同室
美来が気にせず貸し出された部屋のベットに座る中バムとレゲインは扉の前で困惑していた。
「美来ちゃん気にしないのかな」
「マジねぇわ。何で同じ部屋なんだよ」
二人は目を合わせ凄く嫌そうな顔をした。そんな二人にベットに飛び跳ねるように座っている美来が聞く。
「ねーねー何処がいい?」
「お前、楽しそーだな。俺、端っこ」
「私も端。美来ちゃん、忘れるのに聞くの?」
美来は何で? というようにバムを見た。それぞれ自分のベットに腰掛ける。
「着替える時どーすんだよ?」
「ん? 何言ってるの? 脱衣所あるじゃん」
「お前意外とまともな頭してんのな」
バムがため息まじりに言う。
「部屋で着替えたいのにね……」
その途端暴れるような音が聞こえ美来達の方を見ると、レゲインと美来が端のベットの壁際にまで行き女子同士のように両手を合わせてバムを見て震えている。
「バム、お前、何考えてんだよ」
「女子同士だったら全裸になるの!? 私、嫌だよ?」
「やめて!? 私が変な性癖暴露したみたいに怯えるのは」
その突っ込みを聞くと美来とレゲインは何事もなかったかのように自分の場所に座り直した。
「バム、意外と薄情だな。美来に真ん中を強制しやがって」
「そんな事言うならゲレインはソファーで充分でしょ?」
「はぁ!? 偏見だろ!」
「寝れるでしょ? 教室でも寝てるし、ベンチでも寝てるし」
「お前なぁ……」
カクランは広くて暗い場所で薄く赤い水が張った空間に立っていた。
何だここ……。
「おい……」
「ぬわっ!?」
突然呼びかけられ驚いて振り向く。相手も手を上げ驚いていた。声からして男のようだが、顔は黒い布で隠されていて目しか見えない。背はカクランより高く二、三束長い青の髪がはみ出している。
黒の線の青い目? ブリザードラゴンか?
それにしては、目の形がルウブに似ている気がした。
「……ルウブ?」
男は違うと首を振る。そしてカクランに手を伸ばし触れられないことを確認した。
「えっ……何で」
「出口まで連れてく。ついて来い」
何も無い場所を歩く。一体何を目印に男が歩いているのかは分からない。
しばらく歩くと赤い水の上に白い石でできた祭壇のような物が見えてきた。
男が階段に足をかけると赤い水の跡がつき直ぐに吸い込まれるようにして消えていく。祭壇に上がると男は中央に行く手前で止まる。
「貴方は行かないんですか?」
「ここは肉体じゃあ通り抜けられない。ティーアンで助かっているのは君だけだ。今まで何人もの人が肉体ごと送られてきては直ぐに消滅した。運が良かったな」
「ブリザードラゴン?」
その問いかけに頷いた。そして何故かカクランの顔に手を伸ばし触れられない頬に手を当てる。
「中央に行けば戻れる」
カクランは祭壇の中央に行き振り返ると男が微笑んでいるように見えた。
「またいつか、会おう」
「えっ……!」
声が聞こえたかと思うと光に包まれ目の前が見えなくなった。




