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予知夢

「そういやあ、何でさっき俺を助けに入ったんだ?」

「さっき?」

レゲインの問いかけにキョトンとしているところを見ると美来はもう忘れてしまっているようだった。

「出口探すんでしょ?」

「そりゃあ探さねーと……」

「どうしたの?」

不意にレゲインは黙り込み天井を見上げた。

「早くこっから出るぞ」

レゲインが出入り口の方へ向かおうとすると美来が止めた。

「あ、レゲイン、そっちは人が」

「え?」

足を止めた瞬間数名の足音が響いて聞こえ看守の服を着た数名が銃を構え流れ込んできた。そして美来達に警告する様に言う。

「その場に伏せろ!」

美来は咄嗟に頭を抱え床に這いつくばった。

「おい、みらっうおっ!?」

立っているレゲインのズボンの裾を思いっきり引っ張り転倒させた。レゲインが身を起こした瞬間血しぶきが二人にかかった。

「なっ……」

レゲインは看守達の頭が飛ぶ瞬間を見たまま目を見開いていた。看守達は膝から崩れ落ちる、その後ろにはあの大男が鉄棒を持ち立っていた。

「レゲイン! ストップ!!」

レゲインはまだ次の行動すら浮かんでいないというのに行動を止められただ美来を見るしかなかった。

「美来、こいつの事まで忘れたとか言うなよ」

「忘れてないよ、だから殺しちゃダメって止めたの」

「俺がいつこいつを殺そうとした?」

「……そ、それは。夢の中で? あ、レゲインさっきので死んでたんだ」

レゲインはそれを聞いて青ざめた。さっきの看守の死に様がフラッシュバックし、自分もああなりかけたのだと理解する。

「俺はティーアンが嫌いなんだけどなあ、何でお前は生き残ったんだ?」

大男がレゲインにゆっくり近づくのを見た美来は慌てて間に入る。

「みら……っ」

「やめて!」

レゲインは驚いた様子で美来を見る。

「嬢ちゃん、人間だから見逃したんだぞぅ? そこをどきなよ、それとも庇う理由でも言ったらどうだい?」

「え、えと、れ、レゲインは人間の差別とかしないから!」

美来はあまりの緊張に息をすることを忘れる。大男は美来の目をじっと見ると踵を返し去っていった。すると美来は息を吐きながら座り込んだ。

「助かったぁ〜」

「美来、お前なんで……まさか予知夢か?」

「うん……多分」

「じゃあこの先も見たのか? あ、俺はさっきので死んだのか」

美来は助かったのが嬉しいのか笑いながら頷いた。その笑顔にレゲインは呆れ気味の顔をする。

こいつ、段々この世界に慣れてんな。

「死体の前で笑顔作んなよ不気味」

「……うん。予知夢ね、ここまでだからこの先は分かんないよ」

死体の前だということを指摘した途端、美来の表情が曇った。夢で何度も見ているのか普通に生首などを直視しているが罪悪感が写った目をしている。

「ここまでか。早くここから出るぞ、魔女が来てる」

「えっ」



プレディはある魔女にナイフを渡す。

「これは自分じゃ敵わないと思ったときに使え、ただし逃げるようなことがあればお前の体は吹き飛ぶからな」

「ええ、分かってるわ」

「次失敗したら命がないってこともか? 他の魔女は君の死刑に同意してるからな」

魔女はプレディに微笑むとナイフをしまい白い手袋をつけ直した。

「魔女擬きの捕獲はまた別だ、実験体の確保を優先させろ。魔女擬きは殺しても構わない」

プレディに頷き階段を降りていった。プレディはヘルメットのズレを直しその場にある椅子に座った。床に飛び散った肉片の潰れる音が小さく聞こえる。

血生臭い、警官は役立たずになったな。


「美来、早くしろ! 魔女の気配が近づいて来てんだよ!」

「そ、そんなこと言われてもっハァッハァッハァッ……わ、私、もう走れない」

レゲインは限界が来て足を止めた美来の腕を掴み無理矢理でも走らせる。

「俺も限界だってんの!」

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