表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
170/223

恥ずかしい勘違い

カクラン「美来、僕の名前の由来前話すって言ってたっけ?」


美来「……あ。私に確認するってカクランも忘れっぽいの?」


カクラン「ごめん。忘れてた」


美来「それで、名前の由来は? 特に興味ないけど聞くよ?」


カクラン「……氷のイメージカラーが青で青はブルーだから文字を入れ替えてルウブってなったんだよ」


美来「何でルウブの名前の由来なの?」


カクラン「興味なさそうだったから。教えたい人って思われたくなかったんだよ! いいだろ!」


美来「見苦しいから本編に移ってあげて」


カクラン「いつも以上に冷たいね」

ヴェルト大陸に来た美来達は入国審査の列に並んでいた。

「この学生証でいいらしいけどさ、ゲレイン通れるの? 写真とか違う……」

美来とバムは間にいるであろうレゲインを見下ろした。だが、そこには子供の姿などなかった。

「……バム、レゲインは?」

「私、置いてったりしてないよ?」

後ろを見るとレゲインが床に這いつくばって人混みに挟まれ必死に美来達の方に行こうと手を伸ばしていた。

レゲインを列から助け出したがもう一度並ぶことになってしまった。

「なぁ、何で俺、子供みたいに……」

「黙って。私だってゲレインと手繋ぎたくない」

レゲインはじゃあ繋ぐなよと思いながらバムを睨むように見上げとバムに離れるなと睨み返されてしまった。

入国するとどの建物よりも巨大な木が遠くに見えた。

「あの木って?」

「巨大樹だよ、島の端の方にあるんだけどね。大きいでしょ」

美来はすぐ目先で聳え立っているように見える木を見上げ頷いた。視線ををバムに移すと尋ねる。

「何しに来たんだっけ?」

バムは答えろというようにレゲインを見る。

「俺が飲まされた薬作った奴探しに来たんだよ。執事の奴が薬受け取ったのは都市外れの村つってたな」

「ケイヴ帝国と繋がりがある人ね。オーケー? 美来ちゃん。忘れたら教えるから聞いてね」

美来が頷くと都市から出るための馬車を探しに歩き始める。しばらく歩くとバムとレゲインは目を離した隙に消えた美来を捜すため周りを見渡す。

「なぁ、美来は……」

「あっ、後ろの方で扉見てるよ。あれ」

後ろを見ると他世界との交易用の広場で美来が異空間と繋がった扉を見ていた。二人が近寄ると美来が目を輝かせて振り返る。

「ねぇ、異世界らしい人が居る! 犬耳生えてる!」

一人はしゃぐ美来を二人は冷めた目で見る。

「俺らも異世界人なのにな。人間扱いか」

「動物に変わる人間は異世界っぽくないのかな……? 獣人は動物にならないのに」

「…………」

「なに?」

無言でレゲインは視線を戻す。

「犬耳!!」

美来が目の前を通る人を指差して言った。そのケモ耳の生えた人は足を止めた。

「……猫なんですけど」

よく見ると猫の尻尾が揺れていた。

その一言を聞いた美来は疲れたように息を吐きバムとレゲインの元に戻ってくる。

「行こ。どこ行くんだっけ?」

「お前、狐の耳も犬と勘違いしてたりしねぇか?」

「しないよ、だって耳の先白くなってるじゃん」

「あいつはな」

馬車を見つけ都市外れの村に着き、執事が薬を受け取った店の前に来ていた。古ぼけた酒場のようだ。どう見ても未成年の入っていい場所ではない。

「ゲームみたいだね。入って捕まったりしない?」

バムは腰に手を当て得意げに答える。

「勿論、下手したら補導されるね。だって私もゲレインも美来ちゃんも二十年も生きてないからね」

「捕まらねぇよ、察どころか見回りの兵すらいなさそうだし」

そう言うとレゲインはジャンプをし自分より高い位置にあるドアノブに掴まり壁を蹴り扉を開けた。中に篭っていたビールやワインなどのアルコール臭がむっと香ってきた。

中に入ると一層臭いがきつくなり美来とバムは顔をしかめた。

「あんまり顔に出すと酔っ払いに突っ掛かれるぞ」

呆れたようにレゲインが言うが、声が口だけで息をしているときの声のうえ、その言葉自体聞こえていればタダでは済まない。

すると奥から聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「あははは、来ないんだから殺されたっしょ」

「兄さん、あんまり店の酒飲むと怒られるだけじゃ済まないって何回言えば分かるの。それに、まだ飲んじゃダメって……」

酔っていつも以上に騒いでいる兄に店の服を着て注意をしている弟が美来達に気がつき振り向く。

「あ、狗鷲兄弟」

「魔女と人間の愉快な仲間たち」

狗鷲弟は変なチーム名で呼ぶと美来達に近寄る。

「未成年が酒場に何の用? 都市の方に通報してもいいんだけどな」

上から目線の弟をレゲインが睨み付ける。だが、レゲインだと気がつかれていない。美来が珍しく口を開いた。

「通報したら、お兄さんの方も危ないんだよね?」

「は?」

「さっき言ってたじゃん、まだ飲んじゃダメって、未成年……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ