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尾行

カクラン「○ーゲンダッツのパンプキン味って美味しいよね」


ルウブ「……」


カクラン「ね?」


ルウブ「美味いけどだからなんだ?」


カクラン「会話続かせようって。終わっただろ?」


ルウブ「かき氷って美味いよな?」


カクラン「……うん。」


ルウブ「もう話さねぇ方がいい」


カクラン「うん……」


ルウブ「本編も読めよ?」


カクラン「うん……」

カクランはいつもの服装で来たせいか少し寒気を感じていた。

「クシュンッ! さすがにこれは無い」

雪の積もった樹林の間に誰もいない事を確認すると狐の姿に変わり身体を振るう。外れかけたクロスのペンダントを前脚で戻す。

マールス鉄だからこれだけ消えないのか。毛皮で暖かいからこっちの方がいーな。

近くの茂みで雪を踏む音が聞こえ、カクランは足を止め耳をすます。音の方へ忍び寄り自分を付けていた誰かに影から飛びかかり押し倒した。人の姿になるとその相手を確認する。

「やめてください!! 私、お、襲いかかろうとなんて」

腕で顔をガードしながらシュウィが必死に逃れようともがいていた。カクランはシュウィの上から退くと慌てて逃げ出そうとするシュウィの腕を掴み止めた。

「待ってって、僕も別に話を聞かずに殺そうだなんてしてないから」

「そ、それって話聞いた後に殺すってことじゃないですか」

「それはーーまぁ、話聞いてから決めることだし?」

カクランが手を離すと、手首を摩り怯えた様子を見せる。

「あ、あの、ブラザードラゴンのリーダーの様子は、ど、どうですか?」

「どうって……」

カクランはここに運ばれてからルウブの様子を見には行っていなかった。だが、最後に見た様子からして衰弱してきているのは確かだった。

「その様子だとあまり良くないみたいですね。まぁ、リーダーの方には勝ち目が全くないのですが」

「どういう意味かな?」

「あ、あの方が倒す為に相手の魂を喰らうことなんて出来ますか? メランはただの魂です、殺すことなんて出来ません。いくら戦ってもです、例え喰らったとしても二つ以上の魂を取り込んで何もしてない人が無事でいられるでしょうか?」

メランを倒すには魂自体を喰らうしかない。ルウブがそんな事をするはずがなかった、倒し方的にメランと同じ事をやっているからでもある。

「んーそれで? 君は僕に何か交渉的なのを持ち掛けようとしてるわけだ」

「ぃ、いえ、お、恩返しというものです。ついでですけど。帝国的にも鉄の持ち主が変わることは困るんです、そこでメランの魂を追い出す事なら私にも出来ます」

「へぇ、後ろめたそうな顔してるけど? 何かあるんでしょ?」

シュウィは目を右往左往させ何とか口を開く。

「け、契約というのは、こちらに有利にする為にあるものですが、それによって出来ることが増えるんです」

「早い話が契約しないと助けられませんって事だろ?」

「はい、い、いくら何でも出来ませんよね?」

「そうだな、よっぽどイカれた奴しかやらないだろうね。じゃあ時間とキスさせてくれたら構わないよ?」

シュウィはそれを聞きキョトンとした。

「時間とキスなんてどうするんですか?」

カクランは言葉がまともに通じなかったことに赤面し木の方を向き額を木の幹に当てる。

こんな失態かつて無かった!

「言い直していいかな?」

シュウィが頷くのを確認するとカクランは向き直し咳払いをすると微笑む。

「僕に時間くれて、キスさせてくれたら構わないよ?」

内気な少女感が漂っていたシュウィの表情が一変した。

「はぁ? あなた馬鹿ですか? 軽々と乙女が誰かとキスなんてするはずないじゃないですか、処刑ものですよ? 死にたいですか? 時間はあげますよ、早くどっか行くといいです」

「嫌なの? 契約しないよ?」

「しないと死にますよ? あの方」

カクランが去った後、シュウィは顔を赤くして冷たい雪の上でうずくまっていた。

「さ、最低ですよ、訴えられないからって!」

軽く口付けをし呆然とするシュウィに軽く手を振って去って行くカクランが脳裏に浮かぶ。

「許すまじです」


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