美来「あり?」


レゲイン「マジで着てるやつ居て、話しかけられたらこう言うな。“お前、死にてぇのか?”」


美来「でも、魔法の防御的なの付いてるんだよね?」


レゲイン「現実では布がある部分だけな。ゲームだからこそ出来る装備だろ? アレ、吹き飛ばされたら擦り傷だらけになるぞ」


美来「でも、レゲインは着ないよね」


レゲイン「ビキニって女物だろ。んなことより、本編よろしくな」


美来「よろしくお願いします」

診察室では診察を終えたカクランが腕を抱え震え、マスクの下でくしゃみをしながら立っていた。レゲインとバムはそれを呆れた目で見る。

「カクランとかも風邪ってひくんだね」

「殆ど人間だからね。クシュッ! な、夏とか冬にひく風邪って特にキツイ……所でその子誰?」

レゲインは見下ろしてくる美来と目を合わせる。美来がレゲインだと教えるが反応が薄い。

「へ、子供に戻る薬でも飲まされた?」

「青年の見た目で中身仙人の奴に言われたくねぇよ」

「せ、仙人は……クシュンッ! 風邪なんてひかないだろ」

「何で風邪引いてんだ?」

レゲインが聞くがカクランはくしゃみの発作に見舞われ噎せ始める。

「ケホッこ、凍った湖に酔ってる時にぶち込まれたみたいで、朝起きたら校内で灼熱の太陽の下寝てたんだよ。おかげで、日焼けしてヒリヒリ……」

もう一度咳とくしゃみの発作に襲われている中、奥からヤギが戻ってきた。カクランの手に無理やり紙袋を持たせる。

「日焼けしてるならいいなよ〜これ、風邪薬と日焼けした所に塗る薬ね。さっさと帰って休んでて」

「日焼け直してくれないのか?」

「ハハハ、残念だなぁ〜私は火傷治療は苦手でね。皮膚まで直すと斑点になってねぇ〜それでも直して欲しいかい? 勿論日焼けも例外じゃない」

カクランはマスクの下で口を閉じ頭を左右に振った。ヤギはニッコリしたまま診察室の椅子に座る。しばらくして黙って突っ立ったまま出ていかない美来、バム、レゲイン、カクランの方を向き直す。

「……あ〜君ら出ていかないのか〜い?」

カクランも含め四人は互いの顔を見合う。レゲインはバムの足を軽く蹴りつけた。バムはムッとした様子でレゲインを見下ろすとレゲインは写真の入っているポケットを見る。その合図に気が付いたバムは写真を取り出し紙の束を元に戻した。

「それは?」

「薬の実験資料らしいけど」

ヤギは資料の束を受けたり二枚の紙にざっと目を通す。

「それで? 私にこれを調合して欲しいのかい? 対戦などで使う物には手を出さないのだがねぇ〜」

レゲインが二、三歩前に出る。

「んなわけあるか、ドーピングして勝ちたくねぇし下手したら副作用で……って戦闘関係じゃねーんだ。俺をこうした薬見つけて元に戻すやつ作ってくれねぇか?」

ヤギはしばらくレゲインを見ていたが突然笑い出した。

「ま、まさか、君、父親にふふふっやられたのか? いつも無愛想だったから可愛げが出ていいじゃないかぁ〜。あ〜れ? 君って昔黒髪のそんな顔した子だったか?」

「だから問題なんだっつってんの! 全て戻せ」

「本当に全て戻していいの〜?」

「は? どーゆう意味だ?」

ヤギは面白そうな笑っただけで答えなかった。そのまま一枚一枚紙を見る。最後まで見終わると紙を束ね直しレゲインに渡した。

「私は治療の専門で薬剤の調合には詳しくないんだ。これはこれは、薬剤師雇わないと大変だ、考えておかなきゃなぁ〜。私にはこれなんて書いてあるか分からないしね」

レゲインは束を受け取るとそれを見つめ黙り込む。

「ケホッ。レゲイン……調合できる子なら同じクラスにいるよ」

カクランは鼻声のうえ、喉の調子が悪いのか辛そうな声になっている。

「そ、その子なら、その紙読めるんじゃないかな?」

レゲインはそれを聞きバムと美来を見上げる。二人は黙って頷いた。

「カクラン!! 風邪をひいているんだからさぁ〜早く戻りなよ。酒飲むんじゃないよ〜?」

突然怒鳴るように呼ばれカクランは小さく飛び跳ねた。二、三度頷き美来達に外に出るよう促した。

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