狗鷲兄弟の家
バム「先生ってよくナンパしてるけど成功してるのかな? ゲレインもそういうことするの?」
レゲイン「やるかよ! 知らね。……あ、前に路地裏でキスしてんの見たぞ」
バム「レゲイン、子供にはまだ早いよ」
レゲイン「マジ顔で言うなよ。つーか、お前も子供だろーが」
バム「三年も離れてるからね! ゲレインは中学、私は高校だよ!」
レゲイン「俺、十五か十六だし!」
バム「身体的にでしょ? 中身ガキじゃん!」
レゲイン「何か悪いかよ!? 俺男だし? 少しはそう言うの興味あるんだよ! 悪りぃか!? ナンパはやらねーけどな! お前だって気になるやつぐらい居るだろ?」
バム「だから何? 中学生が色恋沙汰に身を浸さないほ……」
美来「……二人共醜い争いはやめてよ。レゲイン声大きいやめて。んうぅぅ……皆さん本編に移ってください!!」
それを聞いた狗鷲弟はお盆を持ったまま腕を組む。
「さっさと出てってくれないか? 知り合いがいると仕事やりづらいんだよな」
「副業ってやつ?」
「違う。家の手伝い。君らは?」
バムが聞くとまともに答えてくれるようだった。
「ゲレインのことでちょっと情報仕入れにだよ、お兄さんどうしちゃったの?」
バムは弟の陰から覗き込むように狗鷲兄を見る。カップを片手に顔を赤くして客と楽しそうに話している。
「何かあるなら兄さんに聞くといいよ。頭のネジ一つ足りないせいで水と間違えて酒煽ったりするけど、記憶力は確かだから」
レゲインは狗鷲弟の散々な言い草に鼻で笑う。そんなレゲインに狗鷲弟は目を細め言った。
「随分と幼い身体年齢だな」
「こうなりたくてなったわけじゃねーよ」
「それは、君に限ったことじゃないだろ?」
「そういう意味じゃねぇ」
その言葉に狗鷲弟は首をかしげる。レゲインは自分だと気がつかれていないことに気がついた。
バムは陽気に話す狗鷲兄に話しかける。
「あの、この酒場で執事的な人と誰かが薬を取引したりしてなかった?」
「えー? 執事的な人? あぁ、はははっ殴り合いしてた人だぁ〜あはは、あれ? その顔バムじゃん」
話しかけてきて人物を認識する速度から相当酔っているのが分かる。
「薬取引する奴なんてあの薬剤師ぐらいだってあははは、最近見ないから死んだって思うけどなぁ〜確か森焼き払った草原に家があったんだっけ?」
狗鷲兄はバムの後ろにいる狗鷲弟に確認をとる。弟は頷いた。
「焼けの原だって、あ、これ地名ね。聞きたいことは聞いたんだろ? 焼けの原に住む薬剤師なんて一人だからすぐ見つかる。さっさと出てって」
外に出る前にレゲインは開いた扉に手をかけ狗鷲弟を見る。
「最後まで俺がレゲインって気がつかねぇってどうよ?」
狗鷲弟が目を見開いて驚いたのを確認するとレゲインはピョンピョンと外の階段を下りバムと美来に追いつく。
「レゲイン? 遊ぶのやめなよ。見た目変わると性格も変わるの?」
「んなわけあるか」
「一、ニ、三、僕合わせて四人か……」
カクランは洞窟前でブラザードラゴンのメンバーの男数名と集まっていた。愛想が良くリーダーの弟であることもありそれなりに仲が良いのだ。
「一人足らないのか。もう一人どうする?」
ドラゴンの一人が他の二人に確認する。
「あ、リーダー!」
「は? 無理に……」
「そうじゃなくて、リーダー見てます」
その一人が指をさした方を振り返るとルウブが入口の岩陰からこちらを伺っていた。それがバレたのが分かったのかこちらに向かってくる。
「カク、付き合うことどころか結婚すら考えてねぇ奴が出会い求めるってどうなんだ? しかも全員お前の知り合いだろ?」
「僕は別に、他の三人はその気なんだから良いだろ?」
ルウブは呆れたように首を軽く振ると組んでいた腕を下ろした。
「オレも行く」
その場にいた全員がキョトンとする。しばらくの沈黙の後カクランが口を開いた。
「ル、ルウブ? 今なんて言った?」
「合コンだろ? オレも行く、文句でもあんのか?」
ほらかの三人がそれを聞いてすすり泣きをする。カクランは腕を組み異様な物を見る目で三人を見た。
「ルウブ、皆んなにどういう類の心配をかけてたの……まぁ、来てもらっても良いけど、酒飲むなよ?」
「飲み過ぎんじゃねーぞ」
ルウブはカクランを睨み付けた。カクランは肩を落とした。
「ルウブ、女の子睨んだりしないでね」
カクランはモーレン国にある店まで連れて行く。




