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美来の気遣い

美来はケーキの入った袋を持ち医療館に向かっていた。バムの指示では紅茶の葉を買ってこいとのことだった。

酷いよ、レゲイン入院してるのに苦手なものあげるとか。ケーキ買ったけどバム私の事は見逃してくれるよね。レゲインは確か別にチョコケーキが好きってわけじゃなかったよね。

「甘いものなら良いんだよね、あっ」

「レゲイン喜んでくれるかなぁ〜あっ」

医療館入口でツノメと鉢合わせになった。レゲインの彼女だと偽った情報を吹き込んだ美来が一緒にレゲインの病室に行くのはまずいとツノメは内心焦りだす。

「えっとツノメ先輩もレゲインのお見舞い?」

「え、えぇ、そうよ? 起きているかしら?」

「えっと確か帰る前に起きたって言ってたし大丈夫だよ? 何持ってきたの?」

「ティーパック」

あれ? レゲイン紅茶苦手なのに……。

「あの、レゲインって確か紅茶苦手だったよね? 間違えたの?」

「えっ!?」

しまった!? 知らなかった……付き合ってる相手の好み知らないなんて怪しまれる。

美来は自分の持っていた袋をツノメに差し出した。

「な、何よ」

「ケーキと変えよ? そうしたら何も言われなくて済むよ?」

な、この子まさか……私を騙して恥をかかせるつもり? いいえ、この子にそんな頭があるとは思えないし。にしても眩しすぎる!

「どうしたの? 知らなくても仕方ないでしょ? レゲインあんまり好き嫌い話さないし」

「そ、そうね」

美来はケーキと紅茶の袋を入れ替えた。

「あ、あなたは良いの? 嫌な奴だとか思われるんじゃないかしら?」

「レゲインそんな事思わないよ。それに元々バムに頼まれたのは紅茶だったし」

何よこの子……。

レゲインの病室に入る。

「美来ちゃん! 良かった〜遅かったから迷子になってるかと思った」

「流石に道は覚えたよ、何回も来てるし」

ツノメはレゲインを見るなり直ぐに横に座り前の机に袋を置く。レゲインは物凄く嫌な顔をして離れてくれることを願っていた。

「レゲイン、はいお見舞いだよ」

レゲインは美来から紅茶のティーパックを受け取り引きつった笑みを浮かべた。

「ひゃっ……」

思わずまだまともに回らない舌で口を開いてしまい慌てて話すのをやめた。そのままバムを軽く睨む。バムは楽しそうにニヤニヤしていた。

「紅茶を克服させるって言われたよ?」

美来の話を聞き呆れたようにため息をついた。

仕方なくツノメが持ってきた方の袋の中身を確認してツノメを見る。

ツノメはにっこりするがレゲインはまた呆れた目で見た。紙とペンを取り言葉を書く。

『ありがとう。早くでてけよ』

ツノメはベットから降りるとニコニコする。

「じゃあ、お大事にねレゲイン」

手を振って出て行った。

「あの先輩の方は何が入ってたの?」

「ケーひ……」

「クフッ! ゲレイン舌足らず」

レゲインは鋭い目でバムを見た。そして美来を手招きをし耳を貸せと合図した。手でバムに聞こえないように話す。

「ありがひょ……とうな」

美来が耳を離し首をかしげるとレゲインはケーキの入った箱を指で軽く叩く。

レゲインには美来がケーキの方を買ってきたことがバレてしまったようだった。箱を開け自分と美来の分のケーキを出し自分も食べようとしたバムにはティーパックの入った箱を投げつけた。

「ぐっ……酷い」

「バム」

美来がケーキを渡すとバムはキラキラした目で美来を見てゴミを見る目でレゲインを見た。

「おみゃえがわゆい」

「バム何かしたの?」

「美来ちゃんも加担したのに……忘れてるなんて、ゲレインは舌足らずで怒られてる感じしないし」

怒られたいのかよ!

レゲインはそう心の中で突っ込んだ後、ケーキを口に運ぶ。甘さに浸っているところを見たバムは手を止めてドン引きしている。

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