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エリオスからの報告

ルウブは剣を周りし後ろを向けと指示をする。

「え? 何で? 魔女に何かするのっ!?」

からかうカクランは危うく剣で肩を斬りつけられかけた。更に振り上げられる剣を見て慌てる。

「待て待て! ごめんって! 後ろ向くから!」

剣の先を向けて突きつけられる。じゃあ早くしろという事らしい。

手を下ろし後ろを向くが何も無い。

「ルウブ? 何かいたんじゃ? 痛っ!」

黙れと背中を剣の先で突っつかれた。

全く、ルウブは酷いなぁ。誰が居るんだ?

目を凝らして見ると、木の陰から微かに半透明の紐がなびいて見えた。

「……! あ、なるほど」

腕を組み知らんぷりを決め込もうとするとルウブに蹴り飛ばされた。

「お前は馬鹿か。次、昔みたいな事になったら殺すぞ」

「ルウブ……」

カクランは本気で睨んでくるルウブを見て立ち上がり服を払うと、紐が見えている木の方へ行った。

「エリオス、だろ?」

そう呼びかけるとエリオスは躊躇いながら木の陰から顔を覗かせた。カクランは気まずそうに顔を背けた。

「どうした?」

「その……で、ディネが魔女に捕まってて、まだ向こうで」

「なにっ!? っ……」

慌てて森の方へ駈け出すと何かに足を取られずっこけた。

「グフッ!? ルウブ何すんだよ!」

「このままお前が出ると、この町の奴ら消える事になるぞ」

「は? 何言ってんだよ?」

魔女はまだ殺されず氷で拘束されている。横を歩いていくルウブをカクランは地面に這いつくばって見上げる。

「てめぇは此処で待ってろ、魔女を見てろ」

「何でだよ?」

ルウブはカクランの服を掴み持ち上げると魔女の方へ投げ飛ばした。

その場には魔女とカクラン、エリオス、デセレスが残された。

「君のお兄さんは気難しいな。なぁ、カルディ……カルディア!? ど、何処に!?」

「デセレス王、さっきから貴方は一人ですけど」

「何故言わなかった!? カルディー! おい! 何処行ったんだ!?」

デセレスは慌てて町の奥へ走って行った。

言わなかったって、僕あの人が人連れてたなんて知らないし。



ソテ達が去った後、美来はふと思い出したように叫んだ。

「あっ!!」

「うおっ!?」

ーードサッ

「痛っ……何?」

レゲインは驚き、バムは思わず木から落下した。

「む、向こう! ディネが危ないよ!!」

「あ? ディネが? 何で?」

「ま、魔女がディネを連れてっちゃう! 夢でこないだ見て……」

レゲインは頬杖をつきどうでもよさそうに焚き火を突っつく。

「そう」

「レゲイン……どうでも良いの?」

「他人の事だしな」

「自分の欲に素直に」

「あ? 誰の言葉だ、それ」

美来はバムの前に行き、起き上がるのに手を貸す。

「分かんないけど、昔聞いた覚えがあるだけ。バム、一緒に来てくれるよね?」

「勿論だよ、ディネを助けるんでしょ?」

美来は嬉しそうにニッコリしてバムと二人でディネのいる方へ去っていった。

俺、行かねぇとは言ってねぇし。何だよ、置いて行きやがって。

無表情で口を固く閉め焚き火に木の枝を刺す。

「欲望に素直にか……なり過ぎたら崩壊すると思うけどな」


「あ……」

やっべ、迷った。

ルウブは少しイラついて頭をかく。夏とは思えない冷たい風が森を吹き抜け、嫌な暑さを冷ました。


「邪魔するなら絞め殺す」

「俺と同じく面倒くさがり?」

「一緒にしないで」

ディールスは鞭を持った手を下す。

なめんじゃねーぞ、この女が。潰してやる。

「その目、気に食わない」

ディールスをの周りで渦を巻くようにして蔓が伸びてきた。だがディールスは動かない。

蔓が締め付けにかかった瞬間、ディールスは軽く手を動かした。すると、蔓は一瞬でバラバラに散った。

「その鞭、何?」

だが、手には鞭のストックしか無かった。

「鞭じゃない?」

ディールスは黙ったまま魔女をしっかり見据える。



美来達がその場に着いた時には、ディールスは木に縛り付けられるようにして蔓に絡め取られていた。魔女の前には蔓が絡み合ってできた球体がある。

「ぐっ……」

「ディネ、ディネ、捕まった」

空を飛び回っていたインコは主人の危険を知らせる為か美来の肩に止まる。ディールスは手を動かしストックを振ろうとしている。

「あの人、想像源の使い過ぎだよ、眠気に襲われてるはずなのに……」

「えっ? バム、ディールスって名前だよ」

「あ!」

バムの声にディールスの方を見ると、竜巻のようなものに巻かれ蔓が切り裂かれディールスは地面に落ちた。よく見ると目の下に隈ができている。更に襲いかかってくる蔓にストックを向ける。

「これ以上想像源使ったらあの人死んじゃうよ! 美来ちゃん! 炎撃って!」

バムはコールであるフードを頭から外し邪魔にならないようピンで留める。

美来は銃を取り出し蔓を焼き払うのをイメージし引き金を引いた。火炎放射器のように銃から放射される炎は向かっていったバムの隣を通過して蔓に当たる。

「うっ! 熱っ!?」

炎で抑えられる蔓を見てディールスは目を見開いていた。

「ほ、炎……主人公候補か……」

ディールスは小さく息を吐き目を閉じた。

炎が止み、ボロボロの灰になった蔓の先を魔女は不思議そうに見る。

「私の蔓、灰? 主人公、実験体。来たのね」

バムは美来に襲いかかろうとする蔓を蹴り飛ばす。

「美来ちゃん! あの球体!」

「あの中にディネが?」

インコが肩の上で鳴いた。美来は銃をしまいナイフを取り出した。バムはその間蔓を美来から退けていた。

両手でナイフを持つと、ナイフは炎を纏った剣へと形を変えた。

「バ、バム、わ、私は多分大丈夫だから魔女を!」

「うん!」

美来ちゃん、声震えてるよ……。

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