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ガーディアン

カクランは飛んでくるボールを槍で弾き落としていた。後ろではアウラーが頭を抱えてうずくまっていた。

「おいおい、幾ら簡単だからって教師だからってか弱い女の子ばかり狙うのは酷いんじゃないか? そこにいる二年、僕は男が相手なら容赦しないよ?」

あの物陰に二、三人か……もうボールもないだろうし、こっちには彼奴らが投げてきたボールのストックがあるし。

カクランは槍をしまいボールを二個持つ。

「さて、どうしてあげようかな?」

草むらの影では生徒が三人コソコソ話していた。

「おいっ教師にそんな権限あったのかよ?」

「そりゃあ参加するって言ってるんだから反撃が来るに決まってるだろ」

「うごっ!? 連射じゃないかよ!」

草むらに隠れていた生徒は大量に飛んでくるボールに慌てて逃げ出した。

「ほら、男の癖に逃げやがって」

カクランは端末を確認し当たったことを確かめる。

まぁ、仕返しとしては一人二、三回当てればいいだろ。教師が当てると何年相手でも一点にしかならないし。

「んー」

さっきから三点ずつ上がってるのはなんだ?

カクランは突然腕を掴んできたアウラーに驚く。

「カクちゃん、ありがとう」

「え? あぁ、うん。女の子を助けるのは当たり前だ……よっ!?」

アウラーがカクランの不意をついてボールを投げつけてきたのでカクランは避ける時尻餅をついてしまった。

「ちょっ! ま、待ってよ! アウラー!?」

やばい! ここで当てられたら生徒に馬鹿にされる。じゃなくて、信用失うんだけど!? アウラーって担任持ってたっけ!?

「減点人がいるって聞いてないの? クラス点から抜かれることになるからね」

「油断大敵だね……僕まだボールに当たってはないけど」

その天使みたいな笑顔で言われると本気かわからないからやめてくれないかな、アウラー。



「ねぇねぇ、今のは何点だった?」

バムは美来に自分の生徒手帳を渡し今当てた相手の得点を楽しそうに聞く。

「二点だよ」

「やった! 美来ちゃんも誰かに当ててみたら?」

「ん……」

美来は目の前にいるバムに軽くボールを当てた。目を点にしてバムは自分に当たって転がったボールを見ている。美来は自分のやったことが分からないのか首を傾げてバムを見ている。

「美来ちゃん……わざとだよね? ね?」

「うん」

「んぅっなんか今日の美来ちゃん話しにくいよね」

「そう?」

「あ、分かった! 美来ちゃんゲレイン居ないから、いつもと違っていずらいんでしょ?」

バムが得意げに美来の本心に掠る所を言うがレゲインが居ないのは今回に限った事ではない。

「そういうわけじゃないけど。ねぇねぇ、もうお昼だし何か食べに行こうよ」

「そうだね」

「レゲイン探す?」

「美来ちゃん、私の答え知ってて聞いたよね?」

美来はくすりと笑った。

バムなら知らないって事言うんだよね。



ツノメにボールを当て続けるのに飽きたレゲインは木の上に登りフードを脱ぎ魔法陣の書かれた紙を取り出し目の前に持ってくる。

「アオゲグロース」

右目を中心に囲むように小さな魔法陣が展開される。

まるで戦場だな……。

レゲインの片目には遠くで行われているボール当て合戦が見えている。

「あの中には入りたくねぇな」

膝の上に肘をつき頬杖をつきながら辺りを詰まらなさそうに見渡す。

それにしても平和だな、だから詰まらねぇのか? 俺も別に平和を求めてるわけじゃねぇし詰まらなくても仕方ないか。

「んっ……腹減った」

ポケットを探るが飴の包み紙しか出てこなかった。

「うわっ、マジかよ……」

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