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バムの勘違い

「それで、どういう風の吹き回し? 今の班はどうなるの?」

「えっ……今の班は。私がいなくても」

美来はディネから目を逸らした。その場の空気を直そうとしているのかエリオスが床から顔を出し美来と目を合わせてくる。

「美来、確かにぼくは君がこの班に入ってくれるのは嬉しい。それは君が主人公だからで君自身を見てるわけじゃないんだよ?」

「ディネは死にたくないだけじゃないか。命と他人の身どっちを優先する気だい?」

「静かにしてて。霊媒師呼ぶけどいい?」

おちょくるエリオスを冗談ではない話し方で脅した。

「二人目入れてもいいけど校外での訓練の後まで考えてよ。ぼく、入ったそばから出てかれたら立ち直れないからね」

美来はディネの提案を渋々了承し迷って歩いた森にもう一度入っていく。ディネはインコを案内人として美来に着かせた。

「二人目って一人目は私の事かい? 入れてくれるのか?」

「それは……一人足りないけど班員集めるのが最優先だし……もう君でいいかなと」

「仕方なく!? 私を入れるのは仕方なくなんだね?」

「幽霊らしく黙っていてほしいな」

ディネの班に入れてもらえる事が分かったエリオスは確実に浮かれていた。



私、二人に迷惑かけてばかりで何もできてないのにずっと一緒にいたらいつか愛想尽かされるんじゃないかな……。

美来はそこで足を止めた。そもそも自分は二人に好かれているのかという疑問に突き当たったからだ。

「美来ちゃん! どこ行ってたの!?」

声に驚き顔を上げるとバムが自分を見つけて走ってきた。

「ねぇ」

「何?」

「私の事好き?」

「へ?」

唐突な質問にバムはキョトンとする。

「み、美来ちゃん、幾ら美来ちゃんの事が好きだからって言ってもそれは友達としての話で」

誤解が生じたようだ。バムは少し赤くなりながらも何かを上手く断ろうとしているようだった。

「わ、私の恋愛対象はちゃんと片思いしてる殿方がいる訳で……」

「バム。私、同性愛者じゃない」

美来の方を見てさらに顔を赤くしてその場でしゃがみ込んでしまった。冗談ではなく本気で誤解していたらしい。

「聞かれたら普通そう思うじゃん〜」

好きな人居るんだ。同性に言われて思うことないと思うよ、バム。

「レゲインは?」

「へ? そ、それはぁ〜レゲッ……ゲレインに聞いてみないと」

「そうじゃなくて、レゲインどうしたの?」

「あ……」

二回も誤解を繰り返すとは常軌を逸している。

バム何かあったのかな? 恋愛関係の本にはまってるとか? それともその好きな人から手紙かメールでも来たのかな?

もう一つの説が浮かび上がったが、それはあり得ないと除外した。

「誰かに告白された?」

「されてないよ。ほ、ほら、行こ? 早く集合場所に行かないと迷惑だしね」

美来はこの後の予定の事が分からないまま移動塔の前でレゲインと合流した。

「おせーよ、美来の行動ぐらい把握してんだろ」

「できないよ、ディネの家から戻ってきたみたいだし……って美来ちゃんは子供じゃない!」

美来はそれを聞いてバムの袖を引き振り向かせる。

「ねぇ、お母さん」

いつもの調子で言われたバムは驚く。

「え、えっ!?」

「クスッ……冗談だよ」

二人を見て身長的にも母親と父親に見えるのかとレゲインはぼーっと考えていた。

「ゲレイン、集合場所は江国とハンカ国の間の森だからハンカ国から行ってもいいよね?」

「は? いいけど、何であんな竹やぶの国に……」

「なんか文句でもあるの? 涼しい雰囲気の国なのに何か文句あるの?」

「悪い、文句なんてねぇよ」

やけに突っかかってくるバムにレゲインは少し引いて謝るしかできなかった。

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