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共通の癖

「寒いのはオレのせいだよ」

「うわっ!?」

ルウブは目を開けて起き上がる。寝癖のついた頭をかき大きなあくびをすると美来の顔の前に手を出してきた。美来は冷気を感じ思わず身震いした。

「体温低くて悪かったな」

「何で寝てるの? ここで」

「仕事終えた後に飛んできたから寝てねぇの」

それだけじゃねぇけどな。

立ち上がり髪を軽く整え服装も整える。美来は自分より背の高いルウブを見上げる。ルウブは家具が数台増えた部屋を見て伸びをするとベットに腰掛けた。

「お前、どっかの実験施設的なところに居た記憶とかあるか? 子供の頃とか」

「実験施設? 私は子供の頃から普通に家にお母さんと居たけど。実験施設とかは行ったことないよ」

ルウブは少し考えるとふと見上げた時に目があった美来を見て服の裾を引っ張り隣に座らせた。

私のベットなのに……。

「カクランに会いに来たんじゃないの?」

「は? 何でわざわざ何年も会わなかった奴に会いに来るんだよ? もっと別の理由だ」

「別?」

「想像石の事と、お前の事でだ。お前の想像源は主人公としての量以上に膨れてるんだよ。この学校に迎え入れられたのもそれが二つ目の理由だろ」

美来が不思議そうに見ているのに気がついたルウブは説明をする。

「この学校は命を捨てる気で敵に突っ込めるかを見る事が本質だ。理由は相手が強くても死んで止めようとした事をその世界の被害者達に見せるためだ。その覚悟を持たせるための三年間。強さは二の次な。んな所に何の覚悟もねぇ奴をただ入れるわけねぇだろ」

美来は床の方に目を落とす。

それを見たルウブは美来の頭を押さえるように手を置いた。

「すぐ忘れるだろうから言ったんだよ。まぁ、主人公なら本当に死ぬことはねぇだろ、死んだらそこで物語は終わりだからな」

この世界でなら終わりって話だけどな。死後の世界のある世界ならまた別だろ。

手をどけると美来は頭を押さえルウブを見上げた。

「あの、それと実験施設の関係って? レゲインから聞いたけど想像源が増え過ぎるとどうなるの?」

「想像源を人工的に増やしてこの世界の創造者としての力を持たせる実験がケイヴ帝国で行われてるって噂だからな。想像源は許容量を超えると死ぬなり暴発なり色々とな」

「私……死ぬの?」

怯えた目をしているのを見たルウブがまた頭に手を伸ばしてきたので美来はそれを避けた。一瞬気まずい空気が流れた。

「何で避けた」

「何で触るの?」

「癖って奴じゃねぇか?」

「カクランと同じだね」

ルウブは手を引っ込め顔を背けた。立ち上がり出口に向かう。

「あ、そうだ。想像源の事はカクには言うなよ、知らねぇみてぇだし」

「う、うん」

ルウブは扉から出て行ったかと思うともう一度顔をのぞかせる。

「覚えるまで頭の中で繰り返せ」

そう念を押して出て行った。



「校長!」

「あ〜君はカクランよりうるさいな」

「命の危険があることを教えないのはおかしいですよ!?」

イロカは資料などを見て忙しそうにしている校長の机に手をついた。校長は鬱陶しそうにイロカを見ると紙の束を机に置き眉間を押さえる。

「あぁ、そこは非常識だな。そう言えばいいのか? 言わないのは過去の出来事からだろう、こちらにしては好都合だがな」

「好都合?」

「隠し事だからな。それに死なせる為にやってるわけじゃない。にしてもあのドラゴンは本当にこの学校を毛嫌いしてるみたいでね美来に余計な事言わないと良いのだが……おっとこれは失言だったね。もう出て行け」

手で払うとイロカはムスッとして出て行った。

「はぁ……人のクラスに口を出すとはね。まだ一人も死んでいないのだからいいではないか?」

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