アマルフィ王国
バムはアマルフィ王国にナーゲル達と来ていた。
「因縁の相手がいる場所に来たね。うん、これは使える……」
エリスンはメモとペンを取り出し覚書をする。
「ねぇナーゲル、何で写真なんて撮ったの?」
「エリスンがネタに使えるって写真撮りまくってたんだよ。仕事してくれないし、シャンの方がマシだよ全く」
ナーゲルに同だとディールスが頷く。エリスンは突然足を止めると三人の目の前に駆け寄った。
「それより、ディネの友達の幽霊君は呼ばなくてよかったのかな?」
「エリオスは外出中だったから、それと、ここの王に恨み持つのは私じゃ無いよ? 嫌いだけど」
「友達と思ってくれてるかも怪しい奴の事を心配するんだね」
「違うよ! 私は美来ちゃんが悲しむから心配してるだけだって」
バムは頬を膨らませそっぽを向いてしまった。更に余計な事を言いだそうとしたエリスンをナーゲルが腕を掴み後ろに引かせた。
「どこで撮ったのこれ」
「さっき通り過ぎた。こっち進行方向」
写真と見比べるがそのや日ほど人通りは多く無い。ちらほらと歩いている人が数人いる程度で同じ道には見えないほどだ。
「あぁ、その日はお祭りがあったんだよ。あの賑わいはまさに……ん!?」
エリスンが例えを口にする前にディールスが手で鼻ごと口を塞いだ。
「ねぇ、エリスンってよくあの班に残ってるよね。ソテー達嫌がりそうなのに」
「強いんじゃないか? こっちの班で仕事してくれないから戦ってるところは見た事無いから分からないけど」
「え、エリオスって正式にこっちの班にいるの?」
エリスンは息ができずもがいて何とかディールスから離れるとバムとナーゲルの間に割り込んだ。
「エリスンだからね!? それに仮でこの班にいるんだ、あそこまでサボらせてくれる班はソテ達のところしかないんだから」
「サボってるんだね、よく報酬受け取れるね」
「君達のように弱い主人公の班長に従ってるわけじゃないんだ。お、ライバム的な立場のセリフだこれ……」
アイデアが浮かび嬉しそうにするエリスンに牙をむき出しにしてバムが飛びかかろうとしていた。ディールスとナーゲルは慌ててバムを押さえる。
「落ちっけって! 仮とはいえ今はこっちの班員だから、ノックダウンさせたら許さないぞ」
「不本意、ナーゲルが言うから仕方ない」
バムが落ち着くまで一時間ほどかかった。押さえつけていた二人はこんな猛獣を美来とレゲインがよく制御をしているなと感心する羽目になった。
バム、ナーゲル、ディールスは疲れてそばの教会の入り口へ続く階段に腰掛けていた。エリスンは楽しそうに腕を広げ空を見上げている。
「あぁ、まさに黒魔法的な悪魔召喚の前じゃないか」
ナーゲルはエリスンに石を投げつけた。
「やめろ、厨二病」
「厨二病じゃない! こういう黒龍が出そうな雲が好きなだけなんだよ!」
「あぁ、そう。雷雲だけど」
空は今にも雷雨になりそうな分厚い黒い雲が覆っていた。
「あの、そこどいてくれる?」
その声に後ろを振り向くと教会の入り口の前にシスターの格好をし目に生気のない女の子が立っていた。
「シスターだ。ミニスカじゃないの? もっと胸開いた服じゃないんだ?」
バムは興味津々にシスターを見回した。
「何? 神に仕えるって言ってるのにそんな卑猥な服着れるはずないじゃない。貴方、この世界の人でしょ」
「そうだけど、初めて見たから。何しに行くの?」
「地下墓地がこじ開けられたから、点検に。中に残ってる人が居ないか確認しないと」
そう言いシスターは道の反対側の茂みに入っていった。
「地下墓地? 一度拝見してみたい!」
「エリスン、入院したいのか?」
「に、入院って君達、何する気なんだ?」
「半殺し。勝手な行動をするなって言ってるんだよ、身内でもない君に手加減できるほどこっちはお人好しじゃない」
ナーゲルが本気で睨みつけていた。だが冷や汗をかいたエリスンはシスターの後を追っていくバムを指差した。
「あっちは問題外。追跡」
「そうだな……エリスン。地下墓地行くぞ」
エリスンは嬉しそうに先に走って行ってしまった。




