このくだらない世の中で
初めての投稿です。気に入らない点が多いと思いますが直して行くよう心がけて頑張りたいと思います。
今日も平凡すぎる、つまらない一日だ。
俺の名前は轟崎流星、良く、みんなからはリュウセイと呼ばれている。
身長体重と共に平均的で平凡な高校3年生、ありきたりの受験生だ。趣味はゲーム、特にRPG、友人にカラオケに誘われたりボウリングに誘われたりしても全てキャンセル。そして家で引きこもってゲームキャラクターの経験値稼ぎをやっいる奴だ。
そのせいで友人がどんどん減っていき、友達が減っていると気づいた時には幼馴染の3人しかいなかった。
幼馴染の彼らはいわゆるオタクで唯一ゲームの話で盛り上がる友達だけであった。
「リュウセイ?ぼーっとしてるけど大丈夫?」
「ああ、ごめん。で、なんの話してたっけ?」
「聞いてなかった?ラエテヨ5のラスボス前で詰んだって話だよ。」
「ああ、そうだったけ。」
会話が止まった。
俺の友達である琢朗が黙り込む。タクロウはチビで小柄であんまりしゃべんないけど、偉いし気が会うので良く一緒にいる。勉強を教えて貰ったり、ゲームの攻略を手伝ったりする。言うなら友人以上、相棒だ。
よく晴れた晴天の冬、ポカポカ昼空の下、俺は屋上で琢朗と弁当を食べていた。屋上の鍵は壊れている。自由に行き来できるが、先生に見つかったら生徒指導だ。
こんなスリリングなことをするのも俺は若干投げやりに生きているからだ。というよりも生きることに希望が見出せない。受験のシーズンで勉強しなければならないが、目標がない。だから本気になれない。情緒不安定な状態だ。
「…俺ちょっと飲み物買ってくるから。」
沈黙を破り、琢朗が屋上から出ていった。空気の読めるやつだ。これで屋上は俺一人になった、暇になったのでゴロゴロと屋上を転がる。ちょうど良く温まったタイルの上を転がるのはとても気持ちが良い。ちょっと昼寝でもする、どうせ琢朗が帰って来たら起こしてくれるだろうし。
俺は転がるのをやめて仰向けになった。暖かい日差しと夏場の乾燥した風のダブルアタックによりウトウトし始めた。
ピーィンポーンパァンポーン
ん?呼び出しのようだな、まあ俺にはたぶん関係無いな…
「28HRトドロザキ リュウセイ、28HRトドロザキ リュウセイ、昼食が終わったら体育館二階の右端にきなさい」
おれか!?誰だあの先生、知らない声だったぞ!しかも体育館二階の右端って何だよ前代未聞だぞ!いいや。とりあえず職員室へ行って聞いてみるか。
俺は食べ終わった昼食の容器をバックに片付けて職員室へと向かった。
★☆★☆★
「ん?なんだ?別に呼び出してないぞ」
急いで職員室へと行ったが、呼び出しは、無かったみたいだ。暖房ガンガンであたたかい。
あせったな。隠れて屋上で飯食ってたのがばれたのかと思ったよ。だいたい俺は度胸ないチキンだから顔に出ちゃうんだよな、先生にばれたら大変だ。つくづく嫌になる…
「ところでリュウセイ、背中に苔がついてるけど、どこ行ってたんだ?」
しまった、あんまりにも急いでたから背中のホコリを払い落とすの忘れてた、あんなところで転がんなきゃ良かったな。
俺は目を泳がせながら
「え?何のことでしょう。これは登校中に道端の花壇に引っかかって、ついたと思いますよ。」
俺にはポーカーフェースはできない。しかし精一杯努力をする。
「…薄情するんだな。お前、目が泳いでるぞ。本当は何をしたんだ。今言わないで、今後不正があったら保護者召喚だぞ。嫌だろ保護者の前で怒られるとか。本当はどこで何をやっていたんだ?」
多分八割型気が付いている先生が慈悲をくれるようだ。今なら助かる!
「すいません。屋上で飯食ってました。」
あっさり薄情、俺は嘘が下手だ。
「ほう。あれほど注意呼びかけを行ったのに、入ったのか。なら反省文10枚だ」
俺に反省文の束を叩きつけ、先生が俺を生徒指導室へと誘導する。昼休みの間にこっぴどく叱られて時間ギリギリに釈放された。
あの先生ひどいな。反省文書くんだからあんなに怒らなくてもいいじゃんか。俺が悪いんだがな。
俺は急いで教室へと戻り、授業の準備をする。次の時間は古典だ。
怠い、寝よう。
俺は始まる前に心に宣言した。古典は嫌いだ。わけわからん。あれ?琢朗がいないぞ。どこ行ったんだろう、琢朗を心配しつつも号令がかけられる。起立、礼、椅子に座った、次の瞬間。
「遅れてすみません」
琢朗が冬なのにも関わらず、汗だくで教室に入ってきた。
あ、忘れてた。そう思えば飲み物買ってくるって言ったっきり会ってなかった。
「おや、どうしたんだね?」
古典の先生が言う。俺はこの先生が大嫌いなんだ。授業中に脱線した内容が毎回同じでつまらなく、意味のわからない質問をして生徒を困らせ、挙句の果てにテストが鬼畜なレベルで難しいのだ。どうしても好きになれない。
「…リュウセイを探していました。」
「流星ですか。え〜流星は中国語でなんて言うかをぉ、え〜あなたは知ってますか?」
話の最初に『え〜』をつけることが特徴的な先生の、聞き間違いによって起きた勘違いのせいで、それに気付いている他の生徒から、乾いた笑が教室に響き渡る、俺は授業に早く移行して欲しいのに脱線をする先生への怒りのボルテージは86%にまで上昇した。
「え?中国語ですか?興味ないですけど」
彼は当然の反応をしたと俺は思った。この寒い中、校舎内を走り回って、冬にも関わらず、汗だくで、呼吸が荒い中、いきなり答えを出せる方がおかしい。というよりも知ってる人はいるのか?少なくとも俺は中国語は全然知らないから、この回答はできない。
バン!!
先生が教卓を黒板消しで思い切り叩いた。チョークのカスが舞い踊り、前の席の人達が煙の所為で苦しそうにしている。
「何が『興味が無い』だ!!これは授業だぞ!!そもそもなんで遅刻してんのに全然反省してないんだよ!興味がないならこの教室から、でてけー!!」
顔を真っ赤にして声を張り上げて怒鳴った。これでは、近くで授業やってる先生が駆けつけてくるだろう。
他の先生が来よりも先に、琢朗は黙って出て行ってしまった。生徒指導を覚悟したのか、出て行く直前、顔が決心した顔になっていた。その堂々とした態度に皆はあっけに取られていた。
「みなさんも!学びたくて授業受けてるんだよね!あんな風になりたくないならしっかりと授業を受けなさい!」
先生がさっきよりは、声を縮めて皆に説教をした。俺の堪忍袋の尾が切れる秒読みに入っていた。
「ではえ〜話を変えてA助君、流星は英語でえ〜多分この発音をしたら通じないと思いますが、メテオと言われてます。では前に出て、英語で書いてください。」
凄い早口で聞き取れない。
可哀想に一年生で自分が担当した生徒ばかりをランダム氏名している。
はい。俺、キレました。もう完璧に。富士山っていつ噴火するかわかんないでしょ?まさにそれさ。たまりに溜まったストレスというマグマは、いつか、飛び出る。
こっから先は覚えていません。多分クソみたいな言葉を言いたい放題言って逃げてきたんでしょう、謹慎、退学を覚悟した。今は屋上にいる。
フェンスに手を添えて空を見上げ、物思いにふけっている琢朗を見つけた。
「よ!俺も逃げてきたぜ!タクロウと同罪だ」
「リュウセイ……」
「なんだよクヨクヨすんなよ。俺が偶然キレただけでお前のせいじゃないんだ。」
「そうか……っていうよりもリュウセイも怒ったのか。」
「まあな。さすがに俺でもあの理不尽には耐えきれないよ」
多少話した後に沈黙が続く。
「言いたいことも言えたし、先生の所に誤りに行こうか。先生もわかってくれるさ。」
俺は無言の琢朗を引きずる形で持って職員室へと行った。
★☆★☆★
「…で、お前らは授業をのうのうとサボって屋上で暇してた訳か。本当は保護者召喚以上に謹慎も考えなければいけない処置だけど、あの先生の評判が親から良くないからなー、君たちの保護者があの先生を教育委員会に訴えたりするとこの学校の評判が落ちるからなー、こちとら、ことを荒立てたくないから許してやろう」
凄く軽い、教師に裏を聞いた気がする。
「先生、本当ですかーありがとうございます」
「まあその代わりにリュウセイには先生を罵倒したから、反省文10枚追加、タクロウにも授業サボったから、10枚は書いてもらう。終わるまで今日は帰っちゃダメだぞ。」
先生は二人の手をがっしり、つかんで生徒指導室へと俺たちを連行して行った。
☆☆☆☆
放課後になった。生徒指導室の窓からは赤い光が差し込み、雰囲気を醸し出していた。俺と琢朗はガリガリと反省文を書いていた。
「タクロウー、どれくらい終わった?」
「僕は今14枚目くらいかなーおんなじことばっか書いてるし…」
「やっぱそうだよなー、俺なんかもう、ネタがなさすぎて生い立ちから書いてるよ」
放課後の生徒指導室で雑談をする。
俺が20枚、拓郎が10枚だが、屋上の件は拓郎にも非があるので手伝って貰っている。拓郎は後一枚なので仕事が早い。
本来はおしゃべりなんてできないが、先生が今は居なかったので、できたことだ。睡魔に17回襲われているが終わらないと帰れないので寝ることができなく精神的にも辛い時間帯だ、焦燥に駆られる。
途中しゃべっている時に先生が来て怒られるというハプニングがあったが19:20分きっかりに二人とも終わらせることができた。
「やっと終わったな、ハラへってやばいよ。」
「ね、糖分が欲しいよ」
俺たちは支度をしてロッカーに行った。辺りは薄暗く切れかけの蛍光灯が点滅を繰り返していた。
「なんか怖いねーオバケがでそう」
「そうだな。お前は結構ビビりだからな。チビんなよ。」
軽く雑談をしながら帰る支度をし、荷物はすべてロッカーにぶち込む。持って帰るのは財布とスマートフォンくらいだ。この方が楽だからだ。勉強?何それ美味しいの?一応受験生だ。それが何か?
ピーィンポーンパァンポーン
突然の呼び出し放送が入った。俺は行動には出していないが動揺していた。校舎内に残っているのは俺たちくらいで、先生もほとんど帰ってしまっているからだ。だから呼び出されるのは俺たちくらいだ。忘れ物でもしたっけかな。
「28HRトドロザキ リュウセイ、28HRトドロザキ リュウセイ、体育館二階の右端にきなさい」
俺は放送を聞き終わると同時に全身から鳥肌が立った。そもそも放送で聞こえてきた声が機械がしゃべっているくらいの棒読みで人間が出せるような声ではなかったからだ。そしてもう一つ、呼ばれたのが『俺』で場所が『体育館二階の右端』ということだ。この放送は昼休みにもされた気がした。その時はまだ『人間の声』だった。
「ねえ、今の放送信じる?」
「え?お前にも聞こえてたのか?」
「うん。僕が体育館二階の右側に来いという放送だったよ。聞こえてなかったの?」
どういうことだ。呼ばれたのは俺だったはずだ。けどなんでタクロウは自分が呼ばれたって言ってるんだ?わからない。頭がクラクラする。
「どうしよう。本当に体育館行くの?」
「行くしかないな。何が起きてるか確かめないと。」
「怖いよ。でもこれで無視したらやばそうだしな…」
「タクロウ!覚悟を決めろ!!俺は行く!勇気があるならついて来い!」
俺はタクロウに怒鳴ると、一人で体育館へと向かった。タクロウは悪くないのに…なに八つ当たりしてるんだろうな俺って…グズグズしても仕方ない。行って正体をつかむんだ。
体育館へとついた。この体育館は避難経路のための裏口が空いており侵入が可能だった。泥棒が入らないという理由はないのだが、泥棒に入られた形跡は一つもない。これもフェイクで設置してある監視カメラが十分やくにたっているようだ。
そんなこんなで、鍵がかかってない事に感謝をして潜入した。今いる場所は体育館二階だ。辺りは暗く、ぼんやりと光っている緑色の避難経路の表示が怖かった。
スマートフォンのライトをつけて右端へと移動する。そこまでは特に何もなかった。ちょうど端につく時に走ってくる足音が聞こえた。ガン!ガン!と、そこかしくに体をぶつけているようだ。
「リュウセイー」
走って来ていたのはタクロウだった。明かりも付けずに走ってきているのだから、いろんな所に体をぶつけて身体中が痛いだろう。
「まってよーー、あ!」
ライトがないから足元を照らしてやろうとした時にタクロウはビックリして大きく、
ずっこけた。
ヒュン
タクロウは居なくなった。いや、正確に言えば消えてしまった。
「おい?タクロウ?タクロウ!どこだよ!返事しろよ!!」
呼んでも返事がない。俺は転んだ方をライトで照らす。
そこには、“もや”が、かかっていた。ここは普通の体育館である。しかし、その部分は何かが違うのだ。例えば夏にみる陽炎のような感じか。そこに触れたらもう一生普段の暮らしに戻れなくなるようなそんな気がする。俺は躊躇なく、左薬指で『それ』に触れた。
こんな何にもない腐った生活には戻りたくない。何でもいいから、死んでも良い、毎日を奇想天外な生活をしたいんだ。
触れた瞬間にものすごい力で引っ張られた。この感覚は昔、試してみた幽体離脱で戻る時の感覚だ。離れていた魂が元の体へと戻る感覚、これからどうなるんだろう。
「タクロウゥゥゥゥー待ってろよーーー!!」
完全に引き込まれて視界がブラックアウトした。
目が覚めたのは林の中だった。夜だったはずだが、周りは明るい。周りには誰もいない。
何処かにワープしたようだ。始めての感覚だ。
俺は戸惑いを隠せずに某然と立っていた。