巨大樹の大陸
バム「だいぶ休んでたね」
カクラン「休んでたってよりやめてただよ。今現在の僕らに物語が追いついたんだね……」
バム「ストックが無くなったんだしょ?」
カクラン「みんなに見られている事を前提としたこの世界でタブーなメタ発言を発見できた気がする」
バム「プハンタシアワールド1071、異空次元警備学校。これまでの物語は」
カクラン「……やめようか、長くなるから。僕たち的に何処からみんなに見られてるかわからないから」
バム「冒険の書を一度消せばわかるよ!」
カクラン「メニュー開けば書いてあるゲームあるからね!? あれ読まないんだよなぁ、面倒くて。あ、本編よろしくな」
突然瞼ので閉ざされた瞳に眩しい朝日が当たり目を細めながら瞼を開けた。だが直ぐに隣で寝ていた寝相の悪いバムの手で目を塞がれ床に落とされそうになる。
「あぁぁああ! 落ちるっつーの!」
その声に反応したのはバムの隣で寝ていた美来だった。美来が起き上がった反動でレゲインは床に投げ出された。そこでようやくバムが目を覚ましベットの下を確認する。
「ゲレイン何してんの?」
「お前に落とされたんだ。これだけ広いベットで何でこっちに寄ってくんだよ! 来るなっつったろ」
「美来ちゃんに抱きついたら殴られたんだよ、真ん中に行ったはずなんだけどね」
レゲインは立ち上がり服を払う。
「バム、レゲイン、此処どこ?」
「俺の家」
「あぁ、うん。宿とかじゃないんだ……あれ? レゲイン?」
レゲインの姿について、昨晩の出来事についてバムとレゲインは美来に説明し直した。
カーテンを開けて出て行ったはずの執事は朝食を持って戻ってきた。
「でもさ、そういう薬って時間制限があって試行錯誤する必要なんてありませんでした。が定番だよね?」
「何で、美来ちゃんそういう事頭に入ってるかなぁ〜」
「久々の口癖だな……バム」
レゲインとバムは軽い言い争いを始める。美来は無言で皿の上のレーズンを無心で端に避けている。
「朝から甘い物って気持ち悪くならないの?」
美来の問いに二人は顔を上げるが何も言わず食べる。しばらくの沈黙の後、レゲインが口を開いた。
「正直、くどい。チーズケーキとかなら平気なんだけどな」
「え? それもまだくどいよ、コロコロしたチーズが入ったパンならいけるよ? レーズンは魔女の要素抜けたのにまだケーキ食べるの?」
「間違えるのメレンゲまでにしろ。レーズンはねぇだろ」
執事は空になった美来のコップに水を注ぎ直す。昨晩とは一変して暗い顔をしているのがよく分かった。
「あの、どうしたんですか?」
執事は美来を見たが何も言わない。その様子を見ていたレゲインは食べられる量を超えて入らなくなったパンケーキを何とか飲みこむと言った。
「お前って、脅されたとしても独断行動なんてしねぇだろ? 何で……」
「おや、レゲイン様は案外その辺も観察していらっしゃったのですか?」
執事のレゲインの呼び方が変わっている。レゲインは不審そうに執事を見た。
「こうなる前に気がつかなかった私が悪いのです。旦那様は領地の民の半数を売ったんですよ」
「消えた中に家族でもいたの?」
執事の顔つきが険しくなった図星をついたようだ。レゲインは美来を冷めた目で見る。
俺らがさっき教えた情報だろうが。
「その薬の代償です。かといって旦那様を恨んではいません。レゲイン様が出て行ってから様子がおかしかったので、今は冷静な方につくべきだという考えもありまして」
「って事は、俺にその薬の事教えてくれるんだな? んじゃあ俺の前に膝まづいて……ぶっ!?」
完全に調子に乗りかけたレゲインを執事が可哀想に思えた美来の合図によりバムが蹴り飛ばした。
レゲインは床に転がり蹴られた脇腹をさする。
「何すんだよ!?」
「美来ちゃんがやれって」
「その人が、可哀想だったから……やめてあげて」
レゲインは椅子によじ登り直す。
「んで、薬の話は?」
執事は何事もなかったかのように答える。
「聞いての通り、薬は頼んで作ってもらっだのでして頼んだ方の居場所は詳しく知らないのです。大まかな場所でしたら、巨大樹の危険区域がある大陸でしょうか」
レゲインはバムの方を見る。バムはいきなり見つめられたのでパンケーキの切れ端を咥えたままキョトンとする。レゲインはバムが話し出すのを待っていた。
「ゲレイン? どうしたの?」
「大陸ってどこ?」
「え? 何の?」
「巨大樹のある」
パンケーキを呑み込むと口を開いた。
「一番小さいヴェルト大陸だよ」




